指揮者とオーケストラ 音の身ぶりを演出する人びと キーワード事典

キーワード事典編集部

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784896910926
ISBN 10 : 4896910923
フォーマット
出版社
発行年月
1991年10月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
洋泉社 ,  
追加情報
:
21cm,241p

ユーザーレビュー

総合評価

★
★
★
★
★

5.0

★
★
★
★
★
 
1
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0
★
★
★
★
★
たぶんこの本。テンシュテットに関してかな...

投稿日:2017/10/15 (日)

たぶんこの本。テンシュテットに関してかなり突っ込んだ記述があるので興味のある人は見つけたら見てみて。少なくとも愛知県の愛知芸術文化センターのライブラリーにはある。たぶんいまは閉架書庫かな? テンシュテット 実演でこそ真価が発揮される狂気のような情念のうねり 渡辺和彦氏の記述から抜粋 「彼は1979年に、ハンブルクの名門、北ドイツ放送交響楽団のポストを手にいれている。しかしこの超一級のオーケストラとは、ほんの何人かの楽員と折り合いが合わず、パリでの公演のあとでケンカ別れしてしまった。」 「テンシュテットの作り出す音楽は、生演奏とレコーディングとで相当の違いがあるようなので、これらを分けて考える必要がある。と言っても私は、彼の実演を1983年4月に昭和女子大講堂で行われたマーラーの『交響曲第5番』とモーツァルトの『ハフナー交響曲』(第35番)でしか知らないので、あまり大きなことは言えない。ただ、実演での彼は、長身をくねくねと揺らす、やや腰の安定しない指揮姿ながら、会場の聴衆を一種の催眠状態に置いてしまう独特の雰囲気を持っていた。 しかしレコードやCDでは、そうしたものがやや伝わりにくく、ベルリン・フィルとのデビュー盤の『ライン』のように、ともすれば雑に聴こえてしまうものもある。絵の出るビデオやLDでも実演の雰囲気は半分も伝えない。83年の初来日の演奏が後にテレビで放映された時もそうだった。 何が原因なのか。彼の音楽が視覚効果に依存しているわけではない。誤解を招くことを承知で言えば、テンシュテットの実演には、ほとんど狂気に近いような情念の発露があり、それは二次元映像や空気の振動の記録のみに頼る録音では捉え切れないのだ。つい最近彼がベルリン・フィルへ客演した際のマーラーの『第6交響曲』なども、現地からの批評や報告を信用すれば、やはりそのような狂気に満ちたものだったようだ。彼の実演の雰囲気を一番よく伝えている記録は、今のところ1988年12月13日、ロイヤル・フェスティバル・ホールでのマーラー『交響曲第5番』ライブCDだろうか。 ではテンシュテットの録音がつまらないかというとそうでもない。ただ、ちょっと聴き方にコツがあるように思う。彼の実演での雰囲気を少しでも知っている聴き手、想像力で補いながら、あくまでも実演を想定して耳を傾ける音楽ファンにとっては、テンシュテットのレコーディング用の演奏もまた感動を呼ぶ。マーラーの『交響曲第6番』、ブラームスの『ドイツ・レクィエム』、ベートーヴェンの『田園』や「序曲集」、ブルックナーの『第8交響曲』など。 しかし、CDで聴く音楽を、あくまで実演とは隔絶した純粋家庭電気再現音楽として鑑賞する日本的な開き直りの側で捉えるとテンシュテットの録音はやや地味で、強烈な魅力に乏しい。逆に言うと、実演とレコードとを完全に区別して「レコードには純粋にレコードとしての価値がある」という正論をもってしては、テンシュテットの音楽の魅力は感じ取れない。「音だけで音楽の魅力を純粋に伝えるのが一流の音楽家だ」という、いちおうは誰も反論できない説を振りかざすレコード・ファンには、テンシュテットは多くを語りかけないのだ。 実演での彼はテンポの変動が度が外れて大きい。リタルダンドしながら強烈なクレッシェンドをかけたり、テーマの前で大時代的にスローダウンしたりはしばしば。弦にことのほか細かい表情付けを施し、それでいて時には暴発気味のフォルテを要求するから、非力なオーケストラではバラバラになってしまう。音だけの記録では雑に聴こえてしまうのも、当初ベルリン・フィルとは必ずしも折り合いが良くなかったと伝えられるのも仕方がない。」 「複数のオーケストラで聴くテンシュテット」 「しかし、当初は全集になる予定と伝えられていたベルリン・フィルとのブルックナーの交響曲の録音は、81年に『第4番・ロマンティック』を収録しただけで、続く『第8番』(82年)はなぜかオーケストラをロンドン・フィルに変更している。私は当初、テンシュテットは(西)ドイツのオーケストラとはソリが合わないのではないか、と考えていた。ブルックナーの2つのシンフォニーを聴き比べた場合、ランクは明らかに下のはずのロンドン・フィルとの演奏のほうが、ベルリン・フィルとのものより弦の表情がより細かく(ちなみにテンシュテットはヴァイオリニスト出身で、東独ハレのオーケストラのコンサートマスターだったこともある)、そのほかの部分も、雑に聴こえる部分が少ない。むしろ逆に、ていねい過ぎて音楽の流れを堰き止めているくらいだ。仕事をしすぎるとさえ言われるロンドンのオケを指揮して、彼ほど細部まで徹底して指揮者の意思を感じさせる音楽を造るひとは稀だ。」 以上本文から引用 ちなみにテンシュテットの初来日は84年。 初来日ビデオ存在するならマジ見たい!!! 私はテンシュテットが北ドイツ放送交響楽団の首席指揮者に就任した年に生まれ、社会人になって自分で稼げるようになってから音楽を聞き出したのでテンシュテットが活躍していた時代のことはさっぱりわからない。(つまりテンシュテットが亡くなる直前くらいから音楽を聴きだした。) テンシュテットの時代を知っている人が本当に羨ましい!!わたしと同じような人も居ると思うから参考になれば・・。 そうだ!だれかテンシュテットのファンブックを作ってくれ!(願望)

ニトロプレス さん | 愛知県 | 不明

0

アート・エンタメ に関連する商品情報

おすすめの商品