シモーヌ・ド・ボーヴォワール

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離れがたき二人

シモーヌ・ド・ボーヴォワール

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784152100344
ISBN 10 : 4152100346
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

二人の少女のかけがえのない友愛に捧げられた、ボーヴォワール未発表小説

二〇世紀初頭のパリ。少女シルヴィーは、厳格な家庭で育ちながらも自分らしく自由を求めて生きる、ある少女と出会った。たがいに強く惹かれ合う二人の友愛は、永遠に続くはずだった――。一九五四年に執筆されるも、発表されることのなかった幻の小説を刊行。

【著者紹介】
シモーヌ・ド・ボーヴォワール : 1908‐1986。フランスの作家・哲学者。ジャン=ポール・サルトルのパートナーでもあった。1949年に、『第二の性』を発表。フェミニズムの古典として読み継がれている。1954年には『レ・マンダラン』でゴンクール賞を受賞

関口涼子 : 1970年東京生まれ、翻訳家、詩人、作家。フランス語と日本語で創作を行う。2012年にはフランス政府から芸術文化勲章シュヴァリエを授与される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • パトラッシュ

    表紙写真のシモーヌとザザは、同じ色とデザインの服を着て同じ髪型だ。心理学では同性愛的感情を含む崇拝の典型的な表れとされる。後にサルトルと女性を共有したボーヴォワールだけに、すでにレズビアンの関係にあったのかもしれない。今日のイスラム原理主義国家並みに極度に因襲的なカトリックのブルジョワ層において、2人がどれだけ苦しんだか想像はつく。アンドレは病苦の果てに亡くなるが、抑圧的な生き方を強いる親への絶望が遠因なのは明らかだ。愛した女性を死に追いやった家族と階級を告発した小説を、生前に発表できなかったのは当然か。

  • ネギっ子gen

    ボーヴォワール、幻のシスターフッド小説。当時の書簡や写真、養女のあとがきを交え、半世紀の時を経て刊行。著者には娘時代、ザザという無二の親友がいた。ザザは21歳にして急逝したのだが、彼女が著者に与えた影響は著者の人生全体に及ぶほど大きかった。そのザザをモデルとした、実体験に即して書かれた自伝的小説とも言える。サルトルから出版に値しないと評され、著者自身も「この物語は無意味に思えたし、面白くなかった」と判断し長くお蔵入り。【ボーヴォワールにおけるフェミニズムの誕生に立ち合った!】『娘時代の回想』も読みたい。⇒

  • ケイトKATE

    『離れがたき二人』は、ボーヴォワールが生前に書いたにもかかわらず発表されなかった。読んでみると、小説が私的過ぎて公に発表しずらかったのではないかと推測してしまう。この小説は、主人公シルヴィーが若くして亡くなった親友アンドレを回想する形で書かれている。アンドレはシルヴィーと出会い大きな影響を与えるが、成長するにつれアンドレは、家族の規範に囚われてしまい、苦悩の末に病死してしまった。ボーヴォワールが本書を書いたのは、モデルとなった親友ザザの思い出を忘れたくなかったのと、自我の原点として書いたのであろう。

  • フム

    親友ザザとの友情、そして彼女の悲劇的な運命という実体験を元に書かれた作品。サルトルから出版には値しないと評価され、未発表だったが、66年の時を経て刊行された。ボーヴォワールは亡くなる前に養女シルヴィーに作品の扱いを託していた。本書「養女によるあとがき」に詳しく小説の背景が書かれていて理解が深まった。訳者後書きにあるように、親友ザザの悲劇を生んだ当時の女性への抑圧に対して目を開かせた体験という意味で、本書は「ボーヴォワールがボーヴォワールになる前夜を描いている」という読み方をすると、その価値に心が震えた。

  • 松本直哉

    巻末にある二人の手紙の写真を見ると、奔放な続け字のシモーヌと細かく几帳面なザザの筆跡に、おのずから二人の性格の違いが現れている。家庭環境も宗教や恋愛への考え方も違う二人であっても、前者が後者に思いを打ち明けてからその距離は急速に縮まる。「煉獄とはこのような場所だと思います」と嘆きつつ、保守的な規範や性別役割に窒息しそうになりながら、時には唐突に川で泳ぎだしたり斧で自らの足を傷つけて義務から逃れたりする激しさを持つザザのあまりにも短い生涯。その喪失が後年の著者を書くことに駆り立てたのかもしれない。

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