シェーンベルク(1874-1951)

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CD 輸入盤

シェーンベルク:月に憑かれたピエロ、幻想曲、ヴェーベルン:4つの小品、他 パトリツィア・コパチンスカヤ、ミーサン・ホン、ジュリア・ガレゴ、他

シェーンベルク(1874-1951)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
ALPHA722
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明


なんと! コパチンスカヤが歌う『月に憑かれたピエロ』登場!

異才のヴァイオリニストとして不動の地位を築いたといえるパトリツィア・コパチンスカヤ。彼女がヴァイオリンではなく歌でソロをとり、派手なピエロの衣装を着てベルリン、フィルハーモニーほか欧米各国で公演した『月に憑かれたピエロ』が、遂にCDで登場します。
 このシェーンベルクの問題作は、5人の奏者による室内アンサンブルと「語るように歌う」シュプレヒゲザング(あるいはシュプレヒシュティンメ)と呼ばれるソロのために書かれおり、現在はソプラノ歌手がソリストを務めることが多く、演奏至難なことで知られています。コパチンスカヤのアプローチは、歌うことよりも演劇的にダイナミックな表情を付けて語ることに主眼が置かれており、これは、この作品を委嘱し初演したアルベルティーネ・ツェーメが歌手ではなく女優であったことを踏まえると、彼女なりに原点を追求した形と言えるかもしれません。時に叫び声に近い激しい表現を加えながらも、コパチンスカヤが持つ音楽的な下地がその芸術性をしっかりと支えており、彼女の、そして作品の新たな魅力を堪能することの出来る素晴らしい出来栄えとなっています。
 そのほかの作品では、コパチンスカヤはいつも通りヴァイオリンで参加しており、シェーンベルクが「私的演奏協会」のために編曲したのち「ピエロ」に近い編成で再編曲した版の『皇帝円舞曲』などを収録しています。公演写真や資料図版の豊富な95ページに及ぶカラーブックレット付属。(輸入元情報)


【収録情報】
1. シェーンベルク:月に憑かれたピエロ Op.21
2. ヨハン・シュトラウス2世/シェーンベルク編:皇帝円舞曲 Op.437
3. シェーンベルク:ヴァイオリンとピアノのための幻想曲 Op.47
4. ヴェーベルン:ヴァイオリンとピアノのための4つの小品 Op.7
5. クライスラー:ウィーン小行進曲(ヴァイオリン、クラリネット、チェロ、ピアノ)
6. シェーンベルク:6つの小さなピアノ曲


 パトリツィア・コパチンスカヤ(声:1、ヴァイオリンI:2、ヴァイオリン:3-5)
 ミーサン・ホン(ヴァイオリン&ヴィオラ:1、ヴァイオリンII:2)
 ジュリア・ガレゴ(フルート:1,2)
 レト・ビエリ(クラリネット:1,2,5)
 マルコ・ミレンコヴィチ(ヴィオラ:2)
 トーマス・カウフマン(チェロ:1,2,5)
 ヨーナス・アホネン(ピアノ)

 録音時期:2019年12月
 録音場所:チューリッヒ放送スタジオ
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

【参考動画:『ピエロ』ベルリン公演時のリハーサルとインタビュー】

ユーザーレビュー

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最初に聴いた時には、さすがにこれはやりす...

投稿日:2021/12/29 (水)

最初に聴いた時には、さすがにこれはやりすぎだと思った。でも、この演奏については、しばらく「寝かせた」ことで印象が逆転。特に複数の映像を見たことですっかり考えが変わった。デジタル・コンサートホール内にあるベルリン・フィルのメンバーとの2019年3月ライヴも悪くないが、フランス国立管メンバーとのyou tube上にある演奏はさらに良い(France Musique制作、収録は2021年か?)。それでも、演奏が練れているという点では、このディスクの面々が一番。5人の器楽奏者たちはさすがの腕っこき揃いだが、完全にコパチンスカヤの意図を理解して、彼女に寄り添ってくれている。ピラルツィク/ブーレーズ以来の「マジメな」現代音楽としての演奏が間違いだったとは言わない。しかし、作曲者がほんらい望んでいたのは、ウィーンやベルリンの文学キャバレーでこのように演じられることではなかったか。女優であるバーバラ・スコヴァならこのように語ることもできたはずだが、やはり前例にならって、あと一歩踏み込むことができなかったのだ。コパチンスカヤのシュプレヒ・シュティンメは第1曲「月に酔い」から誰とも違うが、特に第9曲「ピエロへの祈り」、クライマックスの第11曲「赤ミサ」に至ると相当にハメを外している。でも、作曲者の指定した音の高さはそんなに外していないようだ(それが決定的に重要とも思わないが)。何よりも得難いのは、すべての言葉に対する表情が選び抜かれていて、全くハズレがないことだ。極端な早口の第12曲「絞首台の歌」など、これまでのすべての歌手を顔色なからしめるような名人芸。彼女は今後も「二刀流」を続けてゆくつもりのようで、2023年3月の大野/都響によるリゲティ生誕百周年演奏会にはヴァイオリン(ヴァイオリン協奏曲)と声(マカーブルの秘密)の両方で出演することが予告されている。 余談ながら、カップリングも実に秀逸。『月に憑かれたピエロ』の後に『皇帝円舞曲』(シェーンベルク編)を続けるなんて、誰が考えついただろうか。しかも『ピエロ・リュネール』の次に演奏されると、このワルツの序奏は、骸骨が骨をカタカタ鳴らす死の舞踏のように聞こえるではないか。個人的にはホーネック指揮『第9』とこれが今年のベスト2。

村井 翔 さん | 愛知県 | 不明

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