エリック・ウイリアムズ

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資本主義と奴隷制 ちくま学芸文庫

エリック・ウイリアムズ

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480099921
ISBN 10 : 4480099921
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

産業革命は勤勉と禁欲と合理主義の精神などではなく、黒人奴隷の血と汗がもたらしたことを告発した歴史的名著。待望の中山毅訳を文庫化。解説 川北稔

【著者紹介】
エリック・ウィリアムズ : 1911‐81年。歴史家、トリニダード・トバゴ共和国初代首相。産業革命をカリブ海域から見るという歴史学の大転換となる研究に取り組んだ。ウィリアムズの研究が、のちの従属理論や世界システム論を導くことになる

中山毅 : 1930年生まれ。元北海道大学教授。専門は18世紀の百科全書派研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • skunk_c

    祝文庫化なので1978年版の感想を転載。第2次世界大戦中、つまりまだアジア・アフリカの植民地が解放される前に、その解放を歴史的必然として見通す本書は、後にトリニダード・トバゴの大統領となる著者のの慧眼をよく示している。主にイギリスを例に、カリブ海諸島の奴隷制と砂糖貿易の独占が、重商主義下で商業資本の発達から産業資本を準備し、そしてその産業資本による産業革命と、植民地アメリカの独立が重商主義を破壊する様を克明に描いており、世界システム論に繋がる深遠な視座をもつ、非白人によってなされた奴隷制史の古典的名著だ。

  • きゃれら

    大英帝国の隆盛、産業革命、資本主義の勃興は、奴隷貿易と奴隷制があってこそのものだったのを実証的に語る本。現代の私達には決して読みやすくないが、我慢して読む価値がある。読みにくさは、著者の当時の敵に向けて具体例を当時よく知られた人名をたくさん入れて実証的に書いたからで、そこはマルクス「資本論」と似てる。大好きな英国文学にこうした背景がチラリと出てきてもそんなに強く意識していなかったが、これからは変わらざるえない。「ジェイン・エア」もしくは「サルガッソーの広い海」を、この本のことを思い出しながら再読したい。

  • ゲオルギオ・ハーン

    イギリスの資本主義の発展は資本の内部蓄積があったからだとかピューリタンの価値観があったからだとかという見解があるそうですが、著者のウイリアムズ先生はそうではなく奴隷制と三角貿易により驚異的な経済成長を遂げたからこそ発展したと鋭い指摘をしております。裏付けも統計資料を用意し、当時の世論や政財界の人々の発言、法律の制定による関税や規制の変化もとりあげるなど総合的な視点も忘れていません。どうしてイギリスは世界に先駆けて工業化と経済発展が出来たかという疑問に対する非常に有力な答えのひとつだと思いました。

  • Ex libris 毒餃子

    『砂糖の世界史』から。白人、インディアン、黒人関係なく奴隷労働に従事したが、安価で頑丈だったのが黒人だったため奴隷制が黒人中心となる。プランテーション経営は黒人奴隷による労働が中心となり、イギリスの三角貿易を支える。このとき中心となった農作物は砂糖であった。 「世界システム理論」の先駆けとなっただけあって圧倒的読み応え。

  • nagoyan

    優。広く読まれるべき本。重商主義の下、カリブ海島嶼砂糖植民地の繁栄を可能にしたものは、奴隷貿易と奴隷制であった。その利益の蓄積が、英本国において産業資本主義の所業資本主義に対する優越を来たし、それが反独占=自由主義の台頭となって、砂糖植民地における奴隷貿易、そして奴隷制の崩壊へと繋がっていく。その筆致は、あくまで、客観的である(反奴隷貿易、反奴隷制論者たちの限界、より正確に言えば欺瞞も静かに告発する)。プランターたちの恥知らずさは救いがたい。しかし、本書の希望は奴隷たちの戦いを記した12章と思いたい。

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