エドモンド・ドゥ・ヴァール

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琥珀の眼の兎

エドモンド・ドゥ・ヴァール

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784152092526
ISBN 10 : 4152092521
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2011
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

文明開化の横浜からヨーロッパに輸出された200あまりの根付は、大富豪一族の盛衰とナチスの勃興を目撃する。数奇な旅路を経て、根付は帰日を果たすが…。全英No.1歴史ノンフィクション。

【著者紹介】
エドマンド・ドゥ・ヴァール : 陶芸家。大英帝国勲章受章。ウェストミンスター大学教授。1964年、英国ノッティンガム生まれ。五歳より陶芸をはじめ、バーナード・リーチの弟子の工房で学ぶ。ケンブリッジ大学トリニティ・ホール・コレッジで英文学の学位を優等で取得後、陶芸家としての道を歩み始める。1991年には大和英日基金を得て来日して、陶芸と日本語を学ぶ。1993年に帰国後はロンドンに拠点を構え、アングロ・オリエンタルスタイルの作品を数々発表

佐々田雅子 : 立教大学文学部英米文学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 星落秋風五丈原

    「わたしには、今は失われた一世紀前の富や栄華を懐古する資格はない。それに、わたしははかないものには興味がない。わたしは指の間で弄んでいるこの木の物体―堅牢で巧緻な日本製の物―とその行方の間にどんな関係があったかを知りたいのだ。」そうは言っても大叔父から譲られた264の根付の来歴を追ってパリ、ウィーン、東京を巡った旅は、すなわち、富や栄華を謳歌した一族の、そして、根付の代々の持ち主の儚い歴史を辿る旅にもなっている。奇跡的に根付が全て持ち主の手に渡った事実も、その経緯も「小説より奇」。

  • はやしま

    ある一族の壮大な流転を描いた作品であり19世紀後半〜20世紀前半の欧州史・文化史とも取れる作品。一時はロスチャイルドと並び称され、ルノアールの絵やプルーストの小説にその姿を残し、かつて暮らした屋敷が今もパリやウィーンの一等地に残るエフルッシ一族。しかしナチスの台頭によりその栄華も財産も奪われていく。一族の苦難の歴史の陰で、まるでアンネの日記のような運命を経て日本にたどり着いた根付の運命の数奇さにまさに事実は小説よりも奇なりと震えた。WWII時のウィーンのユダヤ人の苦難を知ることができたのも収穫だった。

  • himehikage

    陶芸家として有名な著者が、大叔父から日本の根付コレクションを遺産として受け取ったところから始まる、根付が旅してきた道をたどるノンフィクション。語られるのはユダヤの大富豪一族の興隆と没落だ。オデッサにて19世紀に穀物輸出で財をなし、ロスチャイルドに倣うように欧州各地に進出。まずは根付を入手した祖先が、ジャポニズム吹き荒れるパリで美術愛好家としてその中心にいた有名な人物であったことに驚く。しかし、やがて一族の本拠地ウィーンにてナチスのオーストリア併合により富のほとんどを奪取される。なぜ根付は無事だったのか…。

  • かんやん

    ロスチャイルドとも並び称されるようなユダヤの大富豪エフルッシ家(ヨーゼフ・ロートの小説にも登場する)。その末裔である陶芸家の著者が相続した根付の来歴を辿る。ジャポニズムに沸き返るベルエポックのパリからウィーンを経て、敗戦後の東京へ。最初の所有者は印象派のパトロンであり、プルーストの「失われた時」のスワンのモデルでもある。夢のような豪奢。しかし、ドレフュス事件、第1次世界大戦、ナチスドイツによるオーストリア併合と、次々と寄せる歴史の荒波に呑まれてゆく。憎まれ、略奪され、追放され、殺され・・・

  • ワッピー

    根付というキーワードで手に取ったけれども、主人公は19世紀半ばから頭角を現してきたエフルッシ家とウィーンの文化史。貿易を通じて富を築いた一族に迫る暗く重い時代の足音。ファシズムの台頭、ユダヤ人迫害、そして戦後へ・・ヨーゼフ・ロートの作品世界とも共通するオーストリア・ハンガリー二重帝国の終焉の描写に魅せられました。根付のコレクションが日本に来るうえで「アナ」の働きには感謝しても感謝しきれないですね。

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