Books

誕生日

カルロス・フエンテス

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784861824036
ISBN 10 : 4861824036
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2012
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

過去でありながら、未来でもある混沌の現在―螺旋状の時間。家であり、町であり、一つの世界である場所―流転する空間。自分自身であり、同時に他の誰もである存在―互換しうる私。目眩めく迷宮の小説。『アウラ』をも凌駕する、メキシコの文豪による神妙の傑作。

【著者紹介】
カルロス・フエンテス : 1928年メキシコ生まれ。ラテンアメリカ文学を代表する小説家であり、批評家。2012年5月15日逝去

八重樫克彦 : 1968年岩手県生まれ。ラテン音楽との出会いをきっかけに、長年、中南米やスペインで暮らし、語学・音楽・文学などを学ぶ。現在は翻訳業に従事

八重樫由貴子 : 1967年奈良県生まれ。横浜国立大学教育学部卒。12年間の教員生活を経て、夫・克彦とともに翻訳業に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • syaori

    厚いカーテンで仕切られた迷宮をさまよっているよう。壁に囲まれた、闇に沈んだような家で見たものは何だったのでしょう。少年(=男・老人)と女と男、三位一体の彼らと、女の語る断片的な過去、老人の口から漏れる真理。彼らを通して垣間見たように思う矛盾した世界の秘密、転生しない魂の有限性と「魂によってとこしえに繰り返され、受け継がれていく」世界の永遠性。あの場所はこの矛盾を「共存」させる、メビウスの輪のねじれた部分だったのか?最後は再び回りだす輪の上で、迷宮のなかを波紋のように漂い広がってゆく魅惑的な謎を思うばかり。

  • えか

    全く定点というものを持たない小説である。場所も時間も人物も特に説明もなく、目まぐるしく変化してしまう。(註釈)では難解なだけなのかというとそうでもなく、もちろんヒントはある。冒頭の“時間が患うのは具現への渇望”というメキシコの詩人オクタビオ・パスの詩から取った言葉がそれである。つまり患っていた時間が眼前に具現化したら、こうなるのであろうという思考実験がこの作品の趣旨なのであろう。巻末の40ページにのぼる解説は、この本に限っては先に読むことをオススメする。つまり誕生日とは、具現化した時間の誕生日なのである。

  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    小賢しい子供と望まれない誕生日、相手に動物あるいは道具のように扱われるセックス、子供を産むということへの嫌悪、・・・・で伏せられたと思わしき記述と時間軸と回想と現実が入り混じる構成によって導かれたのは前世の追体験や現世での反復によって閉じられてしまった円環的世界。そこでは立場が逆転し、全てを把握しているのが子供と女という不気味さがタイトルと相まって一層に際立っています。

  • 長谷川透

    解説には時間と空間の揺らぎばかり言及されているが、それらは2次的なものに過ぎないと思う。この小説の中で揺らぐのは語り手の「わたし」であり、その存在である。時間と空間の絶対的な尺が、この小説の中で存在しない。だから、揺らぐ視点から眺める時空は、次第にそれが本来備えている秩序を失っていく。『誕生日』という何ともほのぼのとした題名であるが、内容は説明し難く非常に難解だ。秩序を失ったこの小説の時空の中で終始翻弄される始末だった。語り手(視点)に続き、読者の視点まで揺らぐものだからこの小説は本当に掴みどころがない。

  • けいと

    幻想小説家と思いきや哲学的、宗教的な一冊。この世と自分、老いゆくのは自分のほうだけ「だから人は自分の魂を哀れんでくれる神々という存在を創り出したのだろう」誕生と死という圧倒的に孤独な体験。 そういえば娘を出産したその日の夜、人は死ぬんだなと強く感じたことを思い出した。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items