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目の見えない私がヘレン・ケラーにつづる怒りと愛をこめた一方的な手紙

ジョージナ・クリーグ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784845919192
ISBN 10 : 4845919192
Format
Books
Release Date
August/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

親愛なるヘレン・ケラー、あなたは本当のことを語っていますか?常にヘレン・ケラーと比較されて育った視覚障害をもつ著者が、「奇跡の人」という偶像へ、怒りと異議申し立ての手紙をつづり、架空の対話を試みる!「偉人」ではない、一人の盲目の女性としてのヘレンの姿を鮮やかによみがえらせ、抑圧から魂を解き放つ、和解と再生の創造的ノンフィクション。

目次 : 第1章 試練についての自覚/ 第2章 フルボディ・コンタクト/ 第3章 ポンプを駆動し続けて/ 第4章 手の記憶

【著者紹介】
ジョージナ・クリーグ : カリフォルニア大学バークレー校の英語講師。専門は、クリエイティヴ・ライティングと障害学(ディスアビリティ・スタディーズ)。2003年、同校の英語学科におけるクリエイティヴ・ライティングのクラスに加え、障害者をめぐる文学表現および障害者自身による文献を研究するコースで教鞭をとる。最初の著作である『Sight Unseen』(Yale University Press,1999)は、盲人としてのクリーグ自身の自叙伝的な記述とともに、文学、映画、言語学における視覚障害に関わる描写について文化的な批評も含んだエッセイ集。障害学のみならず、視覚と関わる文化、教育、公衆衛生、心理学、哲学、眼科学を学ぶ学生の必読書とされる。クリーグはこれまで、こうしたテーマで講演を行なうほか、ニューヨークのメトロポリタン美術館やロンドンのテート・モダンをはじめとした世界中の美術機関で顧問も務めてきた。2013年にはカリフォルニア大学バークレー校の芸術・人文科学学部において、また2016年には同校の全キャンパスにおいて最優秀教員賞を受賞している

中山ゆかり著 : 翻訳家。慶應義塾大学法学部卒業。英国イースト・アングリア大学にて、美術・建築史学科大学院ディプロマを取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • trazom

    「どうしてヘレン・ケラーのように出来ないの?」と言われて育った視覚障碍者によるヘレンへの手紙である。原題はBlind Rage。怒りに満ちている。ヘレンの数々のスキャンダルを暴き、どうして聖人の役割を完璧に演じ続けるのかと非難する。意図的な情報操作でヘレンを操るサリヴァン先生をも糾弾する。しかし、「奇跡の人」という神話を剥ぎ取る露悪的な手紙が、徐々に、すべてをわかった上で演じ続けたヘレンの人生の悲しさに寄り添ってゆく。同情や過保護に甘えることなく生きている著者が、ヘレンと和解する結末は感動的。いい本だ。

  • かさお

    「どうしてヘレン・ケラーのように出来ないの?」盲人である筆者は、こう言われる度にヘレンに文句を言いたくなったという。親愛なるヘレン、三重苦を克服し、小説家、事業家、慈善活動、シンボルとして成功し神話となった貴方へ、でも貴方は本当の事を語っているの?先生と貴方と彼の本当の関係は?偶像化した世間への憤りは?盲人である筆者だからこそ描けるリアルな触覚と嗅覚の描写。リアルなヘレン像はけっこう衝撃的。奇跡の後にも日々はあった。そしてサリバン先生が死ぬまでの共依存的な関係性には正直ゾッとした。創造性ノンフィクション。

  • たまきら

    「どうしてヘレン・ケラーのように出来ないの?」…なんてことだろう、そんなふうに比べられたなんて…。著者の怒りは正当なものでしょうし、弱視の立場からのことばにはそれなりに重みもありました。けれどもヘレン・ケラーへのねちねちとしたからみ方は正直不愉快。陰にこもっていて読んでいると悲しくなってこちらが病みそう…。偉人=幸せではないという事実に著者が行きつくまでの岐路を重く受け止めました。溜息。

  • くさてる

    題名から想像したのは、偉人であるヘレン・ケラーへの手紙という体裁をとった、視覚障碍者の生活に関するエッセイとかそういうもの。とんでもありませんでした。視覚障害を持つ教育者である著者が、ヘレン・ケラーの人生を現代の女性の観点から見つめ直し、憑依するかのような勢いで再構成していくエネルギッシュな取り組みです。ヘレンと恩師の関係、あの時代に障碍者として生きることについての生々しい実感をともなう文章は読みごたえがあり、素晴らしかったです。「ウォーター!」のイメージとは違ったヘレン・ケラー像がここにあります。

  • marumo

    ヘレン・ケラーは悪霊だそうで。目の見えない人が「どうしてヘレンのように頑張れないの?」と言われるとか。ヘレン・ケラーが盲人のハードルをおそろしくあげてしまっていると言うのですが、はえ〜という感じ。アルアルなんでしょうか…。盗作疑惑事件のときにヘレンが優等生的に振舞ったことへの苛立ち、性について生々しさが欠けることへの不信などなかなか攻撃的です。ここまで書くなら、もうヘレンになりきって返信も自分で書いてみたら面白かったのに、と思いました。違和感も覚えましたが、意外な角度から偉人を見ることがてきました。

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