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ISBN 10 : 4864883335
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戦場、野戦病院、兵舎、総司令部などにおける「現実」を直視し、戦時下の軍人や女たちの生を鮮明に描き出すことによって、戦争美化の言説に抗議の声をあげる―ゾラ、モーパッサン、ユイスマンスら6人のフランス自然主義作家が普仏戦争を記録、諷刺した短編小説集。本邦初完訳。
【著者紹介】
エミール・ゾラ : 1840年、パリ生まれ。書店勤務のかたわら執筆を行い、『テレーズ・ラカン』(一八六七)などを発表。科学と合理主義に基づく姿勢を「自然主義」と呼び、運動を主導した。『ルーゴン=マッカール叢書』を構想し、『居酒屋』(1877)、『ナナ』(1880)で成功を収める。晩年にドレフュス事件に介入し、アルフレッド・ドレフュス復権に貢献した
ギ・ド・モーパッサン : 1850年、ノルマンディー地方のトゥールヴィル=シュル=アルクに生まれる。役所に勤めながらフローベールの指導のもとに研鑽を積み、1880年に短編「脂肪の塊」で成功を収める。以後、勢力的に活動して多数の中短編を発表、農民や小市民の生態を諷刺的に描いた
ジョリス=カルル・ユイスマンス : 1848年、パリ生まれ。ボードレールの影響の濃い散文詩集『薬味箱』発表ののち、ゾラの自然主義に傾倒。『マルト』(1876)、『流れのままに』(1882)などを発表する。デカダンスの美学を謳う『さかしま』(1884)で転機を迎え、以後、自然主義から離反してゆく。『彼方』(1891)、『出発』(1895)、『大伽藍』(1898)などにおいて神秘主義や回心のテーマを追求し、自身もカトリックに転向した。絵画批評にも秀で、『現代芸術』(1883)、『ある者たち』(1889)などの評論がある
アンリ・セアール : 1815年、ベルシーに生まれる。ゾラに感銘を受けて親交を結んだ。『メダンの夕べ』(1880)参加ののち、自然主義の理念を追求した『美しい一日』(1881)を発表。小説家としては寡作なー方、ジャーナリストとして活動し、演劇にも関心を寄せた。戯曲に『諦めた隣人たち』(1889)など。1906年に長編『海辺の売地』を発表。1918年よりアカデミー・ゴンクール会員
レオン・エニック : 1850年、グアドループのバス=テールに誕生。ゾラを敬愛し、『献身的な女』(1878)、『エベール氏の災難」』(1884)などの自然主義小説を発表。のちに『プフ』(1887)、『ある性格』(1889)でより自由な作風を見せた。戯曲に『エステル・ブランデス』(1887)、『アンギャン公の死』(1888)。1990年よりアカデミー・ゴンクール会員(07−12年に会長)
ポール・アレクシ : 1848年、アン=プロヴァンス生まれ。文学を志してパリに上京、以後、ゾラの親友として自然主義の普及に努める。短編集に『リュシー・ペルグランの最期』(1880)、『愛への欲求』(1885)など、長編に『ムリヨ夫人』(1890)。ジャーナリストとして精力的に活動し、多数の新聞・雑誌に寄稿したほか、アントワーヌの「自由劇場」立ち上げに貢献した
足立和彦 : 1976年、京都府生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位修得退学、パリ第四大学博士課程修了。現在、名城大学法学部教授。専門はフランス十九世紀文学、とくにモーパッサン
安達孝信 : 1990年、石川県生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位修得退学、パリ第三大学博士課程修了。現在、名城大学外国語学部准教授。専門はフランス十九世紀文学、とくにゾラ、ユイスマンス(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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