スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ

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アレクシエーヴィチとの対話 「小さき人々」の声を求めて

スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784000614788
ISBN 10 : 4000614789
フォーマット
出版社
発行年月
2021年06月
日本
追加情報
:
382p;19

内容詳細

ノンフィクションの書き手としてノーベル文学賞を受賞した作家の創作の道のりと極意。その全貌を、ペテルブルグ、ミンスク、シベリア、チェルノブイリ、福島でのNHK同行取材記録のほか、充実した講演・対談・評論によって明らかにする。「ドキュメンタリー文学」の手法とは何か。『戦争は女の顔をしていない』や『チェルノブイリの祈り』はいかに書かれたか。

目次 : 1 「小さき人々」への旅立ち―アレクシエーヴィチとは誰か/ 2 「ユートピア」の残骸で―過去の記憶/ 3 国家の「神話」を砕く―戦争と抵抗/ 4 核の時代に生きて―未来への証言/ 5 「小さき人々」を見つめて―アレクシエーヴィチと徐京植/ 6 声の小説―「赤いユートピア」の文学

【著者紹介】
スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ : 1948年ウクライナ生まれ。国立ベラルーシ大学卒業後、ジャーナリズムの道を歩む。綿密な聞き書きを通じて一般市民の感情や記憶をすくい上げる、多声的な作品を発表。戦争の英雄神話をうち壊し、国家の圧制に抗いながら執筆活動を続けている。邦訳作品に『戦争は女の顔をしていない』など。2015年ノーベル文学賞受賞

鎌倉英也 : 1962年松本市生まれ。NHKエクゼクティブ・ディレクター。映像作品に『チョウ・ムンサンの遺書―シンガポール・BC級戦犯裁判』(1991、アジア国際映像祭優秀賞)、『アウシュヴィッツ証言者はなぜ自殺したか』(2003、ギャラクシー賞大賞)、『日中戦争』(2006、文化庁芸術祭賞大賞)、『記憶の遺産』(2008、石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞・ドイツWorld Media Festival金賞)。映画『しかし それだけではない。―加藤周一幽霊と語る』(2010、日本映画復興賞)ほか

徐京植 : 1951年京都市生まれ。作家。著書に『私の西洋美術巡礼』(みすず書房、1991)、『子どもの涙―ある在日朝鮮人の読書遍歴』(高文研、2019)など

沼野恭子 : 東京外国語大学教授(ロシア文学、比較文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • molysk さん

    ミンスクの集合住宅の暗い照明の下、笑みをたたえて立っている小柄な女性。日本からの取材班と、アレクシエーヴィチの最初の出会いである。独ソ戦を生きのびた女性や子供、アフガン帰還兵、チェルノブイリの避難者、そして崩壊したソ連に郷愁を寄せる人々。彼女がかつて話を聞き取った「小さき人々」への再訪に、取材班は同行する。変わらぬ想いもあれば、時とともに移りゆく心もある。アレクシエーヴィチは自らを、耳の作家であり、魂の歴史家だと呼ぶ。国家の圧力に抗って執筆を続ける彼女は、現在はドイツの地から祖国ベラルーシを見守り続ける。

  • 更紗蝦 さん

    NHK同行取材記録、講演、対談、評論をまとめ、アレクシエーヴィチという作家の人物像とその著作に迫った本です。アレクシエービチの「ドキュメンタリー文学」の手法は、一見、インタビューとの違いが分かりにくいですが、「精神をつかみ取る」とか「魂について話してもらう」という目的を持って対話しているという点においては、やっていることは結果的に精神分析にかなり近いのではないかと感じました。

  • kan さん

    「小さき人々」の声を掬い上げるのに、証言者と一体となって聞き取った丁寧な積み重ねを文学にする。一方で、揺れ動く人の心のために発言を翻しアレクシエーヴィチを攻撃する側に回る証言者の言葉を読み、「戦争文化の人質」という名付けとその社会構造に絶望する。自らの行動を英雄視し、家族の戦死を名誉ととらえる神話に縋らないと生きていけないのだ。チェルノブイリとフクシマで共通点を見出だす日本には抵抗の文化がないという指摘が胸にこたえる。国家や組織に頼らず個人として「人間であり続ける」作業を自分自身でしてゆかねばならない。

  • Nobuko Hashimoto さん

    作家アレクシエーヴィチを/と取材したNHKの番組の制作話や、徐京植氏との対談の再録、徐氏の文章、講演2本等を収めた本。章立てが著者別になっていて、本全体の記述は必ずしも時系列で編集されているわけではないので、重複もかなり多く、一冊の本としては流れが悪い。とはいえ、秘話や登場人物のその後なども読めるので資料的な価値はある。アレクシエーヴィチ入門としてよりは、彼女の著書を読んで、さらに知りたい、補いたい人に良いのではないか。ブログに記録。https://chekosan.exblog.jp/30699142/

  • ロビン さん

    ウクライナ人とベラルーシ人の両親を持ち、ドストエフスキーを始めとしたロシア文化に育てられたというアレクシエーヴィチ女史は、2015年ノーベル文学賞を受賞した。本書はノーベル文学賞受賞講演「負け戦」から、NHKの制作した女史を扱った番組のディレクターによる取材同行記録、作家の徐京植との対談、評論が収録されている。女史のように、大文字や英雄の歴史が語ることのない「小さき人々」の声を記録する、民衆を愛し理解しようとする人間主義の熱い心を持った作家こそノーベル文学賞に相応しいと思う。本当に素晴らしい本だった。

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