鹿川は糞に塗れて

イ・チャンドン

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784908184451
ISBN 10 : 4908184453
フォーマット
出版社
発行年月
2023年07月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
384p;20

内容詳細

韓国文学界に極上の物語を遺し、映像の世界へと歩み出したイ・チャンドン。悲喜交交の生を問う傑作作品集、待望の邦訳。

【著者紹介】
イチャンドン : 1954年生まれ。1981年慶北大学校教育学部国語教育科卒。1987年まで高校の国語教師として教壇に立つ。1983年小説「戦利」が東亜日報新春文芸中編小説部門に入選。1987年『焼紙』、1992年『鹿川は糞に塗れて』の2冊の作品集を刊行、作家として高く評価される。本書『鹿川は糞に塗れて』で第25回韓国日報文学賞受賞。1993年より映画の世界へ。2003〜04年、韓国文化観光部長官を務める

中野宣子 : 韓国語・朝鮮語翻訳、講師。1987年、韓国延世大学校韓国語学堂に語学留学。訳書に、朴婉緒『結婚』(學藝書林)、ヤン・グィジャ『ソウル・スケッチブック』(木犀社)、キム・タククワン『愛より残酷 ロシアン珈琲』(かんよう出版)、キム・スム『Lの運動靴』(アストラハウス)、共訳書にキム・ジハ『飯・活人』(御茶の水書房)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • キムチ27 さん

    表題からすると「山水画と汚物の対比・・まさにアイロニー」頁を捲ると孤児院、虐待横行の取り調べ、運動圏(反政府運動、その後政治を牛耳る流れなって行く人らの闘争)我が国の昭和初期の雰囲気だ。20C半ば生まれの筆者の本職は映像。さもあらん!作品は訳も手伝って、サラサラ川のように流れる語り文。実に読み易い。核となるのはかの国に吹き荒れた戦争と分断の爪痕。国起こしの基となった中産階級を象徴するのは鹿川に聳え立つマンション群。経済発展とともに生まれたそれは「糞と汚物の上」に在る。人々の軌跡の中にもまれ、流された男女が

  • Neishan さん

    少しの間、積読になっていたが、読み始めたら進みが早かった。暗い、貧しい、希望がない話が多いのになぜこんなに面白いのだろう。個人的には「運命について」と「星あかり」が好きだった。この方の映画も好きで観ているが、ずっと未見だった『グリーンフィッシュ』を今年リバイバルでやっと観ることができ、表題作とのリンクを感じた。急激な近代化でインフラも脆弱な1980年代くらいの話が多いのだろうか。時代や社会に取り残された人々の声と生活が、しっかり描かれている。作中の人物の横顔はみな、泣きっ面でも凛々しい。繰り返し読みたい。

  • sanukinoasayan さん

    「オアシス」で第59回ヴェネツィア国際映画祭監督賞受賞の作者が、小説家から映画監督へ転身する契機となった作品集である本作。反体制デモを見物していて誤認逮捕された際に出会った男の、転げ落ちるように先鋭化して行く様。若い頃は共産主義に傾いたものの、年経て廃人同様の暮らしをしていた父親がスパイ容疑で逮捕された息子等。映画のように書き、小説のように撮る、と評される作者が冷徹な視点で、韓国が民主化される以前の独裁体制と朝鮮戦争によって引き起こされた、理不尽な抑圧と人々の葛藤を描いた息詰まるような作品群。

  • Automne さん

    韓国の歴史的背景を踏まえながら、アイロニカルに市井のひとびとを描いたイチャンドン監督短編集。 表題の"鹿川は糞に塗れて"は凄みのある小説という印象、土地のなりたちから頭の中で想起したり、それが物語展開とつながってゆくのが文学的で良い。 "星あかり"が特に印象にのこった。映画『シークレットサンシャイン』の元ネタというか、着想は似ている気がした。 あとがきでもあったように映像的な小説、小説的な映画を紡ぐイチャンドンらしさの詰まった良作です◎

  • ざじ さん

    物凄く詩的な映画を撮り、物凄く映像的な小説を書く人だということが分かった。表題作のラストなんて、実在しないはずのイ・チャンドンの映画のラストシーンとして鮮明に脳で再生される

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