クリスティーヌ・アンゴ

人物・団体ページへ

クリスティーヌ 東への旅

クリスティーヌ・アンゴ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784908184499
ISBN 10 : 4908184496
フォーマット
出版社
発行年月
2024年01月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
256p;19

内容詳細

本書は、フランスの作家、劇作家で脚本家でもあるクリスティーヌ・アンゴの二十四作目の小説『Le Voyage dans l'Est』2021年刊の全訳である。

物語は十三歳になったクリスティーヌが初めて実の父親に会う日から始まる。憧れの父親にようやく娘として認知され、これからは普通の親子としての生活が始まると有頂天になるが、会ってすぐに近親姦が始まる。
著者が綴るのは、主人公クリスティーヌが近親姦を受け続け、苦しみ、トラウマを抱えて人生に絶望しながらも、どのように一人の女性として自己確立をしていったのか、その命がけの人生そのものである。

著者のアンゴも実父による近親姦からのサバイバーであり、デビュー作から一貫して女性に対する性的虐待をテーマに書き続けてきた。ただ、作中の「クリスティーヌ・アンゴ」は作者自身ではなく、本書はアンゴの自伝ではない。しかし、彼女の作風はあまりにも実体験と近接しており、作者と語り手を分離しにくいかもしれない。一つだけ強調しておきたいのは、アンゴにとって「近親姦の被害者」という「立場」と「実体験」は文学作品を生み出すための出発点に過ぎないということだ。
サバイバーのアンゴは「文学作品を書くこと」という手段で戦う。戦う相手は家族関係を破壊し、隷属の関係を強要する性的虐待者だけではない。それを見ないふりをし、セカンドレイプをする「社会」全体である。

【著者紹介】
クリスティーヌ・アンゴ : 作家、劇作家、脚本家。自らの体験に基づく実父との近親姦を主題にした『L’Inceste 近親姦』(1999年日本未訳)が反響を呼ぶ。以後、発表する作品は2005年にフランス・キュルチュール賞、2006年にフロール賞、2015年にデッサンブル賞そして2021年にフランス5大文学賞の一つであるメディシス賞を受賞し、アンゴは現代フランス文学を代表する一人となった。なお2013年にフランス政府から芸術文化勲章のオフィシエを受勲し、2023年2月からはゴンクール文学協会(通称アカデミー・ゴンクール)会員に選出されている

西村亜子 : フランス文学翻訳家。慶應義塾大学文学部仏文学科専攻修士課程、及びパリ第三大学FLE修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • ヘラジカ さん

    「実父からの性的虐待によって破壊された女性の人生」という一元的な見方、読み方を許さない。憐憫や嫌悪感、あるいは同情心など、分かり易い感情を中心に読むことが到底不可能な難しい小説である。解説でも使われていた”実存的な不安”という言葉通り、どこからどこまでが歪められた性格なのか、父親に滅茶苦茶にされなければあり得た自分とは何かが、一種模索するような語りによって綴られている。確かに神話的な自己供儀の物語という視点も提示されており、シンプルな自伝的小説に見えてとても複雑な作品であった。

  • 星落秋風五丈原 さん

    何度も何度もこのテーマで書いている作者。妊娠した途端母親を捨てたくせに13年ぶりに出会った娘が美しくなっていて関係を少しずつ深めていく。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

人物・団体紹介

人物・団体ページへ

クリスティーヌ・アンゴ

作家、劇作家、脚本家。自らの体験に基づく実父との近親姦を主題にした『L’Inceste 近親姦』(1999年日本未訳)が反響を呼ぶ。以後、発表する作品は2005年にフランス・キュルチュール賞、2006年にフロール賞、2015年にデッサンブル賞そして2021年にフランス5大文学賞の一つであるメディシス

プロフィール詳細へ

文芸 に関連する商品情報

おすすめの商品