シャーリイ・ジャクスン

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シャーリイ・ジャクスン

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784336060594
ISBN 10 : 4336060592
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2016
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

エリザベス・リッチモンドは内気でおとなしい23歳、友もなく親もなく、博物館での退屈な仕事を日々こなしながら、偏屈で口うるさい叔母と暮らしていた。ある日、止まらない頭痛と奇妙な行動に悩んだすえ医師の元を訪れる。診療の結果、原因はなんとエリザベスの内にある、彼女の多重人格だった。ベス、ベッツィ、ベティと名付けられた別人格たちは徐々に自己主張をし始め、エリザベスの存在を揺るがしていく…“孤高の異色作家”ジャクスンの、研ぎ澄まされた精緻な描写が静かに炸裂する、黒い笑いに満ちた傑作長篇がついに登場!(1954年作)

【著者紹介】
シャーリイ・ジャクスン : 1916年カリフォルニア州サンフランシスコ生まれ。ロチェスター大学中退後、シラキュース大学に編入学。卒業後、41年に短篇デビューを果たし、48年には処女長篇The Road Through The Wallを刊行。65年死去

北川依子 : 1967年生まれ。東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。専門はイギリス小説(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • HANA

    コギト・エルゴ・スムはもはや通じない。。前世紀末に大ブームを引き起こした多重人格ものだが、ジャクスンの手にかかるとそれらとはまた一風変わったものに仕上がっている。多重人格そのものではなく、自己というものの不安定さに焦点が当てられているような。そんな読後感を得るのは登場人物を極端に絞ったまるで室内劇のような構成や、参照のベッツィを読んだ感じから来ているのかなあ。著者の他の小説のように息詰まるような心理描写が素晴らしいが、一方後年のホラーには見られないような個所もあり著者の違った一面を楽しむ事が出来た。

  • 星落秋風五丈原

    「アルジャーノンに花束を」発表前の作品(アルジャーノンは1959年、本作は1954年)であり、素材の選択眼とそれぞれのキャラクターの描き分けは素晴らしい。また、4つの人格が他人には見えない所でせめぎ合って主導権を奪おうとする様子はリアルで、なぜこのような分裂を招くに至ったかを少しずつ明かす過程もスリリングで面白い。これほどややこしい主人公に寄り添って、作品世界から無事抜け出すことが出来たのだろうか?と生涯を調べてみると、作者もかなり厄介な人物だったようだ。後年強烈な個性を放つ家もまだ穏やかだが崩壊の契機。

  • キムチ

    装丁が新しい為、読み終えて1954作と知り吃驚。多重人格物はビリーミリガンしか読んでないし、ジャクソンは初読み。厳密に言うと登場人物は3人、交わされる会話が持つ邪念と毒がこれでもかというほどに続く、部屋という密室空間で。ライト医師の邪悪さ、叔母の多重性(賢者⇒皮肉屋⇒不機嫌)と対峙するエリザベス。べス・ベッツィー・ベティは閉じ込められた人格なので強烈な3人の応酬に疲労感を覚える。結局、筆者はミステリー仕立てにしたかったようで真のエリザベスに人格は?のまま。だが1冊の本の世界で展開する上質のユーモアは最高。

  • Koichiro Minematsu

    一人の女性の四人の物語。 関わる周囲の登場人物とのやり取りがもどかしかったり、あっさりしてたり、対比して感じ取れるプロットが素晴らしい作品です。

  • sssakura

    実際に見ているかのような描写に、ドキドキして、頭がおかしくなりそうでした。またあいつが出てくるんじゃないか、これは演技じゃないかと、最後まで気が抜けず、終わってしまってもなんだかすっきりしない不気味さが残りました。疲れましたが、面白かったです。

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