スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ

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ボタン穴から見た戦争 白ロシアの子供たちの証言 岩波現代文庫

スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784006032968
ISBN 10 : 400603296X
フォーマット
出版社
発行年月
2016年02月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
359p;15

内容詳細

一九四一年にナチス・ドイツの侵攻を受けたソ連白ロシア(ベラルーシ)では数百の村々で村人が納屋に閉じ込められ焼き殺された。約四十年後、当時十五歳以下の子供だった一〇一人に、戦争の記憶がどう刻まれているかをインタビューした戦争証言集。従軍女性の声を集めた『戦争は女の顔をしていない』に続く、ノーベル文学賞作家の代表作。

目次 : 一九四一年六月二十二日/ ドイツ軍の下で/ 疎開の日々/ 孤児たち/ 少年兵/ ただ記憶の中で/ 戦争が終わって

【著者紹介】
スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ : 1948年ウクライナ生まれ。国立ベラルーシ大学卒業後、ジャーナリストの道を歩む。民の視点に立って、戦争の英雄神話をうちこわし、国家の圧迫に抗い続けながら執筆活動を続ける。2015年ノーベル文学賞受賞

三浦みどり : 1949‐2012年。東京外国語大学卒。ロシア語通訳・翻訳家。アレクシエーヴィチと親交があり、来日の際は通訳をおこなった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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子どもの目から見た戦争。事情を理解した大...

投稿日:2021/02/24 (水)

子どもの目から見た戦争。事情を理解した大人ではない分、その印象は強烈だっただろうと思います。自分がコントロールできる世界ではなく、ただただ必死に生きるしかなかった子どもの見た戦争。これまで読んだことのない類のものだけに衝撃的でした。大人の戦争に巻き込まれた子どもたちの証言集です。

huhuhum さん | 不明 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • molysk さん

    1941年、ナチスドイツの突如の侵攻を受けた白ロシア。戦争の惨禍を目の当たりにした、101人の子どもたち。戦場から帰らなかった父親。自らを犠牲にして子供を逃がした母親。ドイツ軍に焼き払われた村。たった一人で見知らぬ土地へと逃れる心細さ。復讐を胸に幼い手に取った武器。そしてようやく訪れた平和に、喜びを分かち合う家族は残っていなかった――。子供の記憶に刻まれた、戦争の傷あと。オーバーをかぶって伏せた地面の上で、爆弾が落ちる様子をボタン穴から見ていた。戦争を生きのびた子供たちは、残された最後の証言者である。

  • やいっち さん

    「チェルノブイリの祈り」も、原発事故の悲惨をあくまで被災者たちの現実に寄り添って痛切だったが、本書も、ナチスドイツに侵略された白ロシア(現ベラルーシ)の村々の住民たちの悲惨を描いて悲痛。あくまで幼子たちの視点で生々しく吐露させる。ロシアといっても、ウクライナ、さらにベラルーシの被害が甚大だったことは知られていない。子供(当時の痛み)の言を引き出す筆者の辛抱強い姿勢があっての成果なのだろう。

  • ケイトKATE さん

    戦争の証言は、女性だけでなく子供も置き去りにされてきた。アレクシエーヴィチは独ソ戦当時、子供だった人々から証言を集めて『ボタン穴から見た戦争』を書き上げた。前作『戦争は女の顔をしていない』と同様、戦争の悲惨さが語られているが、子供時代に見たことを色や臭いで語る人が多いことに気付く。戦争を色と臭いで語ることで、恐怖や生々しさが的確に伝わって来る。さらに、子供時代に戦争を体験したことは本来、子供の時だけ体験できる無邪気さや純粋な喜びを失い、大人になっても心に大きな傷が刻印されてしまう。戦争に正義などない。

  • ころこ さん

    電子書籍が出ていましたので読んでみました。証言は子供ですが、当時子供なだけで1941年に7歳だった初老だったりします。これをノンフィクションと捉えれば、証言された場所、日時の記憶に混同があるのでエビデンスにならないとなります。他方で、これを文学と捉えればどうでしょうか。ここでいう文学とは、必ずしもフィクションのことではありません。低い目線からみた周囲の軋轢や思いがけず掛けられた見知らぬ人からの温かい言葉、母親を守ろうとして毅然として取った場違いな言動、子供たちが証言の時点でも明確に記憶しているということは

  • Nobuko Hashimoto さん

    第二次大戦のドイツ軍侵攻時に2,3歳から14,5歳くらいだった101人の証言集。白ロシアの村々はドイツ軍に蹂躙され、想像を絶する目に遭う。村に残ったお年寄り、女性、子どもたちが、見境なく焼かれ、銃殺され、吊るされ、自ら掘らされた穴に落とされて埋められる。予想以上に恐ろしい、残忍な話ばかりが続くが、孤児や小さな子どもたちを周りの大人やソ連軍やパルチザンが救って育て、なんとか教育を授けようとする姿には救いや希望を感じた。数字だけでは伝わらない、一人ひとりの体験の重さが迫ってくる。

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