クリストファー・ブラウニング

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普通の人びと ホロコーストと第101警察予備大隊 ちくま学芸文庫

クリストファー・ブラウニング

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784480099204
ISBN 10 : 4480099204
フォーマット
出版社
発行年月
2019年05月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
528p;15

内容詳細

薬剤師や職人、木材商などの一般市民を中心に編成された第101警察予備大隊。ナチス台頭以前に教育を受け、とりたてて狂信的な反ユダヤ主義者というわけでもなかった彼らは、ポーランドにおいて3万8000人ものユダヤ人を殺害し、4万5000人以上の強制移送を実行した。私たちと同じごく平凡な人びとが、無抵抗なユダヤ人を並び立たせ、ひたすら銃殺しつづける―そんなことがなぜ可能だったのか。限られた資料や証言を縒り合わせ、凄惨きわまりないその実態を描き出すとともに、彼らを大量殺戮へと導いた恐るべきメカニズムに迫る戦慄の書。原著最新版より、増補分をあらたに訳出した決定版。

目次 : ユゼフフのある朝/ 通常警察/ 通常警察と最終的解決―ソ連一九四一年/ 通常警察と最終的解決―強制移送/ 第一〇一警察予備大隊/ ポーランド到着/ 大量殺戮への通過儀礼―ユゼフフの大虐殺/ 大虐殺の考察/ ウォマジ―第二中隊の急襲/ トレブリンカへの八月の強制移送/ 九月下旬の暗殺/ 強制移送の再開/ ホフマン大尉の奇妙な健康状態/ 「ユダヤ人狩り」/ 最後の大虐殺―「収穫感謝祭」作戦/ その後/ ドイツ人、ポーランド人、ユダヤ人/ 普通の人びと

【著者紹介】
クリストファー・R.ブラウニング : 1944年生まれ。アメリカの歴史学者。パシフィック・ルター大学やノース・カロライナ大学チャペルヒル校で歴史学の教鞭をとる。『普通の人びと』を含め、全米ユダヤ図書賞ホロコースト部門を三度受賞。2006年には、アメリカ芸術科学アカデミーのフェローに選出される

谷喬夫 : 1947年群馬県生まれ。新潟大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • えちぜんや よーた さん

    ナチスの狂信者でもない、ふつうのおっさんがどういう心理過程で「大量殺戮」に加担できるようになるか。遠い外国の昔の話ではなく、現在の日本でも「大量殺戮」を「財産収奪」に置き換えると十分ありうる話である。仲間うちで村八分にされたくないから、異様な営業ノルマを達成しなければならない。自分で詐欺まがいの商品を売らなかったら、仲間に汚れ仕事を引き受けさせてしまう。普通の人びとは良心の呵責に耐えられなくなり、客を隠語で呼び捨てモノ扱いする。R-15指定が必要なくらい読むに耐えない描写があるのでご注意を。

  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    一元化されるナチス・ドイツ。その中でナチス台頭前の学習を受けており、身近な職業の就いている一般市民で構成された第101警察予備大隊の証言に焦点を当てる。何故、「普通の人々」であった彼等が虐殺に手を貸してしまったのか。仕事の中身がどんなに悍しいものでそれを拒否する選択肢もあったとしても人は行ってしまう。命令を指示した上官が罪悪感で動揺する中、部下は射殺を続けていた事もあった。分業・専門化される仕事、権威、同調圧力、良心を守る為の麻痺と理由付。様々な理由で事を為してしまった彼等と私達に違いはあるのだろうか

  • syaori さん

    ホロコーストの実行者たちの動機を、東欧での最終的解決に関与した大隊の供述記録から見てゆく本。語られるのは、8〜9割の隊員が恐怖と嫌悪を感じた「にもかかわらず殺戮を遂行した」ということ。そして年齢・階級的にナチズムを受け入れにくい層だった彼らの動機として、殺戮の分業化による責任の希薄化や組織への帰属意識等が挙げられます。それは、イデオロギーに酔ったでもない自分と同様の良識を持つ人間が、悩みながらしかし「事実として」人殺しになったということで、作者が鳴らす現代への警鐘などと相俟って、奇妙な焦燥感が残りました。

  • HANA さん

    第101警察予備大隊。普通のドイツ人で結成されたこの大隊が、如何にしてホロコーストを行うようになったのかを論じた一冊。苦しみながら命令を下す大隊長や「弱い」ために任務を行う事が出来ない一部の隊員、そして虐殺の様子と証言を元に構成された部分が非常に生々しい。読んでいて連想するのはアイヒマン実験やスタンフォード監獄実験。あとがきなどで本書に加えられた批判に反論してるのだが、実験等を見ると本書の人類に普遍的なものというスタンスに軍配が上がると思う。そう考えるとこの『普通の人びと』というタイトルは余りにも重い。

  • こばまり さん

    普通のドイツ人がホロコーストの犯罪者に変貌したことへの考察と、同じ大隊に注目しながら異なった見解を生んだ研究者との論争、さらに25年を経ての検証と、緊張感に終始圧倒されたままの読書体験だった。「説明は弁明ではないし、理解は許しではない」

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