重要証人 ウイグルの強制収容所を逃れて

サイラグル・サウトバイ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784794225269
ISBN 10 : 4794225261
フォーマット
出版社
発行年月
2021年07月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
352p;19

内容詳細

著者は新疆ウイグル自治区で生まれ育ったカザフ人女性。医師であり教師であり、二人の子供をもつ母親。日に日に住民に対する監視態勢が激化するなか、ある日突然、拘束されて再教育施設と呼ばれる強制収容所に連行される。そこで行われていたのはウイグルに生きる少数民族への想像を絶する弾圧だった。自分たちの言葉を禁じられ、伝統も文化も宗教も奪われて中国共産党への忠誠を誓わされる。繰り返される拷問、洗脳、レイプ。そしてその先に待ち受ける死。命がけで隣国カザフスタンに脱出した著者は、二〇一八年、法廷に立ってウイグルで現在進行中の恐るべき実態を証言した。その衝撃的な事実は各国の主要メディアによって次々と報道され世界中に激震が走った―。

目次 : 第1章 過去の亡霊/ 第2章 中国の侵攻と破壊―輝く未来と生活の安定を夢見て/ 第3章 口をテープでふさがれて/ 第4章 監獄よりも劣悪な環境―世界最大の監視国家/ 第5章 完全なる支配―尋問とレイプ/ 第6章 収容所―地獄を生き延びる/ 第7章 「収容所で死ぬくらいなら、命がけで逃げよう」/ 第8章 カザフスタン―北京政府に介入される国/ 第9章 ウイルス―世界への警告

【著者紹介】
サイラグル・サウトバイ : 新疆ウイグル自治区出身のカザフ人。1976年、イリ・カザフ自治州に生まれる。元医師・幼稚園園長。2017年11月から翌年3月まで新疆の少数民族を対象とした強制収容所に連行され中国語教師として働かされる。収容所から解放された直後、今度は自身が収容者として収監されることを知って故国の隣国カザフスタンに逃れるが、不法入国の罪に問われ同国で裁判を受ける。この裁判で中国政府が「職業技能教育訓練センター」と称する再教育施設の実態と機密情報について証言、裁判は一躍世界的な関心を呼び、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥングなどの主要メディアで報じられる。カザフスタン政府は亡命申請を却下、滞在許可が切れる直前の2019年6月に国連のとりなしでスウェーデンに政治亡命。現在、安住の地となったスウェーデンで夫、娘、息子の四人で暮らしている。中国の強制収容所の実態については現在も積極的に発言を行い、その活動に対して2020年にアメリカ国務省から国際勇気ある女性賞(IWOC)、2021年にはニュルンベルク国際人権賞が授けられた

アレクサンドラ・カヴェーリウス : ドイツのフリージャーナリスト。多数の有力誌に寄稿するほか、政治問題に関するノンフィクションを刊行して高い評価を得ている

秋山勝 : 立教大学卒。日本文藝家協会会員・出版社勤務を経て翻訳の仕事に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ばたやん@かみがた さん

    《今ここにある地獄が示す中国共産党の真の野望》重い。既にメディアや書籍で伝聞してる事柄とは言え、当事者の口から語られるとやはり衝撃的だ。取り分け2016以降、カザフ人ウイグル人集落で一夜に張り巡らされた監視カメラ、住民のスマートフォンへ強制的に仕込まれた監視アプリ、網膜・声紋など不要な個人情報の採取、臓器を抜き取られた子供の死体、中国人と「家族」になるためと称して強制的に豚肉の入った食事を中国人家族と共にさせられる、そして女性は夜ホスト側の男性と同衾を余儀なくされる、等の証言。(1/5)

  • きみたけ さん

    中国の人権問題について少し勉強しようと思いこの本を手にしましたが、内容がスゴすぎて言葉に出来ません。「職業訓練センター」とは名ばかりの強制収容所施設での目を覆うような虐待、拷問、人権侵害の数々。ナチスよりも恐ろしい「民族浄化」の悪行が21世紀のこの世の中で起こっているのがとても信じられません。先日読んだ「日本はすでに侵略されている」で既に北海道や沖縄の土地を中国人に買収されているとのこと。中国共産党による「三段階計画」の名のもと、将来日本も中国に侵略されたら。。と考えると身震いします。

  • ばう さん

    ★★★★★ 先住民への中国共産党による想像を絶する弾圧はメディアで聞き齧ってきたけれどこの本の中には恐ろしいまでにおぞましい現実がある。豊かな大地の破壊、臓器売買、拷問、洗脳。中国国内にとどまらず西側に亡命した後も執拗に続く共産党による異分子への脅迫。建国100年目の2049年には世界の頂点に立つと公言する彼らには狂気しか感じないがナンセンスと言い切れない思いもある事が恐ろしい。危険にさらされながらも証言したサイラグルの勇気に頭が下がる。この本が世界中の一人でも多くの人に読まれることを強く強く願います。

  • キムチ27 さん

    凄い書だった。ナチス以上と言われるジェノサイドの実態、そして今後への見通しに国連を始め、各国が手をこまねくことが予測される危惧。筆者が身を持って体験した地球上の地獄を綴っている。予測はしていたものの、何度か読み続けられず、ぽつぽつと文を、文字を追った。2035年少数民族同化計画完了と習近平は豪語する。先日読んだ石平氏の著作でも「毛沢東以上の恐ろしい人物」と評された彼。筆者が幾度も瀕死のリンチを受けた収容所の下りでは現実とは思えない場面が随処に現れる。コロナではなく「心のウィルス」攻撃は地球上余すところなく

  • pohcho さん

    衝撃のノンフィクション。中国に住むイスラム教の少数民族がどんな目にあっているのか。職業技能教育訓練センターという名の強制収容所。自分たちの言葉を禁じられ、伝統も文化も宗教も奪われ中国共産党への忠誠を誓わされるというのは想定内だが、健康な人が臓器をとられたり(臓器は売買される)若い娘が皆の見ている前で職員に輪姦されるってナチスよりもひどいのではないか。あまりの凄惨さに言葉が出ない。ウイグル自治区だけでなくチベットやモンゴル、香港、台湾もあり。中国という国がどこに向かっているのか。多くの人に読んで欲しい一冊。

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サイラグル・サウトバイ

新疆ウイグル自治区出身のカザフ人。1976年、イリ・カザフ自治州に生まれる。元医師・幼稚園園長。2017年11月から翌年3月まで新疆の少数民族を対象とした強制収容所に連行され中国語教師として働かされる。収容所から解放された直後、今度は自身が収容者として収監されることを知って故国の隣国カザフスタンに逃

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