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オイディプス王

ソポクレース

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784003210529
ISBN 10 : 4003210522
Format
Books
Publisher
Release Date
August/1991
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

オイディプスが先王殺害犯人の探索を烈しい呪いの言葉とともに命ずる発端から恐るべき真相発見の破局へとすべてを集中させてゆく緊密な劇的構成。発端の自信に満ちた誇り高い王オイディプスと運命の運転に打ちひしがれた弱い人間オイディプスとの鮮やかな対比。数多いギリシア悲劇のなかでも、古来傑作の誉れ高い作品である。

(「BOOK」データベースより)

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訳者は前書きで、哲学専攻の者が文学の翻訳...

投稿日:2011/07/06 (水)

訳者は前書きで、哲学専攻の者が文学の翻訳を・・・などと言い訳めいたことを書いているが、古代には哲学も文学も区別などなかった。それはさておき、優れた訳ではあるが、現代からすればやはり訳語が少々古く、註釈がないので意味がわかりにくいところもある。俳優の歌やコロスの歌など、韻律が異なるところを訳者なりに工夫して訳しているものの、解説にも原語・原文の説明がないために、訳者の思いも伝わらない。古典中の古典とも言うべき作品を手軽に読めるというのは願ってもないことだが、専門的なことは専門家に任せるようなことはせず、しっかりとした註釈と解説が望まれる。

古楽器奏者 さん | 東京都 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ヴェネツィア

    初演から2500年後の今に至るも、劇として上演されているばかりか、フロイトはエディプス・コンプレックスの概念を、ストラヴインスキーはオペラを作り、パゾリーニは映画を撮った。それだけ普遍的なテーマを内包しているからだろう。全く予備知識なしに、この劇を見たとするならば、現代作家による不条理劇に見えるのではないか。アポロンの神託は、まさしく不条理以外の何ものでもないからだ。劇の構成もまた見事だ。個々の登場人物の葛藤と緊張の高まり、そしてクライマックスもこれ以上ないほどにドラマティック、かつ本質において悲劇的だ。

  • ehirano1

    これはひょっとしてかの「to be or not to be」ではないかと思いました。

  • takaichiro

    読書生活のリハビリ中です。フランス流🇫🇷大人の愛の物語から出直したので、リハビリは欧州古典の扉を叩く事にしました^_^ギリシャ悲劇の傑作である本作品。上演劇を前提に後半にかけて徐々に緊張感の高まる構成。何らかの苦しみにもあわずして、この世のきわに至るまでは、何びとも幸福と呼ぶなかれ。死の一歩手前まで自分が幸せな人生を歩んでいるかわからぬ険しく、先の見えない道。諸行無常は人間社会にビルトインされた避けられぬ壁。だからその道で出会う人々には可能な限りの理解と笑顔で応えたい。少しでも険しさが和らぐ様に^_^

  • 夜間飛行

    対話の緊張感がすばらしい! 話の展開に無理がなく、ぐいぐいと引き込まれて最後は深い感動に包まれる。藤沢令夫さんの解説を読むと、作者ソポクレスの天才であることがよくわかる。解説中、アリストテレスの『詩学』に言及した所が特に面白かった。それを見ると『オイディプス王』こそ、今日のミステリー小説の遠い祖先だと思えてくる。そうであるならば、奇しくも、探偵イコール犯人という最も意外性のある形こそ、ミステリーの原点だったことになる。妙な比較だが、ストーリーや会話のリズムなど、私の好きな横溝正史に似ているように思われた。

  • 加納恭史

    「アンティゴネー」の読後、代表作のこの本を読みたくなります。何か薄い本であるが、とても重要らしい。数多いギリシア悲劇作品の中で、古来傑作の誉が高いのがこの「オイディプス王」です。人間存在を包み支配する、不気味で非情な運命のことが主題か。オイディプスの身にまつわる恐るべき真実の発見が、高まる緊迫感とともに、劇的進行そのものの中から―登場人物たちの、もっばら「よかれ」と願う意志のみの積み重ねから―必然的に準備され、そのような真実の発見がそのまま、運命の激しい逆転と一致する点など、アリストテレスも特に称賛する。

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