グレーアム・グリーン

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ヒューマン・ファクター グレアム・グリーン・セレクション ハヤカワepi文庫

グレーアム・グリーン

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784151200380
ISBN 10 : 415120038X
フォーマット
出版社
発行年月
2006年10月
日本
追加情報
:
16cm,495p

内容詳細

イギリス情報部の極秘事項がソ連に漏洩した。スキャンダルを恐れた上層部は、秘密裏に二重スパイの特定を進める。古株の部員カッスルはかろうじて嫌疑を免れた。だが、彼が仲良くしていた同僚のデイヴィスは派手な生活に目を付けられ、疑惑の中心に。上層部はデイヴィスを漏洩の事実ともども闇に葬り去ろうと暗躍するが…。自ら諜報機関の一員だったグリーンが、追う者と追われる者の心理を鋭く抉る、スパイ小説の金字塔。

【著者紹介】
グレアム・グリーン : イギリスを代表する作家であるとともに、20世紀のもっとも偉大な作家のひとり。1904年10月2日、ロンドン北西のバーカムステッド生まれ。オックスフォード大学卒業後、1926年から『ザ・タイムズ』に勤務。1929年に『内なる私』で文学界に登場した後、『ザ・タイムズ』を退社して作家活動に入る。第二次大戦中は情報活動に従事していた。『ブライトン・ロック』(1938)と『権力と栄光』(1940)で作家としての地位を確立し、『事件の核心』(1948)、『情事の終り』(1951)で世界的な名声を得た。代表的なカトリック作家で、自らの作品を「ノヴェル」と「エンターテインメント」に分類したことでも知られる。1991年4月3日死去

宮賀山卓朗 : 1962年生、東京大学法学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • absinthe さん

    家族愛ゆえ祖国を裏切ることになる男の話。アクションやサスペンスはないし、爽快な結末もどんでん返しもない。だが家族を愛した男の末路とそこに至った家庭が丁寧に綴られる。題名通り、スパイではなく人間を描く小説といえる。作者のグリーンは情報部時代あの亡命者フィルビーの部下だった。フィルビーといえばスパイ小説に登場する実在名としてはアンドロポフと双璧である。

  • NAO さん

    情報部にいるらしい二重スパイはいったい誰か。イギリス情報部を舞台にしたスパイ小説は、派手なアクションは全くない。実は地味で、それでいて制約の多い情報部員の生活が彼らの精神をいかに蝕むか。情報部員の日々の生活の実情や悩みが詳細に描かれているのは、グレアム・グリーン自身の情報部での経験によるものだろう。思想や経済的理由だけが裏切りの理由となるわけではない、人間の複雑な心境を、グレアム・グリーンは見事に描きあげている。

  • らぱん さん

    スパイは国家公務員だ。一般に公務員は守秘義務があるものだと思うが、諜報部員は職務内容を家族にさえ全く話すことが出来ない。職場での些細な出来事さえ口に出してはいけない。 またどんな業種であれ、現場とは別に裏方めいた職種があり事務方も必要だ。 そんな当たり前を突き詰めて行くと、スパイもただの人間であるという事実に行き当たる。逡巡し躊躇する。後悔し苦悩する。 007のような冒険活劇ではない、地味なスパイ小説は人間とはどういう存在であり得るのかを問うている。 スパっと終わるラストが見事で鮮やかさに感心した。↓

  • Panzer Leader さん

    「第190回海外作品読書会」フィルビー事件に触発されて書かれたスパイ小説の2大傑作と言われている本書とジョン・ル・カレの「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ(TTSS)」。しかしながら比較してみると「TTSS」は正統なスパイ小説といえるが、本書はスパイを主人公として人の内面をより深く描いた人間ドラマと言えよう。55冊目/「海外ミステリーマストリード100」

  • くたくた さん

    “スパイ小説”というよりは二重スパイを主人公とした文学作品の趣き。機密情報漏洩の内部査察と若い同僚の突然の死を契機に、沈黙のうちに務めを果たしていたMI6の古参スパイが心理的に破綻していく。3人の上官の描写も見事で、医師の酷薄さがリアルで小説とは思えない。無残なラストが深く心に残る。人は卑小な存在なのに他人の人生や国や歴史、大きな物事を動かしたがりすぎる。妻と息子の小さな「祖国」を守ることは許されないことなのか。どこにも“こうすればよかった”というターニングポイントなどない。カッスルの寂しさが胸に痛い。

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