グレーアム・グリーン

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グレアム・グリ-ン全集 15

グレーアム・グリーン

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784152003157
ISBN 10 : 4152003154
Format
Books
Publisher
Release Date
November/1979
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
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Book Meter Reviews

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  • ヴェネツィア

    シェイクスピア劇もどきの仕立て。ことに幕切れがそうだ。物語の全体はスパイ小説のパロディなのだが、プロットは極めて演劇的に(それはある意味ではリアルを超越しているということでもうる)展開し、喜劇としてめでたく幕を降ろす。この作品がキューバ革命の前夜のハバナを舞台にしていることも、なにやら意味深いものがありそうだ。ワーモルドのでっち上げが罷り通ってしまうことも、そして真相が明らかになった後もそれを糊塗しなければならないことも、全ては茶番でしかない。最終的に確かだったのは、ワーモルドが何よりも娘のミリィを⇒

  • ケイ

    「情事の終わり」の作家のイメージを完全に覆された。これをスパイ小説と読んでいいのなら、こんな気の利いたスパイ小説はない。ベアトリスがキュンとしてしまうのも頷ける。一筋縄ではいかない警視や娘で脇を固めるのもなかなかだ。何より、この「ハバナ」を舞台に選んだことがすごいだろう。キューバ危機の前のキューバの穏やかならぬ状況がここにある。解説者がキューバ危機の後にこの小説の解説を書いたものがないのだろうか。読んでみたい。

  • まふ

    米ソ等大国の思惑が世情を不安定化させる舞台設定下での、英国諜報部に見込まれたドシロウトの諜報員の大活躍とその余話を描いたスパイコメディ。仲間が何人か殺され、本人も危うく生還するというのに、その怖さ、暗さ、重さが殆ど感じられないほど楽しく物語は展開し、美しい17歳の娘への手ごわい警部のプロポーズなどもあってまさに作者が楽しみながら書いたと思われる「エンターテインメント作品」そのものである。ル・カレの(ムニャムニャした?深刻な)諜報員の世界よりもわたくし的には好ましかった。G1000。

  • NAO

    本当は諜報活動になど全く興味がなく関心事といえば愛娘のことだけというワーモルドをスパイとして採用してしまったホーソーンは、人を見る目がなかったのか。だが、各章のラストで描かれているロンドンの諜報部本部でのワーモルド評は、あまりにもお気楽だ。自分たちの計画に酔い、他人を操ることに夢中になりすぎたあまり、まさか自分たちが操られているとは思いもしないという愚かしさ。穏やかならぬキューバを舞台に、こんなコメディを描いたグリーンは、世界の諜報活動に対してかなりアイロニカルな目を向けるようになっていたのだろうか。

  • syota

    【第66回ガーディアン必読小説1000冊チャレンジ】に参加。革命直前のキューバを舞台とした英国お得意のスパイ小説だ。とはいえ、ル・カレが描くような本格的スパイではない。掃除機のセールスマンがスパイにスカウトされ、苦し紛れにデタラメの機密情報を次々に報告するというコメディ・タッチの話だ。ネタバレになるので詳細は省くが、軽いノリで文句なしに面白く、しかも山場はしっかり盛り上がる。英国らしいウイットにあふれた、娯楽小説のお手本のような作品だと感じた。

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