Books

音楽は絶望に寄り添う ショスタコーヴィチはなぜ人を救うのか

スティーブン・ジョンソン

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784309256863
ISBN 10 : 4309256864
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

抑圧の中で生まれた楽曲が、孤独に沈む人を癒すのはなぜか?自身も双極性障害に苦しんだBBCの音楽番組プロデューサーが音楽の持つ普遍的な力を、ゆるやかに紐解いていく。

目次 : 奇跡的に実現した『レニングラード交響曲』初演/ ショスタコーヴィチは抵抗者だったのだろうか?/ 音楽が生む「私」から「われわれ」へという感覚/ 共感を感じる脳/ スターリンによる「大粛清」/ 一夜にして凋落を招いた『マクベス夫人』/ 失地回復と芸術的誠実さを同時に成し遂げた『交響曲第5番』/ 音楽を聴くことは、その音楽と関係を結ぶことだ/ 四半世紀沈黙を続けた『交響曲第4番』の圧倒的な魅力/ 音楽の中で情熱は羽をのばす〔ほか〕

【著者紹介】
スティーブン・ジョンソン : 1955年、イギリス・ランカシャー州生まれ。マンチェスター大学大学院でショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲に関する研究を行った後、卒業後はBBCラジオで音楽ジャーナリズムに従事。音楽に関するドキュメンタリー番組を手がける他、ガーディアン紙、グラモフォン誌、BBCミュージック・マガジンなどへ執筆。双極性障害を患ったことをきっかけに、音楽の効能について精神医学、神経科学、心理療法を横断する独自の知見を提供するようになった

吉成真由美 : サイエンスライター。マサチューセッツ工科大学卒業(脳および認知科学)。ハーバード大学大学院修士課程修了(心理学部脳科学専攻)。元NHKディレクターとして子供番組、教育番組、NHK特集などを担当。コンピューター・グラフィックスの研究開発にも携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • ジョンノレン

    双極性障害を持つ音響ジャーナリストである著者は少年の頃からショスタコを聴き込み、それが自身の過剰な興奮を伴う障害の症状を癒すとともに絶望感からも救い出してくれたとのこと。父母共に精神的な障りを抱える中での生々しい悪戦苦闘もあったようだが、他方で時に死をも覚悟せざるを得ない状況下で敢然と作曲活動を完遂したショスタコの凛とした精妙な音楽の深みは著者を捉え勇気を与えたようだ。心の角も取れたという表現も印象的。直前にショスタコの証言本を読んでおり、そこからの引用もあったのですんなり入り込めた。→

  • Hatann

    芸術的誠実さと生死をかけて作曲を続けたショスタコーヴィチの苦悩と矛盾とユーモアと音楽に、著者自身の双極性障害などの絶望の状況からのサバイバル物語を重ね、音楽が聴き手に与える影響について考察する。音楽は、言葉にできない内なる現実に表現の手段を与えて、感情がうまく外へ流れ出るように促す。音楽が聴き手に対してより大きなものへの帰属感を覚えさえて、他のリアルな人との出会いによって救済されるプロセスが描かれる。文学や脳科学の研究成果も織り交ぜながら、聴きなれた交響曲とのエピソードとともに展開されるのが楽しい。

  • どら猫さとっち

    ショスタコーヴィチの音楽に救われた音楽番組のプロデューサーが、自身の双極性障害に病みながら、苦難や抑圧のはなかで生まれた楽曲が、苦しみや悲しみを癒すのは何故かを綴った一冊。誰もが音楽に救われることが多いだろう。著者自身の親子関係に悩まされ、精神の病に苦しめていたとき、ショスタコーヴィチの音楽に出会った。人生と音楽の結び付きの力を、本書で体感する希有な一冊。

  • tharaud

    双極性障害の著者が、自らの絶望と回復のプロセスにショスタコーヴィチの音楽が果たした役割を、作曲家の人生に分け入りながら振り返る。孤独と絶望からのショスタコーヴィチ・ガイド。深い回復の物語の多くがそうであるように、けっしてまとまりのよい本ではないが、生々しい説得力がある。この本のおかげでショスタコーヴィチの魅力を知ることができた。

  • えりべる

    想定外の良書。これまで食わず嫌いだったショスタコーヴィチ聴きたくなる。聴いても結局難しいんだけど。音楽が与えてくれる「われわれ」という連帯感、そして文芸や絵画には表せないこまやかな機微、をもっと積極的に味わいにいってもいいのかなと思った。心疲れてるときに何度でも読み返したい。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items