キャロリン・a・デイ

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ヴィクトリア朝 病が変えた美と歴史 肺結核がもたらした美、文学、ファッション

キャロリン・a・デイ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784562059027
ISBN 10 : 4562059028
フォーマット
出版社
発行年月
2021年02月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
259p;22

内容詳細

19世紀に大流行した不治の病―肺結核はいかに美や死の観念を変えたのか。病症を真似る有害なファッション、病を美化する新しい文学―「疫病と文化」の矛盾に満ちた関係を豊富な図版とともに解説。

目次 : 第1章 病気へのアプローチ/ 第2章 肺病の興味深い症例―家族の問題/ 第3章 興奮が招く肺病―病気の原因と文化/ 第4章 道徳、死亡率、理想化された死/ 第5章 家庭のなかにいる死の天使/ 第6章 悲劇と結核―シドンズ家の物語/ 第7章 死んでも美しくありたい―おしゃれな肺病患者/ 第8章 自尊心の苦悩―衣装と肺病/ エピローグ―おしゃれな肺病患者の終焉

【著者紹介】
キャロリン・A.デイ : アメリカ、サウスカロライナ州にあるファーマン大学の歴史学准教授。ルイジアナ州立大学で歴史学の学士号と微生物学の学士号、ケンブリッジ大学で歴史学と科学・医学史、哲学の修士号、テュレーン大学で英国史の博士号を取得。初の著書となる『ヴィクトリア朝 病が変えた美と歴史』では歴史、医学、病の分野が重なるテーマにスポットを当てた

桐谷知未 : 東京都出身。南イリノイ大学ジャーナリズム学科卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • rinakko さん

    “十八世紀後半から十九世紀初頭にかけて、美しさをめぐる文化的な考えかたが結核という病気と組み合わさった結果、その病気の猛威は美しい光で飾り立てられた。” “つまり、結核は女性にとってよい病気、美の理想やファッションで手本とされる病気と解釈された。(略)たとえ反証があっても、結核は比較的苦しみが少なく美しい死にかたとして描かれた。” “肺病に苦しむ女性たちはますます、その繊細な(ほとんど現実離れした)美しさで賛美されるようになり、それは青白い顔、ほっそりした体、透明感を特徴としていた。”

  • ののまる さん

    うっひょ。19世紀中頃、肺病(結核)が女性美となり瘠せて透き通るような白い肌、微熱の赤い頬、瞳孔の広がった潤んだ瞳になるために、有害な化粧品や目薬を使い、細すぎるコルセットをつけて美を追究した結果、本当の肺病になる。日本の佳人薄命の意識もこういうことなのかなあ。

  •  本の紙魚 さん

    モンゴメリ「アンの愛情」には幼馴染ルビー・ギリスの奔馬性肺結核による死が描かれている。そして若い死によって彼女が「俗っぽい美しさが清らかさを得た」こと、信仰に基づいた高い精神生活の必要性を説いている。かよわく「美しい」見た目への人々の偏愛に、結核のはかないイメージと女性らしさの理想。それらがからみあっていたことが本書を読みながら確認できた。「佳人薄命」は現在でも美人のイメージに含まれているし色黒「健康優良児」や太った中年女性はしばしば女性美から離れたものとして揶揄される。歪んだ美人像は過去のものではない。

  • Go Extreme さん

    結核の解釈 社会的状況 結核の学究的な解釈 病気へのアプローチ:結核の死亡率 病気への病理解剖学的アプローチ 肺病の興味深い症例―家族の問題:接触伝染 体質 治療より緩和を 興奮が招く肺病―病気の原因と文化:個人の環境・ステータスシンボル 神経症の結核 肺病の文明化 道徳、死亡率、理想化された死:肺病らしいふるまい ロマン化 病気と知性 家庭のなかにいる死の天使:感傷的 感受性 悲劇と結核―シドンズ家の物語 死んでも美しくありたい―おしゃれな肺 病患者 自尊心の苦悩―衣装と肺病 おしゃれな肺病患者の終焉

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