CD

Peer Gynt: Tourniaire / Sro D.henschel Dam-jensen S.koch

Grieg (1843-1907)

User Review :5.0
(1)

Item Details

Genre
:
Catalogue Number
:
MAECD1098
Number of Discs
:
1
Label
:
Format
:
CD

Product Description

グリーグ:『ペール・ギュント』全曲
トゥルニエール&スイス・ロマンド管弦楽団
〜aeonレーベル 2010年度カラーカタログ付〜

日本語解説付き

「組曲」ではなくて「全曲版」を、1枚のCDに完全収録。グリーグの作曲した音楽の全てをひたすら精妙かつダイナミックな鮮烈演奏で聴かせるのは、あの名門老舗楽団を雄弁・緊密に引き締める新世代指揮者。ノンストップで聴いてしまうこと間違いなし!

なにしろヨーロッパというところには、無数にオーケストラがあるだけでなく、歌劇場も各国にたくさんあるわけですし、それらが日々興行を続けているとなると、なにぶん経費のかかるオペラや管弦楽団のこと、うっかりした人材はどんどん淘汰され、本当に実力ある人だけが残ってゆくのでしょう。そんなレヴェルの高い競争社会の存在をありありと想像させる、油断ならない1枚のアルバムが届きました。グリーグの『ペール・ギュント』、二つの組曲抜粋などではなく、堂々の全曲録音でございます!
 ノルウェーを代表する作家イプセンの代表作ともいえる、北欧民話に基づいた壮大な戯曲のためにグリーグが準備した音楽は全部で26曲。かつてDGGにネーメ・ヤルヴィが録音した「全曲版」のように、演技のせりふ部分もきっちり収録するとCD1枚では収まらないのですが(ヤルヴィ盤には『十字軍士シグール』が併録されていましたが)、せりふをカットしても微妙な長さ・・・。それがCD1枚にすべて収録されていることからもわかるとおり、本盤の演奏ではダイナミックなテンポ変化もみせながら、急速部分は驚くほど速く、一糸乱れぬアンサンブルの精悍さとあいまって、曲を実にエキサイティングかつ先鋭的な響きで聴かせてくれるのです! 対照的に、魔王の山の場面のおどろおどろしさ、有名な朝の音楽のえもいわれぬ清らかさなど、ゆったりしたフレーズのしなやかな歌わせ方も比類なく、北欧的な透明感にみちたえもいわれぬ美にうっとりさせられてしまいます。
 なにしろ楽団はアンセルメとの蜜月で知られる名門スイス・ロマンド管、精妙なのは当然かもしれませんが、かくも痛快な解釈でこの名門楽団をまとめてみせる若きフランスの俊英トゥルニエールの才覚には、驚くほあかりません。若い頃からジュネーヴ大劇場の合唱団モテ・ド・ジュネーヴの指揮者として「現場」を肌で感じながらキャリアを積み、フェニーチェ座、ドイツ・カンマーフィル、ローザンヌ室内管、リヨン国立管とシーン最先端の大舞台で管弦楽・歌劇指揮者両面の腕を磨き、先日まではプラハ国立歌劇場の音楽監督の座にあった「叩き上げ」の腕利きとしての才覚が、完全無比のかたちで示された傑作録音です。(マーキュリー)

【収録情報】
・グリーグ:劇付随音楽『ペール・ギュント』(1875 全曲)〜独唱、合唱と管弦楽のための

 ディートリヒ・ヘンシェル(バリトン)
 インガー・ダム=イェンセン(ソプラノ)
 ソフィー・コック(メゾ・ソプラノ)、他
 ヴェガール・ヴァルダル(ハリングフェレ(ハーディンガーフィドル)独奏)
 モテ・ド・ジュネーヴ声楽アンサンブル
 スイス・ロマンド管弦楽団
 ギヨーム・トゥルニエール(指揮)

 録音時期:2000年
 録音方式:デジタル

なお当盤は、別冊の日本語解説書を輸入盤に添付したものになりますので、ブックレットやディスク自体は輸入盤(AE1098)と同一です。

Track List   

  • 01. Grieg: Peer Gynt Op. 23: I. Dans la cour de la mariee (Prelude a l'acte I) [4:52]
  • 02. II. Halling [1:13]
  • 03. III. Springar [1:51]
  • 04. IV. L'enlevement de la mariee. La plainte d'Ingrid (Prelude a l'acte ll) [4:44]
  • 05. V. Peer Gynt et les Filles des paturages [3:49]
  • 06. VII. "A sa monture on reconnait le noble" [0:17]
  • 07. VIII. Dans le palais du Roi de la montagne [2:54]
  • 08. IX. Danse de la Fille du Roi de la montagne [1:46]
  • 09. X. Peer Gynt poursuivi par les trolls [3:11]
  • 10. XI. Peer Gynt et le Courbe [1:56]
  • 11. XII. La mort d'Ase (Prelude a l'acte lll) [4:55]
  • 12. XIII. Au matin (Prelude a l'acte lV) [4:30]
  • 13. XIV. Le Voleur et le Receleur [1:20]
  • 14. XV. Danse arabe [5:06]
  • 15. XVI. Danse d'Anitra [3:42]
  • 16. XVII. Serenade de Peer Gynt [2:43]
  • 17. XIX. Chanson de Solveig [5:46]
  • 18. XXI. Le retour de Peer Gynt. Soir de tempete sur la mer (Prelude a l'acte V) [2:23]
  • 19. XXII. Le naufrage [1:43]
  • 20. XXIII. Solveig chante dans sa cabane [1:49]
  • 21. XIV. Scene nocturne [6:29]
  • 22. XXV. Psaume (Les Fideles) [1:33]
  • 23. XXVI. Berceuse de Solveig [6:47]

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素晴らしい名演の登場だ。かつては、グリー...

投稿日:2011/02/03 (木)

素晴らしい名演の登場だ。かつては、グリーグの劇音楽「ペール・ギュント」と言えば、2つの組曲で演奏するのが主流であった。わずかに抜粋版としてバルビローリ盤などがあったが、ヤルヴィによる完全全曲盤が登場するに及んで、その流れが変わってきたように思う。その後、ブロムシュテットなどの名演も登場するなど、劇音楽全体に対する評価がかなり高まってきたと言えるのではないか。そうした一連の流れの中での、本盤の登場であるが、フランスの新進気鋭の指揮者ならではの生命力溢れる快演と言える。ヤルヴィ盤と異なり、セリフのみの箇所をすべて省略しているが、音楽として鑑賞するには、この方がちょうど良いと言えるのかもしれない。それでも、長大な当劇音楽を、CD1枚におさまる75分程度で演奏したというのは、テンポ設定としても、やや早めと言えるのかもしれない。とは言っても、若さ故の上滑りするような箇所は皆無であり、むしろ、緩急自在のテンポ設定を駆使した演出巧者と言った評価が相応しいと言える。第4〜第5曲にかけての畳み掛けるような劇的な表現は、実に堂に行ったものであるし、第8曲の有名な山の魔王の宮殿にての、ゆったりとしたテンポは、あたかも豹が獲物を狙うような凄みがあり、猛烈なアッチェレランドは圧巻のド迫力。合唱団も実に優秀で、最高のパフォーマンスを示していると言える。第9曲の威容はあたりを振り払うような力強さであり、第10曲の壮絶な迫力にはほとんどノックアウトされてしまう。それと対照的な第12曲のオーゼの死の情感豊かさは、この指揮者の表現力の幅の広さを大いに感じさせるのに十分だ。その後に続く音楽も、ここに書ききれないくらい素晴らしいが、特に、第13曲の爽快な美しさ、そして第21曲の帰郷は、圧巻の迫力であるし、第19曲や第26曲のソルヴェイの歌、子守唄は、北欧音楽ならではの至高・至純の美を誇っていると言える。独唱陣も合唱団も実に上手く、本名演に華を添えているのを忘れてはなるまい。本盤が、昨年の管弦楽部門でのレコード・アカデミー賞を受賞したのも当然のことであると考える。

つよしくん さん | 東京都 | 不明

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