ウストヴォリスカヤ独自の世界を、
若き俊英バリシェフスキーが芸術的に再現
ガリーナ・ウストヴォリスカヤはショスタコーヴィチ門下の女性作曲家。旧ソ連にありながら、調性も小節線も持たない前衛的な作風を展開させた異色の存在でした。ウストヴォリスカヤは生涯に6篇のピアノ・ソナタを作曲しましたが、いずれも個性的。第1番はショスタコーヴィチに師事している時期の作。師の影響を感じさせます。第5番と第6番は後期の作で、どちらも狭い音程のトーンクラスターに終始し、鐘の音を思わせます。「20世紀末のムソルグスキー」ともいうべき作風が興味津々です。
アントニー・バリシェフスキーは1988年生まれのウクライナのピアニスト。生地で学んだ後、パリのエコール・ノルマルで研鑽を重ねました。2014年に行われたアルトゥール・ルービンシュタイン国際コンクールで優勝、直後に来日公演も行っています。CAviレーベルではムソルグスキー&スクリャービンのアルバムに次ぐ第2弾。ウストヴォリスカヤのピアノ・ソナタはこれまでもいくつか録音がありますが、フレッシュな感性が光り、ようやく作品の魅力に肉薄するものが現れたと申せましょう。(輸入元情報)
【収録情報】
ウストヴォリスカヤ:ピアノ・ソナタ全集
● 第1番 (1947)
● 第2番 (1949)
● 第3番 (1952)
● 第4番 (1957)
● 第5番 (1986)
● 第6番 (1988)
アントニー・バリシェフスキー(ピアノ)
録音時期:2016年2月
録音場所:ベルリン、テルデックス・スタジオ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)