オノレ・ド・バルザック

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バルザック「人間喜劇」セレクション 第11巻

オノレ・ド・バルザック

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784894342415
ISBN 10 : 4894342413
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2001
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

バルザック最晩年の最高傑作。巻末付録に訳者と松浦寿輝の対談を収録。美貌のアドリーヌを妻にもちながら放蕩を続けるユロ男爵。醜いが故にアドリーヌの日陰となり、ユロ家への復讐を誓う従妹ベット…。

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ケイ

    下巻を残すが、今まで読んだバルザックの中で一番夢中になって読んでいる。狡い者、小賢しい者たちはたくさんいるが、地の底から手を出して他人を食い尽くそうとするような輩が今のところは見受けられないからかな。ユロ婦人は善人に区分けされる? 私はしたくない。こういう人が愚かな夫をさらにバカにする。従妹ベットについては、気の毒かどうなのかは決めかねる。「偉大な芸術家なら、今どき称号のない王侯だよ。名誉と金があるからね」「パリでは、しばしば、いもしない美人に向けられた微笑みを通りがかりの誰かがもらったりすることがある」

  • syaori

    ベットはユロ男爵夫人の従妹。男爵家は世評高い男爵に、夫を敬う美貌の妻、将来を嘱望される息子に美しい娘という表向きは立派な家庭ですが、内実は男爵の女遊びで家計は逼迫、娘の持参金にも事欠くほど。そこで娘が、ベットが恋人とも思って世話していた青年に興味を持ったことから物語が展開します。叔母から奪った将来有望な無一文の男との恋愛結婚という、持参金が軽減される幸福で打算的な結婚を父も母も祝福しますが、ベットは一家への復讐を決意。密かに男爵の愛人と組んで金を巻き上げ、高利貸への借金による一家の窮状が語られて次巻へ。

  • syota

    恨みとひがみ、劣等感で凝り固まった醜女ベットからは、こうした女の恐ろしさがひしひしと伝わってくる。基本的にはネクラな話だが、美貌と色香で男を操る妖婦ヴァレリーが登場してベットと手を組むあたりから、場面は華やかに、艶っぽくなっていく。まるで廓の売れっ子太夫と遣り手婆のような二人の手腕には、舌を巻くばかり。反面、年甲斐もなく女に入れ込み、いいようにあしらわれるユロ男爵の姿は、滑稽でもあり哀れでもある。世界を動かすのは男だが、男を動かすのは女、という昔読んだ言葉を思い出してしまった。[G1000]

  • みつ

    バルザックには珍しくいきなり物語の渦中に放り込まれる。男たちは好色(ユロ男爵、クルヴェル)でなければ優柔不断(亡命貴族の彫刻家ヴァンセスラス)。女たちの中では、ユロ夫人を憎み続ける従妹のベットと冴えない役人に嫁いだ生来の「ファム・ファタル」ヴァレリー(鹿島茂氏が『悪女入門』で取り上げたひとり)が、ずば抜けて強烈なキャラクター。このふたりが奸計を巡らせて、男たちとその家族を破滅に向かわせようとするまでが上巻。男たちは翻弄され、ユロ家の夫人と娘も簡単に騙せそう。ふたりの協調はこのまま続くのか?・・で下巻へ。

  • ラウリスタ〜

    登場人物が多すぎて(そして一々説明するから)読むのがしんどいが、途中から流れに乗れる。ユロ男爵に嫁いだ田舎の美女アドリーヌ、その従妹のオールドミスという「脇役」がタイトルになっている。男爵家の娘オルタンスがこの従妹ベットの恋人を奪って結婚、ベットはあらゆるものを持ちながらも自分の唯一の愛人までも奪った男爵家への復讐を始める。ただこの物語、ユロ男爵、クルヴェル(元香水商人、ブサイクで金持ち)マルネフ夫人(貞淑ぶって男を破滅させる高級娼婦)など、いろんな主人公級の奴らがいて、複数の欲望がぶつかり合い複雑怪奇。

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