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ISBN 10 : 4772421424
Content Description
エナクトメントは,精神分析における転移・逆転移の文脈で生じる無意識的な行動であり,重要な治療的意味を持つ。これは従来の「アクティング・アウト」や「アクティング・イン」に代わる用語で,言語を超えた治療的相互作用を捉える枠組みとして用いられる。フロイトの「行動化」に由来し,失敗が無意識の成功とされる視点と関係する。分析家と患者の関係性の中で役割が演じられ,失敗を通じてその意味が明らかになる。
エナクトメントは治療効果を証明する始まりである。
ジョセフによると,患者の夢や反応を通じて無意識の欲望や防衛を読み解き,治療者との相互作用に注目する。患者は治療者に無意識のプレッシャーをかけ,治療者も逆転移によって反応する。治療者が自身の内面を吟味することで,より自由な解釈が可能となり,治療が進展する。エナクトメントは両者の無意識的な共同作業として理解され,大きな治療的意義を持つといえる。本書には「エナクトメント」に関する,エルマン,レニック,グリーネーカー,サンドラー,ジェイコブス等の臨床理論的重要論文を収載している。
【著者紹介】
妙木浩之 : 1987年、上智大学文学院博士課程満期退学。佐賀医科大学助教授、久留米大学教授を経て、東京国際大学人間社会学部教授
津野千文 : 1969年東京生まれ。看護師、公認心理師。現在、医療法人社団雄心会山〓病院勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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