ジェニフェール・ルシュール

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三島由紀夫 ガリマール新評伝シリーズ 祥伝社新書

ジェニフェール・ルシュール

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784396112998
ISBN 10 : 4396112998
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2012
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

本書の意義とは、生身の三島を知らない若い世代―再生産されつづける多種多様な三島のイメージに混乱し、どのようにこの作家を理解していいかわからずにいる世代―に、外国人の目を通した、余計なバイアスのかかっていない三島像を伝えることができる点である。意識するしないにかかわらず上の世代が捕われていた、同時代人としての三島に対する複雑な感情、そういったものとは無縁の世代によって今後は新たな理解と解釈がもたらされることになるだろうが、この作家の全体像をある程度ニュートラルな形で提示する本書は、三島研究の格好の入門書となりうるに違いない。

目次 : ねじれた生い立ち/ 「美」と「恍惚」と「死」の三位一体/ 戦争の日々/ 戦後の彷徨/ 仮面を脱ぎ捨てて/ 肉体の改造/ 「美しきもの」の破壊と創造/ 映画と愛国/ 菊と刀/ 写真、自己演出、神経症/ ノーベル文学賞/ ペンと剣をもつ作家/ 遠ざかる幻影/ 無言の別れ/ 豊饒の海/ 市ケ谷の悲劇

【著者紹介】
ジェニフェール・ルシュール : 1978年生まれ。ジャーナリスト。2008年、アメリカの作家ジャック・ロンドンのフランス語による初の伝記を発表し、ゴンクール賞伝記部門を受賞

鈴木雅生訳 : 1971年生まれ。東京大学文学部卒業。パリ第四大学博士(文学)。現在、学習院大学文学部フランス語圏文化学科准教授。ル・クレジオ『地上の見知らぬ少年』の翻訳(河出書房新社、2010)で第16回日仏翻訳文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • フランス人ジャーナリストによる三島由紀夫伝記。同じく三島由紀夫について小論を書いたユルスナールがあくまで三島の小説から自決に至る論理を導き出そうとしているのに対し、こちらは三島の性格や傾向、および伝記的な流れから自決に至る論理を導こうとしている。 興味深いのは、ユルスナールは『禁色』をたるんだ失敗作だと見なし、本書の著者は傑作だと評している部分。果たして禁色は失敗作か?傑作か?本書は三島由紀夫について推論の域を出ないものに関しても断定的な口調で表されており、ややゴシップ味があると言えなくもない。

  • すみちゃん

    フランス人が評伝を書くくらいだから、やはり三島由紀夫は凄い作家なのであろう。「仮面の告白」や「禁色」など、見てはいけない世界をこっそり覗き見するような好奇心で三島由紀夫の小説を貪り読んだ学生時代を思い出す。三島は間違いなく天才であるが、正常な人間から見れば、狂人であり変態である。だが、その不思議な魅力が堪らない。

  • パオー

    こんなに引き込まれた読書は久しぶり。主要な作品を読んだり、引用や発言などをネット上で目にして大体知ってるつもりだった三島由紀夫の人生を、一度ちゃんとした伝記で概観しておきたかった。これまでに出版された二つの英語による伝記をまとめてこの本のベースにしているらしい。早熟な幼少期、栄光の壮年期は華々しい天才だった三島由紀夫が1970年に向かうにつれて、良く言えば英雄的なのかもしれないが悪く言えば戯画的な人物に成り果てていくように見える。約40年の歳月を経た今こそ、三島由紀夫は人生そのものが芸術だったと言いたい。

  • ara

    フランスの方が書いた、三島由紀夫の伝記である。 幼少期の生い立ちから市ヶ谷駐屯地で自決するまでの、 三島由紀夫の歴史が詳細に書かれている。 ただし、政治色はそこまで強くないので純粋に楽しめる。 特に随所に川端康成に宛てた手紙も記載されており、 三島のリアルな心境が垣間見えて、読んでいて面白かった。 三島作品は「金閣寺」「仮面の告白」「命売ります」位しか読んでないので、今後もっと読んでいきたい。

  • amanon

    これまである程度その生涯を知っていたつもりになっていた三島だが、評伝としてより具体的にその生涯を紐解いてみると、恐らく魅力的ではあっただろうけれど、ある意味それ以上に複雑で厄介な性格の一端を垣間見ることに。その過剰なまでのナルシズムと自己演出は、三島が嫌ったとされる太宰の道化とかなり被るところがある気がした。それから三島の自決は自分が前の戦争で死ぬことができなかったことに対するコンプレックスが故だと常々思っていたのだけれど、その考えが間違っていなかった思わされた。三島の生涯をコンパクトにまとめた良書。

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