CD

戦没学生のメッセージ Vol.2-青春の音楽 東京音楽学校の戦没学生と学友たち: 千田寧子(Organ)田中俊太郎(Br)松岡あさひ(P)Etc

Item Details

Genre
:
Catalogue Number
:
DCJA21048
Number of Discs
:
2
Label
:
Format
:
CD

Product Description

いやおうなく戦争の渦に巻き込まれた東京音楽学校の学生たち。
紙一重の運命で生還を果たした者もいれば、命を落とす学生もいた。
そんな彼らの「青春の音楽」が甦る。


【旧奏楽堂は心のふるさと〜CD「戦没学生のメッセージ第2集」について】
「戦没学生のメッセージ」プロジェクトは、戦後70年にあたる2015年、東京音楽学校で学んだ鬼頭恭一、村野弘二といった二人の戦没学生の譜面が持ち込まれたことをきっかけに始まりました。その活動は2017年夏の「戦没学生のメッセージ〜戦時下の東京音楽学校・東京美術学校」を皮切りに、大小さまざまなコンサートやシンポジウムを展開してきました。本CDは2021年8月7日(土)に、東京音楽学校旧奏楽堂で開催された「戦後76年・里帰りコンサートin 旧奏楽堂」のライブ録音盤です。
「旧奏楽堂」は、現在上野公園の一廓に建つ音楽堂で、日本で最初の洋風音楽堂として国の重要文化財にも指定されている由緒ある建物です。そしてこの建物こそ、明治23年から昭和55年まで、東京音楽学校(後の東京藝術大学音楽学部)の校舎として使われていたものです。まさに学生たちの汗と涙がしみ込んだ、特別の空間と言えるでしょう。これまでのコンサートは、すべて現在の東京藝術大学内のホールで開催してきましたが、今回旧奏楽堂での開催にこだわった理由はそこにあります。
学業半ばで戦地へ赴くことになった学生たちが、遠い異国の空の下で奏楽堂に戻ってくる日を夢見たであろうことは、想像に難くありません。しかし、幸運にも生還した学生たちがいた一方、激戦地へ送られたある者たちは戻ってくることが出来ませんでした。「里帰りコンサートin 旧奏楽堂」では、戦争で命を落とした戦没学生だけでなく、彼らと机を並べて勉強した学友たちの作品も取り上げました。それらはいずれも若書きゆえの未熟さを宿しているかもしれませんが、紛れもなくその時期にしか生まれえなかった曲です。いわば「青春の音楽」とも呼べるこれらの作品に、じっくりと耳を傾けてみてください。〜東京藝術大学名誉教授 大石 泰〜(販売元情報)

【収録情報】
Disc1
「里帰りコンサート in 旧奏楽堂」第1部

1. 鬼頭恭一:『鎮魂歌』
 オルガン:千田寧子
2. 草川 宏(信時潔監修):『級歌』(一色範義詞/風巻景次郎監修)
 コーラス:岡うらら、瀧本真己、岸野裕貴、関口直仁
 オルガン:千田寧子
3. 村野弘二:歌曲『重たげの夢』(三好達治詩)
 バリトン:田中俊太郎/チェロ:松本卓以/ピアノ:松岡あさひ
4. 葛原 守:歌曲『犬と雲』(西條八十詩)
 テノール:澤原行正/ピアノ:筒井紀貴
5. 葛原 守:『典則曲(三聲)』
 ヴァイオリン:花田和加子/ヴィオラ:中島久美/チェロ:松本卓以
6. 草川 宏:『Die Doppelfuge』
 ピアノ:田中翔平
7. 村野弘二:紀元二千六百年奉祝曲『大聖代』
 ピアノ:田中翔平
8. 鬼頭恭一:歌曲『惜別の譜』(讃井智恵子作曲/鬼頭恭一編曲)
 コーラス:岡うらら、瀧本真己、岸野裕貴、関口直仁
 ピアノ:松岡あさひ
9. 大中 恩:歌曲『幌馬車』(西條八十詩)、歌曲『母』(高村民子詩)
 テノール:澤原行正/ピアノ:筒井紀貴
10. 團 伊玖磨:弦楽三重奏曲 - Allegro ma non troppo/Allegro
 ヴァイオリン:花田和加子/ヴィオラ:中島久美/チェロ:松本卓以
11. 畑中良輔:歌曲集『天の夕顔』による四つの歌(中河與一詩) - まがなしき/いつの日か/いづくにか/やまにゆき
 バリトン:田中俊太郎/ピアノ:松岡あさひ
12. 中田喜直:歌曲集『六つの子供の歌』より風の子供(竹久夢二詩)/たあんき ぽーんき(山村暮鳥詩)/おやすみ(三木露風詩)
 ソプラノ:金持亜実/ピアノ:筒井紀貴

Disc2
「里帰りコンサート in 旧奏楽堂」第2部

1. 葛原 守:歌曲『かなしひものよ』
 ソプラノ:金持亜実/ピアノ:筒井紀貴
2. 鬼頭恭一:歌曲『雨』(清水史子詩)
 メゾ・ソプラノ:山下裕賀/ピアノ:松岡あさひ
3. 草川 宏:ピアノソナタ第2番 - Presto/Adagio/Allegro
 ピアノ:秋場敬浩
4. 村野弘二:オペラ『白狐』(岡倉天心台本)より『こるはの独唱』
 メゾ・ソプラノ:山下裕賀/ピアノ:松岡あさひ

 以上、2021「戦後76年・里帰りコンサートin 旧奏楽堂」より

スペシャルトラック「声聴館アーカイブ・コンサート」から
5. 大中 恩:『或る日 吾児に聞かせし小曲』
 ピアノ:松岡あさひ
6. 中田喜直:『雨の夜に』
 ピアノ:松岡あさひ
7. 畑中良輔:『ピアノのための前奏曲第7番』
 ピアノ:田中翔平

 以上、2020 声聴館アーカイブ・コンサートより


【鬼頭恭一】
大正11(1922)年6月10日愛知県生まれ。昭和17年東京音楽学校予科入学。翌18年本科作曲部に進む。作曲を信時潔、理論を橋本國彦、ピアノを水谷達夫に師事した。10月在学徴集延期臨時特例により11月15日仮卒業。
12月大竹海兵団に入団、三重海軍航空隊、築城(ついき)海軍航空隊、神町(じんまち)航空隊を経て霞ヶ浦海軍航空隊に配属。昭和20(1945)年7月29日、開発中の日本初の液体燃料ロケット戦闘機「秋水」の練習機での飛行訓練中の事故で殉職。同僚からの伝聞では突然前方を航空機が通過したのを避けようとして掩体壕に激突したという。裕福な酒問屋の長男として生まれ、両親の反対を押し切って東京音楽学校を受験した。昭和17年2月、ビルマで戦死した従兄・佐藤正宏に『鎮魂歌』を捧げた。実家は空襲で焼失し、東京の佐藤家で空襲を免れた楽譜や、鬼頭が入隊後に所持した音楽帳などが遺された。(販売元情報)

【草川 宏】
大正10(1921)年10月28日東京生まれ。父は作曲家の草川 信[1893-1948]。昭和15年東京音楽学校予科入学。翌年本科作曲部に進む。信時潔、下總皖一、橋本國彦、H.フェルマーに学び、同18年9月繰上げ卒業後、研究科に進む。卒業作品『奏鳴曲イ長調』は大島正泰により演奏された。同19年6月15日入隊。翌20年6月2日フィリピン・ルソン島バギオにて戦死。
演奏可能な20数曲が確認される。曲を書き上げると弟の誠さん(2020年逝去)にピアノで弾いて聞かせては批評を求めたという。召集される前の半年分の日記が残されており、レッスンで注意されたこと、島崎藤村の歌曲集を出版する夢、食料不足の日常、ラジオで聞いた演奏曲目や大本営発表等が書き留められている。父の草川 信をはじめ、長兄・草川宣雄、三兄・草川友忠、そして宏の従兄・草川 啓も東京音楽学校の卒業生であった。(販売元情報)

【村野弘二】
大正12(1923)年7月30日兵庫県生まれ。父・貞朗の手記「弘二の死を知って」によれば、村野は中学3年生頃、独学で作曲に熱中し始めた。受験準備中に島崎藤村作詩『小兎の歌』、ピアノ曲『秋はむなしうして』など作曲、昭和17年東京音楽学校予科に入学。作曲を下總皖一(村野は團伊玖磨と同期同門)、理論を橋本國彦、ピアノを永井進に師事。本科1年の秋、学生の徴兵延期措置が撤廃され11月15日仮卒業(実際は休学扱い)。奏楽堂での「出陣学徒出演演奏会」にて「葛の葉の伝説による歌劇『白狐』第二幕白狐「こるは」の独唱」の作品発表を行い、自作数曲をレコード録音して12月入隊。昭和20(1945)年8月21日フィリピン・ルソン島ブンヒヤンにて自決。作品はピアノ独奏曲、歌曲、室内楽におよぶが、楽譜の大半は疎開先の福井で空襲に遭い焼失、『白狐』他数曲が神戸の実家で焼失を免れた。(販売元情報)

【葛原 守】
大正11(1922)年10月22日東京生まれ。府立第五中学校(現都立小石川中等教育学校)で声楽家・寶井眞一に学ぶ。ピアニストを目指し、昭和15年東京音楽学校予科入学。翌年本科器楽部に進む。予科で田中規矩士、本科で豊増昇に師事し、中田喜直とは同期同門であった。中田をはじめ同年入学の声楽部の畑中良輔らと親交を結び、「コン吉」の愛称で呼ばれた。昭和17年11月の第142回報告団演奏会で、フランク『交響的変奏曲』を豊増昇の伴奏で独奏、翌18年9月の卒業演奏会では、ショパン『幻想曲ヘ短調』Op.49 を演奏し、幸田奨学賞を得て繰上げ卒業。童謡作家で教育家の父・葛原 𦱳(しげる)[1886-1961]のもとを多彩な文化人が訪れる環境に育ち、橋本國彦に作曲の指導を受けていた。昭和19年3月応召、フィリピンで罹病し、翌20(1945)年4月12日台北陸軍病院円山臨時分院にて細菌性赤痢のため戦病死。(販売元情報)

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Comprehensive Evaluation

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