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啓蒙思想2.0 新版 政治・経済・生活を正気に戻すために ハヤカワ文庫

ジョセフ・ヒース

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784150505875
ISBN 10 : 415050587X
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

いまや世界は右翼/左翼ではなく、正気/狂気に分断されている。政治も広告も陰謀論も人々の直感的思考につけこみ、真実よりも「真実っぽさ」を声高に語る。SNSは言葉による平手打ちの喧嘩を助長し、合理的な議論を破壊する…「ファストライフ」に感染した現代の社会環境に、理性はいかにして実装しうるか?哲学者が保守主義や認知科学を動員して打ち立てる、新しい啓蒙思想。書き下ろし序文を収録!

目次 : 第1部 古い心、新しい心(冷静な情熱―理性‐その本質、起源、目的/ クルージの技法―あり合わせの材料から生まれた脳について/ 文明の基本―保守主義がうまくいく場合/ 直感が間違うとき―そして、なぜまた理性が必要か/ 理路整然と考えるのは難しい―新しい啓蒙思想の落とし穴と課題)/ 第2部 非合理の時代(世界は正気をなくしたか―…それとも私だけ?/ ウイルス社会―心の有害ソフト/ 「ワインと血を滴らせて」―現代左派の理屈嫌い/ フォレスト、走って!―常識保守主義の台頭)/ 第3部 正気を取り戻す(目には目を―あるいは、なぜブタと闘うべきではないのか/ もっとよく考えろ!―啓蒙思想からのその他の無益な助言/ 精神的環境を守る―選択アーキテクチャー再考/ 正気の世界への小さな一歩―スロー・ポリティクス宣言)

【著者紹介】
ジョセフ・ヒース : 1967年生まれ。哲学者。トロント大学哲学部教授。同大学ムンク国際問題・公共政策大学院教授。同大学倫理学センター元所長

栗原百代 : 翻訳家。1962年生。早稲田大学第一文学部哲学科卒、東京学芸大学教育学修士修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ふみあき

    特に米国などでは「伝統保守」に対して「常識保守」と称される勢力の台頭と、彼らによる扇動政治によって、最早まともな議論が成り立たなくなっているが、これは民主主義諸国の世界的趨勢のようだ(一日本人としても心当たりがないわけじゃない)。もちろん、その前段には左翼による浅薄な理性攻撃があったわけで、現今のリベラルの劣勢には自業自得の側面もあるのだが。理性は文明社会の維持に不可欠である。啓蒙思想が誤ったのは、理性を個人主義的に考えすぎたことであり、これを修正するために、バークらの近代保守主義が利用できる、という話。

  • 踊る猫

    実に挑戦的な書物だ。とかく私たちは合理的/理性的に考えることを理想とする(からこそ、人間はそんなに理性的ではありえないと居直る御仁も現れる)。だが、啓蒙思想とそれを批判した保守主義の歴史を引き、それだけではなく生物学的な見地からも人間存在にアプローチし、とにかく「人間の非合理性(平たく言えば『軟弱さ』)」を丸裸にする試みがここでは展開される。そしてだからこそ、その弱さを踏まえて啓蒙思想に新たな可能性を見出す試みが行われる(過去を学び直し更新するからこその「2.0」だろう)。力作で、再読するべき本と思った

  • 塩崎ツトム

    人間も服を剥がせば二足歩行するサルにすぎないわけで、理性を使うというのはかなりのコストではあるけど、我々は理性を使うコストを、あまりにも外部の(テレビやSNS、そしてなにより広告代理店!)メフィストフェレスに肩代わりさせすぎたのではないか? 子供の運動不足を憂いているだけじゃなくて、大人の理性不足もよほど問題だけど、感覚に流されるって、エントロピー的に超らくちんなんだよねえ。

  • hide

    「合理性が高度な足場によっており、この足場が外的かつ社会的であることを認めれば、理性は一種の社会的事業だと考えられるようになる。」/個人の理性に立脚した従来の啓蒙思想に対し、著者は保守主義による批判・行動経済学の知見を踏まえた「新しい啓蒙思想」を提唱する。それは合理性を社会の合意や組織構造に依存したものとして捉え、スローポリティクスやナッジを重視して社会の改善を図るものである。/啓蒙主義批判から始まって「クルージ」や「心の有害ソフト」など興味深い論点が目白押しで、これからの社会を考える上で有用な一冊。

  • in medio tutissimus ibis.

    理性を個人のものとする啓蒙思想1.0の蹉跌により、リベラルは理性の代わりに感情を崇めるようになり、保守もまたその顰に倣った。その結果、真実よりも真実っぽいものが世にあふれ、人間は自然状態の部族思想にからめとられ、分断と混乱は加速していった。著者は、理性に関する最新科学の知見を基に、理性はスローで多くの誘惑に曇らせられ易くしかも己の蹉跌を認めがたいが、それでも今日の文明を築いたのもそれを発展させ得るのも理性しかないことを明らめ、集団的な理性に基く啓蒙思想2.0、感情に浮かされない政治経済生活の必要性を説く。

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