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完訳統治二論

ジョン・ロック

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784003400777
ISBN 10 : 4003400771
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2010
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

イギリス社会が新興の中産階層の力で近代社会へと脱皮してゆくとき、その政治思想を代表したのがロック(1632‐1704)であった。王権神授説を否定し、政治権力の起源を人びとの合意=社会契約によるとした本書は、アメリカ独立宣言の原理的核心となり、フランス革命にも影響を与えた。政治学史上屈指の古典の全訳。

目次 : 前篇 統治について(序論/ 父親の権力と国王権力とについて/ 創造を根拠とする主権へのアダムの権原について/ 神の贈与を根拠とする主権へのアダムの権原について―『創世記』第一章二八節/ イヴの服従を根拠とする主権へのアダムの権原について ほか)/ 後篇 政治的統治について(序論/ 自然状態について/ 戦争状態について/ 隷属状態について/ 所有権について ほか)

(「BOOK」データベースより)

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近代社会(当然、その延長上にある現代社会...

投稿日:2021/07/02 (金)

近代社会(当然、その延長上にある現代社会も)の在り方を考える際、必読の古典の一つです。書名に「完訳」と付されているのは、かつて岩波文庫に収録されていた『市民政府論』(鵜飼信成訳,1968年第1刷)が、『統治二論』の後半部分を訳したものであったことをふまえています。近年刊行された『統治二論』の全訳である松浦嘉一訳・伊藤宏之訳に於ける政治学用語の訳出の問題点をふまえて訳されており、本書が最も適切な訳になっていると思います。本書の刊行によって、『市民政府論』は役割を終えたものと版元は考えたようで、『市民政府論』と本書は、同じ[白 7-7]となっていますが、『市民政府論』の果たした歴史的意義を考えると、本書は別の番号を付し、リクエスト復刊で『市民政府論』が取り上げられる未来を残してほしかったと思います。(2010年11月16日 第1刷発行)

梨杏 さん | 不明 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • かわうそ

    「自由こそが他のすべてのものの基礎である」P313 つまり、人の自由を侵害するものは殺されても文句は言えないということになります。人の自由を侵害するものがそのものの生命を奪わないとは限らないからのです。つまり、共通の上位者がいない場合、両者において戦争がなされますが、その代わりに処罰という制度が作られたことからすると、処罰とは共同体における共同体の構成員に対する戦争であるともいえます また、本書においてロックはホッブスが自然状態と戦争状態を混同しているとして批判しているがそもそも自然状態から戦争状態に移行

  • KAZOO

    完訳ということで従来、岩波文庫版では後編しか訳されていなかったのを前半も入れることにして新訳を行ったようです。前半はやはり政治というよりも宗教的な側面からの分析で読んでいても政治というよりもモラル的な側面が多いと感じました。やはり後半は読んだこともあったので読みやすくわかりやすくなっています。王権神授説を否定していて近代政治思想の根底となった本書はやはり政治思想史では必読文献なのでしょう。

  • かわうそ

    ロックが唱えた労働価値説はマルクスにも受け継がれる。やがてマルクスによって商品間の価値の同質性の正体が労働であることが解き明かされる。この同質性はアリストテレスが最初に指摘したがギリシャでは奴隷制があったため、その根本が労働であることには気づかれなかった。この点はマルクスが資本論の第1巻でしている点である。 また、ロックが政治体はひとつの塊なのだからひとつの方向にしか向かえないとし、多数決がそれによって正当化されると説明している点も重要だ。

  • おせきはん

    王権神授説を否定したうえで、権力の源泉が人々の合意にあるとする考えのもとに統治のあり方を一つひとつ丹念に積み上げて論じる過程は、読みごたえがありました。

  • 加納恭史

    ウンベルト・エーコ著「薔薇の名前」でカトリックの修道院の内部争い、フランシスコ会とドミニコ会の抗争を描いているが、ジョン・ロックの話があったので、気になっていた。この本「統治二論」を開いてみた。政治論なので難しいと思っていたが、いざ読んでみると案外に論旨が明解で読み易いので驚いた。1690年に出版されて以来、読み継がれてきた政治学史上の第一級の古典。大学教育における政治学への基本的な入門書の一つ。近代ヨーロッパにおける啓蒙主義やリベラリズム、立憲主義やデモクラシーを論じる際に何より引照基準となる正典。

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