Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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• キムキム

  読了日：2020/11/02

  オーツさん。時の流れに身を任せた主人公たちに、でんぐり返しで日常が終わる悲劇の点を与えれば、光のような「自分のはじまり」を設ける所業を織り交ぜてくる。もちろん今作でも、暴力はしっかりと暴力。起こることについて酷なのか美なのかを見ているこちら側も判断しかねるのは、物語の主人公すらも現在を失っているさまを見せられるから。愛というミノに自分の痛みを流し込んでいるのか、愛というミノで自分の痛みに蓋をしているのか区別がつかない。理知的かつ冷静でありながら、感情の嵐を信じている貴方にずっと付いていきたいこの読後感。

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