CD 輸入盤

シューベルト:ミサ曲 第5番、プーランク:グロリア マルティン・レーマン&ドレスデン聖十字架合唱団、ドレスデン・フィル

シューベルト(1797-1828)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
0303770BC
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
Germany
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明


新クロイツカントルによる新生クルトゥーアパラストでのレコーディング

プーランク:グロリア、シューベルト:ミサ曲第5番
レーマン指揮ドレスデン聖十字架合唱団、ドレスデン・フィル


2022年にクロイツカントルとなったマルティン・レーマンがドレスデン聖十字架合唱団とドレスデン・フィルを指揮して臨んだフランスとオーストリアの宗教音楽人気曲の組み合わせ。レコーディングはドレスデンのクルトゥーアパラストで実施。同会場は、多目的ホールからクラシック専用ホールへと用途が変更され、5年がかりの大改築工事が2017年に完了。素晴らしい音響を手に入れ、パイプオルガンも一新されていたので、ドレスデン聖十字架合唱団とドレスデン・フィルの演奏を良い条件で聴くことができます。

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 作品情報

 プーランク:グロリア

革命後の宗教音楽
フランスは18世紀末のフランス革命により宗教が大きく毀損され、さらに20世紀初頭の政教分離法や、アクシオン・フランセーズといった動きによって通常の宗教音楽の需要は激減。

クーセヴィツキー財団からの委嘱
プーランクの「グロリア」は、クーセヴィツキー財団からの「シンフォニー」の作曲委嘱がきっかけで書かれたものです。最初、プーランクが「シンフォニー」に興味無しとして断ると、財団は「オルガン協奏曲」を提案、プーランクはすでに「オルガン協奏曲」は書いたと言って断ると、財団は好きなようにして良いと条件を緩和したため、プーランクはオーケストラと合唱、独唱のための「グロリア」で委嘱に応えて作曲。

人気曲として定着
1961年のミュンシュ指揮ボストン響による初演は成功(プーランクはミュンシュの指揮がかなり不滿だったようですが)。以後は演奏会用宗教音楽の傑作として人気曲となります。

 シューベルト:ミサ曲第5番

啓蒙主義改革で教会の影響力が縮小
ミサ曲第5番の作曲が開始された1819年は、皇帝ヨーゼフ2世(1741-1790)によるカトリック教会の経費節減施策が1784年に導入されてから35年目にあたり、オーストリア帝国の多くの教会で、自前では大規模なミサ曲の演奏ができなくなっていました。
  そのため、それまでのシューベルトのミサ曲よりも格段に規模が大きくなったミサ曲第5番は、1822年に完成してからも、演奏が計画されはするものの実際には演奏されていません。

宮廷副楽長職に応募
1823年に恩師で宮廷楽長のサリエリが深刻な通風のため入院し、翌1824年には宮廷副楽長のアイブラーが宮廷楽長に昇格したため、宮廷副楽長職が空席となります。晩年のサリエリに代わって長く実務を担っていたのが副楽長のアイブラー(1765-1846)だったため、副楽長職が空席でも特に問題はなく、シューベルトが応募したのは約2年が経過した1826年4月のことでした。ほかに7名がこの職に就きたいと宮廷に売り込んでいます。

ミサ曲改訂と選考結果
シューベルトはこの選考に際し、1824年にバッハの音楽を研究したのちに大幅に改訂していたミサ曲第5番(=現行版)を提出するのですが、楽譜を受けとった宮廷楽長のアイブラーからは、オーストリア皇帝フランツ1世(1768-1835)の好むスタイルではないとして返却されてしまいます。却下された理由としては、シューベルトがミサ典礼文から「そして唯一の聖なるカトリックと使徒の教会を(Et in unam sanctam catholicam et apostolicam ecclesiam)」の部分を削除するという啓蒙主義的なことをおこなっていたことも挙げられそうです。このカトリック教会云々の部分はシューベルトは過去のミサでも削除していたので、「宗教寛容令」による演奏機会の増加を狙ったものかもしれませんが、フランツ1世は啓蒙主義に批判的な復古主義的な人物なので、アイブラーの忖度も無理からぬところではあります。
  結局、副楽長に任命されたのは、すでに宮廷劇場(ブルク劇場)で第1楽長を務めていたヨーゼフ・ヴァイグル(1766-1846)というごく順当なものでした。

啓蒙主義への賛同
シューベルトはこのミサ曲の改訂の後、ヨーゼフ2世の啓蒙主義政策に賛同するかのように、ドイツ語のミサ曲(典礼でのドイツ語容認政策に対応)や、シナゴーグ向けのヘブライ語合唱曲(反ユダヤ主義撤廃政策に対応)を書いてもいます。

エステルハージの場合
同時代のハンガリー大貴族エステルハージ候ニコラウス2世(1765-1833)が、1794年から1802年にかけて晩年のハイドンにミサ曲を6曲も書かせ、1804年以降はフンメルに複数のミサ曲やミサ・ソレムニスを書かせていたのは、ヨーゼフ2世のもたらしたカトリック宗教音楽の不遇な状況への反動とも思われます(1807年にはベートーヴェンにもハ長調ミサを委嘱していましたがこれはお気に召さず)。
  ちなみにシューベルトが親しくしていたカロリーネ・エステルハージ(1811-1851)は、エステルハージの数多い分家の一つの令嬢で、シューベルトとエステルハージ候ニコラウス2世には交流はありませんでした。


 演奏家情報

ドレスデン聖十字架合唱団
カトリック時代の13世紀までルーツを辿れる歴史ある合唱団。現在、9歳から19歳までの約150名のメンバーが所属。少年たちは附属の寄宿舎つき学校「クロイツシューレ」に通っており、「クルツィアナー」とも呼ばれています。
  ドレスデン聖十字架合唱団出身者には有名人も多数(カール・リヒター、テオ・アダム、ペーター・シュライアー、オラフ・ベーア、ルネ・パーペ、ハンス=クリストフ・ラーデマン等)。




ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団
19世紀なかばのドレスデンでは、裕福な市民たちによる合唱運動が盛んで、やがてオーケストラ演奏も求められるようになり、1870年にはゲヴェルベハウス(商工組合会館)の隣に、2,057席のゲヴェルベハウスザールが開場。市の音楽監督モーリッツ・プフホルト(1827-1890)指揮するシュタットカペレ(市立楽団)楽員等によるコンサートもおこなわれています。
  しかし、市立楽団は小規模でしかも市の団体であることから自由が利かないため、翌1871年、ゲヴェルベハウスは指揮者のヘルマン・グスタフ・マンスフェルト(1833–1892)と契約を結び、56名から成る自前の楽団「ゲヴェルベハウス=カペレ(ほどなくドレスデン・ゲヴェルベハウス管弦楽団と改名)」を創設。これにより、小規模ながらも450年以上の伝統があったシュタットカペレ(市立楽団)は解散となります(ちなみに同じ市内の宮廷オペラの楽団「シュターツカペレ」の当時の呼称は「王立ザクセン音楽カペレ」)。
  以上の時系列からドレスデン・フィルの創設年は1871年であることが明白ですが、演奏会場の開場年やシュタットカペレ楽員がゲヴェルベハウス=カペレに数多く入団したなどの理由で、1870年創設とされています。
  ゲヴェルベハウス管弦楽団の活動は先駆的で、1883年には喫煙を禁じた「禁煙コンサート」や、古楽を扱った「歴史的コンサート」なども実施。客演指揮者には、アントン・ルビンシテイン、チャイコフスキー、ドヴォルザーク、リヒャルト・シュトラウスなどもいました。
  ゲヴェルベハウス管弦楽団は、1915年に「ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団」、1923年に「ドレスデン・フィルハーモニー」と改名し、現在に至っています。




マルティン・レーマン (指揮)
1973年、ドイツ民主共和国(東ドイツ)ノイブランデンブルク県マルヒンに誕生(東ドイツは中央集権化のため1952年に州を廃止)。ドレスデン聖十字架合唱団で最初の音楽教育を受けたのち、カール=マリア・フォン・ウェーバー音楽大学でハンス=クリストフ・ラーデマン教授に合唱指揮を師事。歌手としての声域はバリトン。
  在学中からラーデマンの創設したドレスデン室内合唱団で副指揮者を務めたほか、室内合唱団「カンタムス・ドレスデン」の創設に加わり指揮も担当。2000年にルドルフ・マウエルスベルガー奨学金を獲得し、2001年に学位を取得。
  また、2000年から2005年まで同音楽大学の合唱団を指揮するアシスタントとしても働きながら、同音楽大学大学院で合唱指揮とオーケストラ指揮の研究を継続し、2004年に優秀な成績で学位を取得。
  2001年、ライプツィヒの児童合唱団「スコラ・カントルム・ライプツィヒ」の指揮者として契約(2005年まで)
  2005年、ヴッパータール少年合唱団の音楽監督として契約(2011年まで)。ヴッパータールはノルトライン・ヴェストファーレン州。
  2008年、ヴッパータールの室内合唱団「アミチ・デル・カント」の指揮者として契約(2011年まで)。
  2012年、ヴィンツバッハ少年合唱団の芸術監督として契約。同合唱団を世界的な知名度の合唱団に育てます。ヴィンツバッハはバイエルン州。
  2017年、バイエルン福音ルター派教会から教会音楽監督(KMD)に任命。
  2022年、ドレスデン聖十字架合唱団のクロイツカントルとして契約。


 トラックリスト (収録作品と演奏家)

CD 63'03
フランシス・プーランク (1899-1963)
グロリア FP 177  22'58
1. 第1曲 グローリア・イン・エクセルシス・デオ  02:47
2. 第2曲 ラウダムス・テ  02:57
3. 第3曲 ドミネ・デウス、レックス・ケレスティス  03:59
4. 第4曲 ドミネ・フィリ・ウニジェニテ  01:20
5. 第5曲 ドミネ・デウス、アニュス・デイ  05:50
6. 第6曲 クイ・セデス・アド・デクステラム・パトリス  06:05

フランツ・シューベルト (1797-1828)
ミサ曲第5番変イ長調 D 678  40'07
7. 第1曲 キリエ  05:46
8. 第2曲 グロリア  13:09
9. 第3曲 クレド  08:35
10. 第4曲 サンクトゥス  02:57
11. 第5曲 ベネディクトゥス  03:54
12. 第6曲 アニュス・デイ  05:46
エルザ・ベノワ(ソプラノ)
ウルリケ・マロッタ(メゾ・ソプラノ)
パトリック・グラール(テノール)
クラウス・ハーガー(バス)
ホルガー・ゲーリング(オルガン)
ドレスデン聖十字架合唱団
ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団
マルティン・レーマン(指揮)

 Track list

Poulenc: Gloria FP 177
1. I. Gloria. Maestoso  02:47
2. Ii. Laudamus Te. Très Vite Et Joyeux  02:57
3. Iii. Domine Deus. Très Lent Et Calme  03:59
4. Iv. Dimini Fili Unigenite. Très Vite Et Joyeux  01:20
5. V. Domine Dius, Agnus Die. Bien Lent  05:50
6. Vi. Qui Sedes Ad Dexteram Patris. Maestoso. Allegretto  06:05

Schubert: Mass No. 5 In A-Flat Major, D 678
7. I. Kyrie, Andante Con Moto  05:46
8. Ii. Gloria, Allegro Maestoso E Vivace  13:09
9. Iii. Credo, Allegro Maestoso  08:35
10. Iv. Sanctus, Andante  02:57
11. V. Benedictus  03:54
12. Vi. Agnus Dei, Adagio  05:46

Elsa Benoit
Irike Malotta
Patrick Grahl
Klaus Hager
Holger Gehring
Dresdner Kreuzchor
Dresdner Philharmonie
Martin Lehmann conductor

 Text

Poulenc: Gloria FP 177
1. I. Gloria
Gloria in excelsis Deo
Et in terra pax hominibus bonæ voluntatis.

2. Ii. Laudamus te
Laudamus te, Benedicimus te, Adoramus te, Glorificamus te.
Gratias agimus tibi Propter magnam gloriam tuam.

3. Iii. Domine Deus
Domine Deus, Rex cælestis, Deus Pater omnipotens.

4. Iv. Domine Fili unigenite
Domine Fili unigenite, Jesu Christe.

5. V. Domine Deus
Domine Deus, Agnus Dei, Filius Patris, Rex Celestis
Deus Qui tollis peccata mundi, Miserere nobis; suscipe deprecationem nostram.

6. Vi. Qui sedes ad dexteram Patris
Qui sedes ad dexteram Patris, miserere nobis.
Quoniam tu solus Sanctus, Tu solus Dominus, Tu solus Altissimus.
Jesu Christe, Cum Sancto Spiritu in gloria Dei Patris. Amen.



Schubert: Mass No. 5 In A-Flat Major, D 678
7. I. Kyrie
Kyrie, eleison.
Christe, eleison.
Kyrie, eleison.

8. Ii. Gloria
Gloria, gloria in excelsis Deo.
Et in terra pax hominibus bonae voluntatis.
Laudamus te.
Benedicimus te.
Glorificamus te.
Adoramus te.
Gloria, gloria in excelsis Deo.
Gratias agimus tibi propter magnam gloriam tuam.
Domine Deus, Rex coelestis, gratias agimus.
Deus Pater, Pater omnipotens, gratias agimus.
Domine Jesu Christe, gratias agimus tibi.
Fili unigenite, gratias agimus tibi.
Domine Deus, Rex coelestis, Deus Pater omnipotens.
Gratias agimus tibi propter magnam gloriam tuam.
Domine Deus, Agnus Dei, qui tollis peccata mundi, miserere nobis.
Filius Patris, Agnus Dei, qui tollis peccata mundi, miserere nobis.
Quoniam tu solus Sanctus.
Tu solus Altissimus.
Tu solus Dominus.
Cum Sancto Spiritu: in gloria Dei Patris.
Amen

9. Iii. Credo
Credo in unum Deum, factorem coeli et terrae.
Credo in factorem coeli et terrae, visibilium omnium et invisibilium.
Credo in unum Dominum Jesum Christum, Credo in Filium Dei unigenitum. Credo.
Et ex Patre natum ante omnia saecula.
Credo Deum de Deo, lumen de lumine, Credo Deum verum de Deo vero.
Credo, per quem omnia facta sunt.
Qui propter nos homines et propter nostram salutem descendit de coelis.
Credo, per quem omnia facta sunt. Credo.
Et incarnatus est de Spiritu Sancto ex Maria Virgine, et homo factus est.
Crucifixus etiam pro nobis, sub Pontio Pilato passus et sepultus est.
Et resurrexit tertia die secundum Scripturas.
Et ascendit in coelum, sedet ad dexteram Patris.
Et iterum venturus est cum gloria, judicare vivos et mortuos, cujus regni non erit finis.
Credo in Spiritum Sanctum, Dominum, Credo et vivificantem.
Credo, qui ex Patre Filioque procedit.
Credo, qui cum Patre et Filio simul adoratur, qui cum Patre et Filio conglorificatur qui locutus est per Prophetas.
Confiteor unum baptisma in remissionem peccatorem mortuorum.
Et vitam venturi saeculi.
Amen.

10. Iv. Sanctus
Sanctus, Sanctus, Sanctus Dominus Deus Sabaoth.
Pleni sunt coeli et terra gloria tua.
Osanna in excelsis.

11. V. Benedictus
Benedictus qui venit in nomine Domini.
Osanna in excelsis.

12. Vi. Agnus Dei
Agnus Dei, qui tollis peccata mundi: miserere nobis.
Agnus Dei, qui tollis peccata mundi: miserere nobis.
Agnus Dei.
Dona nobis pacem.

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