ウラジーミル・ナボコフ

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絶望 光文社文庫

ウラジーミル・ナボコフ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784334752798
ISBN 10 : 4334752799
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2013
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

ベルリン存在のビジネスマンのゲルマンは、プラハ出張の際、自分と“瓜二つ”の浮浪者を偶然発見する。そしてこの男を身代わりにした保険金殺人を企てるのだが…。“完全犯罪”を狙った主人公がみずからの行動を小説にまとめ上げるという形で書かれたナボコフ初期の傑作!

【著者紹介】
ウラジーミル・ナボコフ : 1899‐1977。ロシア出身の多言語作家。サンクト=ペテルブルクの貴族の家庭に生まれる。1919年、革命を避けて出国。’20年代から、ベルリンやパリのロシア語新聞、雑誌に「シーリン」の筆名で作品を寄稿し始め、短編から中編、長編と数多くの作品を刊行し、またフランス語、英語での創作にも手を染めた。’37年、ナチス支配のドイツを逃れ、フランスに移住。’40年にはアメリカに移住した。英語で執筆され、’58年にアメリカで刊行した『ロリータ』は大きな話題となり世界的名声を獲得した

貝沢哉 : ロシア文学者。早稲田大学文学学術院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 優希

    面白かったです。ナボコフ初期の作品であり、小説が小説を書くという設定が単なるサスペンス小説という構造を全く変えているのが興味深いところでした。プラハで出会った自分と瓜二つの浮浪者に出会い、保険金殺人という完全犯罪を狙うゲルマン。自分の行動を小説にまとめあげようとしていく中で様々な出来事が逆転していくことで陥る「絶望」。あらゆること全てがゲルマン自身に返ってしまうのは自業自得であり、爽快にすら思えました。自らの特権が剥奪され、最後は晒し者になるのは圧巻。盲目的だからこその楽しみがある作品です。

  • やいっち

    この数年ナボコフファンになりつつある我輩、初期の作品である本作はナボコフらしさが如実で面白かった。ありもしない、且つなくもない物語を語り口一つで創出する作家の騙り部性を凄いと思った。「ロリータ」…そろそろ三度目の再読必至だな。

  • 市太郎

    ナボコフのメタフィクションな一品。この小説は自分と瓜二つの浮浪者を見つけた手記の語り手が完全犯罪をもくろみ不当に保険金を受け取ろうとする話だ。そのストーリーだけでも犯罪・ミステリ小説として面白いが、ナボコフはお茶目な作家でプロット自体をまさに言葉で表現する場でしか為し得ない芸術的な小説に作り上げてしまう。その小説という分野に対する姿勢によってドストエフスキィなどともまた違ったプロの味を十二分に堪能させてくれるのである。「ロリータ」より分かり易く、長さも適当で手に取りやすい。しかし再読したいと思わせる魅力。

  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    自分とよく似た男を見つけた主人公は男を自分の身代りに殺し、保険金を搾取しようと完全犯罪を目論む。完全犯罪は上手くいったかのように思えたのだが、とある運命のどんでん返しによって目論みは脆くも崩れ去る。一見、『曲がった蝶番』の逆バージョンとも読める馬鹿ミスのように見えます。しかし、ありのままに手記を書くにつれて主人公が殺した相手と自己を同一化していき、混乱していく場面は中々、興味深いです。そして本当は似ていないのに一見、保険金詐欺が上手くいったように見せかけるのも、妻とのテンションの高い会話もギャグですね^^

  • ころこ

    話中和の話者の認識と客観的な事実にズレがあるという『ロリータ』で用いられた手法が初期作品でも使われているのが最大の発見だ。何気ない表現に注意を払って読むと、フラグの回収がそれとなくあるのを典型にしようとしていて、ミステリーのパロディになっている。自分と瓜二つの人物が似ていない、ということの代わりに妻の浮気が仄めかされている。こんな思い込みの激しく、察しの悪いヤツが良い小説を書けるわけは無いのだが、その察しの悪さのおかげで最後のオチが効果的だ。社会の全てがつくりものだというのを社会主義圏の作家は書きたがる。

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