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あの人たちが本を焼いた日 ジーン・リース短篇集(仮)ブックスならんですわる

ジーン・リース

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784750517469
ISBN 10 : 4750517461
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

カリブ海生まれのジーン・リースは、ヨーロッパでは居場所を見出せない、疎外された人であった。しかも女性である。自身の波乱に富んだ人生を下敷きにした、モデル、老女、放浪者などの主人公たちは、困窮、飲酒、刑務所暮らし、戦争と数々の困難を生きる。だが彼女らはけっして下を向かない。慣習と怠惰と固定観念をあざ笑うように、したたかに生きる。いま新たな光を浴びる、反逆者リースの本邦初、珠玉の作品集。

【著者紹介】
ジーン・リース : 1890‐1979。カリブ海に浮かぶイギリス領ドミニカ島に生まれる。16歳のときにロンドンのバース女子校に入学するが、1年あまりで退学。演劇を志し、アカデミー・オブ・ドラマティック・アートに進むが、中途で挫折。シャンソン歌手でフランスのスパイとされる。ジャン・ロングレが最初の夫で、結婚は計三度。1927年のデビュー作『セーヌ左岸およびその他の短篇』の刊行はモダニズムの立役者の一人フォード・マドックス・フォードの尽力によるものだった。『カルテット』など長篇の評価は高かったが、次第に忘れられた作家となる。40年代後半に『真夜中よ、おはよう』がラジオドラマ化されて、それを期に復活。60代で代表作『サルガッソーの広い海』を発表し、作家としての評価を決定的なものにする。終生波乱と困窮と飲酒に彩られた人生を送った。現代文学の基礎を作った作家の一人である」

西崎憲 : 翻訳家、アンソロジスト、作家

安藤しを : 宮城県生まれ。英米小説翻訳者。実務翻訳も手がける。邦楽研究(主に鳴り物・囃子方)

磯田沙円子 : 埼玉県生まれ。大学在学中から文芸翻訳コンテストに応募。卒業後は十数社で実務翻訳に携わり2018年、念願の小説翻訳デビュー

樫尾千穂 : 翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 旅するランナー

    居場所のない主人公たち。彼女たちが発する容赦ない言葉。"結局わたしが持っていたのはあの歌だけだったから。わたしはほんとうにどこにも属していないし、属するためのやりかたを買うお金もない。どっちも好きじゃない"(「あいつらにはジャズって呼ばせておけ」)。一貫する、異分子に理解のない世間との闘いというテーマ。これは、時代がリースに追い付いたみたいだ。【護国寺読書会課題本】

  • ムッネニーク

    60冊目『あの人たちが本を焼いた日 ジーン・リース短篇集』 (ジーン・リース 著、西崎憲 編、安藤しを他 訳、2022年7月、亜紀書房) 1950〜70年代にかけて活躍した晩成の女流作家、ジーン・リース。 短篇の内容はいずれも世間に疎外された女性を扱ったものである。 時代設定が分かりづらく、また掴みどころのない抽象的な作品も多いので、彼女の生涯を調べた上で読み進めていかないと理解が追いつかないかも知れない。 「わたしはほんとうにはどこにも属していないし、属すためのやりかたを買うお金もない。」

  • コットン

    精神的辺境の地にいるかのような私小説的要素の強い14の短編集。第37回護国寺読書会の課題本でなかったら購入しなかった本だが、疎外感がある中で折り合いをつけながら生活をしていく様は実存的ともいえる。ジャズ好きなので、この中の一編『あいつらにはジャズって呼ばせておけ』が気になった。解説でこのジャズの意味について書かれているように2つの意味になり肯定と否定のジャズがあるのは分かる気がする。

  • NAO

    『サルガッソーの広い海』の作者ジーン・リースの短編集。ジーン・リースはカリブ海のイギリス領ドミニカ島に生まれた。16才のときイギリスに渡ってロンドンの女子校に入学したが、1年ほどで退学。波乱の多い生涯を送った。「あの人たちが本を焼いた日」「あいつらにはジャズって呼ばせておけ」は、強烈なインパクトの作品。こういった居場所のない人々を描いた作品が多い一方、実験的、先進的な話もあり、「心霊信奉者」や「堅固な家」は、ちょっと不思議な感じのする話。

  • 帽子を編みます

    【護国寺読書会課題図書】ジーン・リースは『サルガッソーの広い海』で知りました。彼女の短編集ということで手に取りましたが、読みやすいものではありませんでした。イメージはきらめきます、でもそれを読者に伝える工夫はなく、解釈の助けも乏しい。表題作、私の解釈では、この夫婦、『サルガッソー〜』の登場人物の原型を想起します。実は現地人の女性の資産目当てで、イギリス人の男が結婚契約をし、夫人は夫に服従させられていたのではと思うのです。夫の死による解放、服従の呪いは文字への憎悪となり、本を焼くことになるのではと思います。

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