サスティナブルコンストラクション事典 補修・補強と維持管理を基本とした持続可能な建設

欧米諸国同様、日本でも近年、構造物の長寿命化はもとより、省資源、リサイクル、省エネルギー等への配慮により地球環境への負荷を低減するサスティナブル・コンストラクションへの取り組みの必要性が指摘されている。本書では、なぜいまサスティナブル・コンストラクションなのかといった序章を皮切りに、基本技術編として土構造物、コンクリート構造物、鋼構造物、耐震補強、環境・マネジメントを解説。後半の施設別事例編では道路施設、鉄道施設、港湾・空港施設、下水道施設における50実例を収載する。
豪雨等による気象災害に対して人々が安心して暮らせるために、盛土、切土、自然斜面といった土構想物を取り上げたほか、阪神・淡路大震災、東日本大震災等、巨大地震の洗礼を受けた日本ならではの、構造物や施設を含めた耐震補強について記述するなど、我が国の状況を真っ向から捉えた現実的かつ実践的なテーマ立てが魅力である。
いずれのジャンルも第一線で活躍する執筆者によるもので現場の大いなる助けとなる。今後の日本の建設を考えるうえで必須の事典。

◆サスティナブル・コンストラクションとは
既設の建設ストックを長寿命化して有効に活用することを基本に環境・安全および経済性に配慮して取り組む考え方。持続可能な社会を実現するためには、蓄積された資本や資源を有効に活用するストック型社会への変換が必要であり、今後の日本にとって“待ったなし”の重要テーマである。