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奇跡なす者たち

ジャック・ヴァンス

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784336053190
ISBN 10 : 4336053197
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2011
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

魅力あふれる異郷描写で熱狂的なファンを持つ、名匠ヴァンス。代表作「月の蛾」からヒューゴー/ネビュラ両賞受賞作「最後の城」まで、ヴァンスの魅力を凝縮したベスト・コレクション、全8篇。

【著者紹介】
ジャック・ヴァンス : 1916年、サンフランシスコ生まれ。カリフォルニア大学バークレー校を卒業後、商船員の職につき航海中に小説を執筆、45年短篇“The World‐Thinker”でデビュー。その後、世界中を旅しながら作品を発表、奇怪な世界と異様な文化を活写する唯一無比の作風で息の長い活動を続け、80冊以上の著書がある。主な作品に『竜を駆る種族』(63、ヒューゴー賞受賞)など。ミステリ作家としても『檻の中の人間』(60)でエドガー賞処女長篇賞を受賞

浅倉久志 : 1930年生まれ。大阪外国語大学卒。英米文学翻訳家。2010年逝去

酒井昭伸 : 1956年生まれ。早稲田大学政経学部卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • Panzer Leader

    奇才ジャック・ヴァンスの1950〜1960年代のSFファンタジー中短編集。その宇宙観や色彩感覚は他の作家でお目にかかれない独特の物。特に「奇跡なす者たち」や「最後の城」などはアナザー「ゲーム・オブ・スローン」とも言うべき世界観で味わい深い。

  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    また、他の作品を当たってみたくなる素敵な作家を見つけてしまいました・・・表題作がSF要素を使うことで『氷と炎の歌』シリーズのような人間臭いハイ・ファンタジーを可能にしているのに脱帽せざるを得ません。『『月の蛾』は階級などを示した仮面で素顔を隠す星で起こった殺人の犯人を探せというミステリー。山尾悠子さんの『仮面物語』での自我と自己と乖離し、他者となりうる「顔」の関係を説いています。「フィルスクの陶匠」は確かに誰とも分かり合う努力もせずには利益だけを貪ろうとする男には余りにも素晴らしすぎる最後の役目ね(黒笑)

  • 星落秋風五丈原

    物事には因果=原因と結果がある。人に殴られたら或いは転んだら痛い。マッチをすれば火がつく。ところがこの因果がその通りでなくなったら?つまり、予測不可能な世界になったら?というテーマで書かれたのが『無因果世界』私達と同じ感覚を持った人たちは残存種と呼ばれ、新しい生命体の有機体に襲われて、何が起こるか分からない恐怖の日々を送っている。宇宙はまだまだフロンティア。赴任したばかりの領事代理シッセルが、惑星シレーヌにやってきた顔も知らない凶悪暗殺者を探すよう命じられる『月の蛾』も発想の転換がポイント。

  • 三柴ゆよし

    人類学SFと言うべき「フィルスクの陶匠」、生態学SFと言うべき「保護色」など、物語の筋書きよりも細部で魅せる作品群。言語の経済学なんて無視した、絢爛豪華な描写に心おどる。特に、科学が衰退し、一種の精神感応術とも言うべき魔法の技術が発達した世界を舞台とした「奇跡なす者たち」、奴隷階級の異星人が貴族趣味に浸る人類に反旗をひるがえす「最後の城」は、異種対異種の手に汗握る戦争物で、しかも攻城戦がメインとくればやはり燃えざるを得ない。その他の作品も佳作ぞろいで、質の高い短篇集だった。

  • 有理数

    非常に面白かった。解説が大変に詳しいのでここで語るのもあれですが、まさに極彩色のフィクション。どこか遠い星や異郷が舞台ですが、そこに初めて訪れる人、あるいはずっとそこで暮らしている人がどこからかやってきた別の世界の人間と触れ合うという交流の摩擦に生じる、物語の肌触り。異星の話かと思えば、西洋FTのような空気の話もあり、しかしその内側にサイエンスの趣を感じ取り楽しい。美しい異文化交流ミステリ「月の蛾」、「フィルスクの陶匠」「最後の城」、表題作、面白い短編ばかりでした。

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