シュトックハウゼン:グルッペン、ノーノ:断ち切られた歌
ピエール・ブーレーズ&ケルン放送交響楽団、シュトックハウゼン、マデルナ、他(1959年ウィーン・ライヴ)
前衛音楽の使徒が本領を発揮、初演メンバーによる壮絶の『グルッペン』!
ina(フランス国立視聴覚研究所)の放送用音源からCD化。『春の祭典』『モーツァルト集』に続く、ピエール・ブーレーズ[1925-2016]の追悼企画第3弾にして最重要タイトル。前衛音楽の代名詞『グルッペン』ほか、1959年ウィーン・ライヴ、初出音源!
3群のオーケストラがそれぞれ独立した時空間を持ち、互いに激しく侵食しあうセリエリズムの超難曲、カールハインツ・シュトックハウゼン[1928-2007]の『グルッペン』は、シュトックハウゼン、マデルナ、ブーレーズの指揮とケルン放送交響楽団によって1958年に初演されました。このディスクは全く同じ布陣によるわずか1年後のライヴ。前衛作曲家かつ指揮者である3人の、確かな手ごたえを持って厳しく指揮しあうさまがしかと記録されており、凄まじいまでの緊張感です。時代的にモノラル録音なのが実に残念ではありますが(作曲当時ステレオ放送は無かった)、録音がある以上聴かない訳にはいきません。歴史に残すべき一大ドキュメント、ぜひご注目ください。
『断ち切られた歌』は第二次世界大戦中に迫害された犠牲者の手紙がテキストに用いられた、ルイジ・ノーノ[1924-1990]の代表作。ノーノ、シュトックハウゼン、ブーレーズの3人は現代音楽界の三羽ガラスと呼ばれ、前衛音楽を牽引してきた存在ですが、ノーノとシュトックハウゼンは意見の相違から激しく対立、決別の道を辿ります。ブーレーズがこのふたりの作品を振った貴重にして刺激的な演奏会のライヴ録音。2016年に惜しくも世を去った闘士ブーレーズの偉大さと、前衛音楽最盛期の異様なまでの熱気に圧倒されること間違いなし!(販売元情報)
【収録情報】
● ノーノ:ソプラノとコントラルト、テノール、混声合唱とオーケストラのための『断ち切られた歌』
イルゼ・ホルヴェーク(ソプラノ)
エヴァ・ボーネマン(コントラルト)
フリードリヒ・レンツ(テノール)
ケルン放送合唱団
ベルンハルト・ツィンマーマン(合唱指揮)
ケルン放送交響楽団
ピエール・ブーレーズ(指揮)
● シュトックハウゼン:3群のオーケストラのための『グルッペン』 作品第6番
ケルン放送交響楽団
カールハインツ・シュトックハウゼン(指揮:オーケストラ1)
ブルーノ・マデルナ(指揮:オーケストラ2)
ピエール・ブーレーズ(指揮:オーケストラ3)
録音時期:1959年
録音場所:ウィーン芸術週間
録音方式:モノラル(ライヴ)
日本語帯・解説付き
3組のオケが対峙する「グルッペン」がモノラルだ! ところが、シュトックハウゼン、マデルナ、ブーレーズそれぞれが指揮する“超豪華版”演奏を聴くと、そんな事はどうでも良くなる。そしてノーノの問題作では、音のみならず作品のテーマも戦慄的鮮度の記録。1959年の空気感が生々しく蘇る。(田)(CDジャーナル データベースより)