カルロ・ギンズブルグ

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政治的イコノグラフィーについて

カルロ・ギンズブルグ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784622088158
ISBN 10 : 4622088150
フォーマット
出版社
発行年月
2019年06月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
255p;20

内容詳細

インターネット、CM、商品パッケージ…私たちはイメージ(図像)に取り巻かれ、その多種多様な誘惑に日々、屈服している。本書はイメージの発揮する政治的効果をめぐる論考5本を収める。イメージには権力を発揮する仕掛けが隠されている。神聖さを利用する世俗画、戦争ポスター、“ゲルニカ”。政治の言語とイメージの嘘を明かす図像学的実験。

目次 : 第1試論 記憶と距離―金めっきされた銀杯(アントワープ、一五三〇年頃)について/ 第2試論 今日ホッブズを読み返す/ 第3試論 ダヴィッド、マラー―芸術・政治・宗教/ 第4試論 「祖国はきみを必要としている」/ 第5試論 剣と電球―“ゲルニカ”読解のために

【著者紹介】
カルロ・ギンズブルグ : 歴史家。1939年、イタリアのトリーノに生まれる。ピサ高等師範学校専修課程修了。ボローニャ大学・近世史講座教授、カリフォルニア大学ロスアンジェルス校教授を経てピサ高等師範学校教授

上村忠男 : 1941年兵庫県尼崎市に生まれる。東京大学大学院社会学研究科(国際関係論)修士課程修了。東京外国語大学名誉教授。学問論・思想史専攻。著書、訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • roughfractus02 さん

    ホッブズ『リヴァイアサン』扉絵にある嘴型マスクを被る医師は、彼が訳したトゥキュディデス『戦史』でペスト禍にあるギリシャの混乱を思わせ、この大著の恐怖のモチーフを疫病の蔓延に結びつける。ヴァールブルクが「情念定型」と呼んだ時空を超える形態の類似性を歴史に見出す著者は、文字を所有し歴史を独占する権力主体にヒビを入れ、時間直線に縛られた因果性を解放する。英国陸軍のポスターにシスティーナ礼拝堂天井画の一部を二重写しし、ピカソ「ゲルニカ」に様々な過去の図像の混入を見出す本書は、歴史に対する政治的態度を表明している。

  • なおこっか さん

    中井久夫先生の著書に時折その名が記されるカルロ・ギンズブルグ氏の著書、いよいよ読んでみたくなった。彼はナタリア・ギンズブルグの息子。絵画、ポスター等の政治的影響を語る5篇。ホッブス『リヴァイアサン』扉絵の人々が恐怖故に統治者を求める様、ぞくりと寒気。第一次世界大戦時の英国の兵士募集ポスターは、特定個人に訴えかけるように人物が指をさし、見る人と目が合う構図で、商品広告でも同じモチーフが頻出する。ジョージ・オーウェルが『一九八四年』の冒頭で描写したポスターが正にこれである。表紙のマラーはコルデーに殺された人。

  • takao さん

    ふむ

  • 渡邊利道 さん

    政治的な図象がいかなる文脈を背負って描かれたかをいくつかの作品を歴史的に分析した五つの試論で構成した本。鍵となるのはヴァールブルグ「パトスフォルメル(情念類型)という概念で、1530年頃の金杯、ホッブズ『リヴァイアサン』扉図版、ダヴィッド「マラーの死』、英国他の「君を必要としている」という兵隊募集のポスター、ピカソの『ゲルニカ』を分析する。どれも短くてあまり複雑な論理構成になっていないので読みやすいぶんちょっと軽くも感じたがまあまあ面白かった。こういうことを考えるときの基礎的な備えというものを感じた。

  • 良羽 さん

    いうまでもなく『リヴァイアサン』は恐怖のもとで人は契約を為し国家を打ち立てると主張した本だ。ホッブズはこの「恐怖」をどこから取ってきたか、というのが本書第二論考の眼目である。ホッブズはトゥキュディデスを翻訳した経験があり、『戦史』にはアテナイで蔓延していたペストについての文言がある。ペストによって道徳観念まで失ってしまったアテナイの市民にとっては、「神々にたいする恐怖も人間の掟ももはや拘束力を失っていた」。

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