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赤い十字

サーシャ・フィリペンコ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784087735109
ISBN 10 : 4087735109
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

ノーベル賞作家スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ推薦!
「デビュー後すぐに“真剣な”文学作品を描きはじめた稀有な作家」

青年が引っ越し先のアパートで出会った、90歳の老女。
アルツハイマー病を患う彼女は隣人に、自らの戦争の記憶を唐突に語り始めた。
モスクワの公的機関で書類翻訳をしていたこと、捕虜リストに夫の名前を見つけたこと、
ソ連が赤十字社からの捕虜交換の呼びかけを無視していたことーー
ベラルーシ気鋭の小説家が描く、忘れ去られる過去への抵抗、そして未来への決意。

【著者プロフィール】
サーシャ・フィリペンコ
1984年、ベラルーシのミンスク生まれ。サンクトペテルブルグ大学で文学を学ぶ。テレビ局でジャーナリストや脚本家として活動し、2014年に『理不尽ゲーム』で長編デビュー、「ルースカヤ・プレミヤ」(ロシア国外に在住するロシア語作家に与えられる賞)を受賞した。『赤い十字』は4作目にあたる。
現在も母国を離れて執筆を続けており、ノーベル賞作家スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチからも高く評価されている。





【訳者プロフィール】
奈倉有里 (なぐら・ゆり)

1982年東京生まれ。ロシア国立ゴーリキー文学大学卒業、文学従事者の学士資格を取得。東京大学大学院博士課程満期退学。博士(文学)。2021年、博士論文が東京大学而立賞を受賞。著書に『夕暮れに夜明けの歌を』(イースト・プレス)、訳書にミハイル・シーシキン『手紙』、リュドミラ・ウリツカヤ『陽気なお葬式』(以上新潮クレスト・ブックス)、ボリス・アクーニン『トルコ捨駒スパイ事件』(岩波書店)、サーシャ・フィリペンコ『理不尽ゲーム』(集英社)など。




【著者紹介】
サーシャ・フィリペンコ : 1984年ベラルーシのミンスク生まれ。サンクトペテルブルグ大学で文学を学ぶ。テレビ局でジャーナリストや脚本家として活動し、2014年に『理不尽ゲーム』で長編デビュー、「ルースカヤ・プレミヤ」(ロシア国外に在住するロシア語作家に与えられる賞)を受賞した。現在も母国を離れて執筆を続けており、ノーベル賞作家スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチからも高く評価されている

奈倉有里 : 1982年東京生まれ。ロシア国立ゴーリキー文学大学卒業、文学従事者の学士資格を取得。東京大学大学院博士課程満期退学。博士(文学)。2021年、博士論文が東京大学而立賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • アキ

    ソヴィエト社会主義共和国ーこの国を団結させていたのは、恐怖の秘密だけだ。沈黙の恐怖、物言わぬ記念碑のような社会。ベラルーシの作家サーシャ・フィリペンコの描く世界は「理不尽ゲーム」と同様に、信じられないような事実に基づく小説なのである。2000年にミンスクの町に越してきたサーシャが聞き手になり、91歳で認知症を患うタチヤーナの人生が語られる。夫は敵の捕虜となり、自身は1945年夫が敵側に寝返った罪で秘密警察に逮捕され、娘のアーシャとは生き別れになる。赤十字の文書に夫を隠すため書いた他人の運命をも最後に知る。

  • しいたけ

    主人公に憑依して読み進む私の読書スタイルを、これ程後悔したことはない。ベラルーシ出身の作者が物語でアルツハイマーの老婆に語らせるこの国とあの国の残酷。これは今まさにウクライナとの戦争で繰り広げられる蛮行に繋がっている。歳を経ても消えていかない記憶がある。人の狂気に国民性は関係ない。自分や自分が属する国とは関係がないと言い切れたのなら、もっと距離をとって読めただろうに。作者の元に持ち込まれた第二次世界大戦時のソ連と赤十字との交信記録がベースにある。怒りをもって本を閉じたなら、その先の一歩を考える責務がある。

  • どんぐり

    ベラルーシの作家フィリペンコの小説。翻訳は『文学キョーダイ!!』の奈倉有里。赤い十字の印が付いた部屋に住む認知症のタチャーナ。ソヴィエト時代を生き抜いた一人の女性が、新しくアパートに越してきた青年に自分の身に起きたことを語りはじめる。1940年代、政府機関で翻訳の仕事をしていたときに、女性は赤十字から送られてくる捕虜名簿に戦争に行ったまま帰ってこない自分の夫の名前を発見する。捕虜名簿は、ソ連政府にとっては裏切り者の名簿だ。国へ帰っても、捕虜を待ち受けているのは秘密警察の選別収容所。→

  • 南雲吾朗

    第二次世界大戦でドイツがソ連に徐々に進行してきたことと同様な事を、今はロシアがウクライナに対して行っている。 首謀者は違うが、同じこと(同じ歴史)を繰り返す人間という生き物は愚かな生物だ。この物語でも、モスクワの市民は、現状を把握していない。今の状態と一緒だ。国際赤十字の捕虜交換に全く応じないソ連。昔からロシアは自国民を駒としか考えていなかったことがここでも示唆されている。1924年のスターリンの時期から現在まで、ロシア(ソビエト)の根本的な体制は、全く変わっていないのだと痛感させられる。

  • キムチ

    敬愛するスヴェトラーナ氏激賞という当作、手に取れたことは奇跡に近い感涙に値した。筆者の想いとして綺羅星に如く存するロシア文学に比すればこの頁数のコンパクトさは些末、一気読みしてほしいレベルだと。で私も明け方の一気読み。頭の中にて 鉄パイプで組んだ赤十字の墓碑が。ロシアの大地に流れる数多の詩が大河のように流れ、涙が溢れた。筆者フィリペンコが語りの舞台として設定した場所と時間・・後から思うと絶妙。筆者の分身のようなサーシャ・・人生の終わりを感じた今、引っ越しをする状況。目にした赤い♰⇒タチヤーナとの出会が幕を

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