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ウクライナから愛をこめて

オリガ・ホメンコ

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784903619446
ISBN 10 : 4903619443
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2014
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

ウクライナの首都キエフに生まれ、チェルノブィリ原発事故の記憶が深く心に刻まれた子供時代をすごし、日本の大学で学んだ女性がいま、忘れられない人々の思い出と故郷の魅力を日本語でつづったエッセイ。ひまわりの国と桜の国を結ぶ言葉の架け橋。

目次 : 何もない村/ ひいおじいさんの土地/ マリーナおばさんの恋/ おばあちゃんの優しさ/ ニューラおばさん/ エレーナの指輪/ 散歩で感じるキエフの歴史/ 子守唄を集める女性/ 聖像画を集める女医/ サッカーはお国自慢/ 週末は畑仕事/ 夢をもらう/ 白パンと夢/ トーリャは空を飛んだ/ 私の好きな服/ 出逢い/ チェルノブイリの記憶

【著者紹介】
オリガ・ホメンコ : キエフ生まれ。キエフ国立大学文学部卒業、東京大学大学院地域文化研究科で博士号取得。現在はキエフの大学で日本史を教えながら、作家、フリージャーナリスト、通訳として活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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ウクライナ出身の女性が日本語で書いたエッ...

投稿日:2021/04/10 (土)

ウクライナ出身の女性が日本語で書いたエッセイ集です。 (外国語で書かれたものが日本語に翻訳されたのではなく、最初から日本語で書かれました。) 著者のホメンコさんは、ウクライナはキエフに生まれ、キエフ国立大学を経て東大に留学し、その後母国で教鞭をとっている人です。 本書には、彼女が出会った人々のそれぞれの人生の話が収められています。 若くして結婚した夫と引き離された挙句炭鉱で強制労働をさせられ、人生も終盤になってから、実は夫は生きていたと知った女性(『マリーナおばさんの恋』)。 炭鉱夫として働いたのち苦学して医師になった、著者の友人の父(『夢をもらう』)。 中でも私の胸に最も強く響いたのは、『ニューラおばさん』という一編です。ニューラは著者が子どもの頃隣に住んでいた女性。何かの集まりがあると、彼女はいつもアルセーニイという男性と一緒に来ていました。 子どもの頃の著者は、二人が結婚していないことを不思議に思っていましたが、大きくなってからその訳を知ります。 二人は共にユダヤ系で、幼馴染でした。 第二次世界大戦が起きると、アルセーニイは軍隊に入ります。 戦後、除隊してキエフに戻ったところ、ニューラの家があったところは爆撃の跡だけになっていました。 実はニューラ一家は避難していたのですが、アルセーニイはそのことを知りませんでした。 ニューラを失ったと思い込んだアルセーニイが十五歳年上の女性と結婚して一年が過ぎた頃、シベリアに逃れていたニューラ一家が戻ってきました。 既にアルセーニイには双子の子どもも生まれていました。 アルセーニイは家族と別れてニューラと一緒になろうと考えましたが、ニューラは「あなたの家族を壊してはいけない」と踏みとどまらせます。 事情を知っているアルセーニイの奥さんは、二人がパーティーへ一緒に出席したり、ニューラの家のメンテナンスをしてあげたりすることを受け入れていました。 そして…? 続きは是非本書を手に取って読んでみてください。。 シンプルな言葉で書かれた、激動の時代の波にもまれながら真摯に生きる人々の思いに胸がジンとします。とっておきの一冊です。

苺 さん | 不明 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • kaoru

    母が住むチェルノブイリの近くの村に通い白血病で亡くなったワレンティナ。赤軍に両親を殺され、恋に落ちた相手アレクセイとの結婚を反対された88歳のマリーナ。70歳を過ぎてもウクライナ語を教え続ける著者の母。ウクライナ語の子守歌を集めるアナスターシア。イコンを集める女医オリガ。どの話にもウクライナの厳しい歴史とそこで毅然と生きる人々が描かれている。キエフの歴史と美しい建物の説明が素晴らしい。最後の『チェルノブイリの記憶』は福島原発の事故を契機に書かれたものだが胸が詰る内容だった。素朴で自国を大切に思う人々が→

  • 燃えつきた棒

    この薄っぺらな小さなエッセイ集を読むのが、なぜこんなにも大変なのだろう。 そこには、小さな人々の無名の人生が書かれているだけなのに。 活字が小さい訳でも、注がたくさんある訳でもないのに、なぜか涙が止まらない。 オリガ・ホメンコは、『ウクライナ短編集』を僕たちのもとに届けてくれた人だ。 もしも、この世界が美しいとすれば、それは大国の権勢が天にも届くほどだからではないだろう。 きっとそれは、数多の小国が色とりどりにそれぞれの輝きを発しているからだろう。/

  • Y2K☮

    何となく開いたら惹き込まれて再読。ウクライナ人の著者が日本語で書いたエッセイというだけでも一読の価値あり。戦争と革命とチェルノブイリに引き裂かれた家族や恋人たちの史実が切ない。ただ静かでささやかな幸せを守りたかっただけなのに。レディオヘッドの名曲「ノーサプライゼス」をふと口遊む。福島との関連性も含めてウクライナの歴史や国民性から学べる事が大いにある。ちなみに私が同国の名から真っ先に連想する人は「ペンギンの憂鬱」のアンドレイ・クルコフ。あれも又読みたい。著者が出版した「現代ウクライナ短編集」も好きな本です。

  • かもめ通信

    ウクライナの出身で、キエフ国立大学の文学部で日本語を学び日本に留学、東京大学で博士号を取得し、現在は首都キエフの大学で日本史を教えながら、作家、フリージャーナリスト、通訳と幅広く活躍しているという著者が、キエフの街並みなどの異国情緒溢れるかわいらしいスケッチを盛り込みながら、日本語で綴ったエッセー集。負の遺産や故郷が抱えている困難からも目をそらさずに、故郷への愛をたっぷりと語りあげる。(いつの日かこの本を片手にキエフの道を歩いてみたい。)そんな風に思わせる素敵な本だった。

  • Y2K☮

    日本の大学院で学んだウクライナ人の著者が日本語で書いたエッセイ。違和感ゼロなのが凄い。チェルノブイリや戦争、革命に振り回された人々のエピソードが所縁の地と共に語られる。切ない話が多いが著者の前向きさ故の明るさに救われる。少し前まではウクライナ語よりもロシア語の方がカッコいいという風潮がウクライナの子供達にあったという件に日本人の舶来コンプレックスと近いものを感じた。「がんばらなくてもいいからさ、具体的に動くことだね」著者が紹介している相田みつを氏の言葉。明日を信じて少しずつ前に進もう。難しい事は何も無い。

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