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ミーチャの恋・日射病 他十篇 岩波文庫

イワン・ブーニン

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784003264911
ISBN 10 : 4003264916
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「文字通り貫かれたのだ。この恐るべき日射病に、甚だしい愛に、甚だしい幸福に!」――亡命ロシア人作家イワン・ブーニン(1870-1953)は人間を捕らえる愛の諸相を精緻な文体で描いた。見知らぬ女性との一夜の記憶が鮮やかさを増す「日射病」、初恋の歓喜が嫉妬の情に蝕まれていく「ミーチャの恋」など、珠玉の中短篇集。

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Book Meter Reviews

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  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    夏の暑さの為にほんの弾みで起きた情事に過ぎなかった。しかし、後になってから忘れ難い思い出となっているのにもう二度と逢えない事も知っている「日射病」は後悔が生まれる一瞬を鮮やかに切り取っている。また、「命の盃」は若き日の三角関係の屈託と偏屈な自己愛によって歪になった夫婦と神父の関係にフォーカスを置くと思いきや、最後で彼らとは無関係な民衆へと視点をずらすという技巧が光る。それは自分が思い描いている事は人にとっては気に掛けるようなことではないという無常だからこそ、優しい事実を伝えるかのよう。

  • くさてる

    ロシア文学にも1920年代という舞台にも詳しくなく、ただ短編集ということで手に取ったのだけど、ちょっと参ってしまった。いや、やっぱり残っている作品というものは読んでおくものですね。古い小説につきものの長々した自然描写なんてななめ読みしてしまう人間のはずが、ただもうその美しさに圧倒された「ミーチャの恋」、たった一夜の名前も聞かなかった相手との情事が焼き付くような「日射病」、題名に使われるだけあって、この二作が圧倒的でした。

  • 田中峰和

    「日射病」は人妻と一晩だけの関係をもった中尉の回想が綴られる。金銭的な授与はないが性的な関係をもってしまった。三歳の子を持つ母親なのに、なぜ彼に身を委ねたのか。言い訳のように、暑すぎることで理性が利かなかったのは言い訳。日射病は肉体的な疲弊を生むが、彼は精神的な疲れから回復できない。一晩という時間は、その後の彼の人生でどのような位置づけになるのか。一方、「ミーチャの恋」では、冬から夏にかけての季節の変化を背景に揺れるミーチャの心が描かれる。心浮立つはずの春という季節、ミーチャの心理的波乱がやってくる。

  • Pustota

    初ブーニン。儚くつかみどころのない愛が、深く人の心を揺さぶる様を描いたような作品が多い。詩的な文章が印象深く、個人的には愛や恋をこれほど切実に感じる作品はそうないと思う。一方で空虚さや冷たさが覗く一面もあり、内面を掘り返されるようなそら恐ろしさも感じた。久しぶりにじっくりと味わうような読書をした気がする。解説も結構詳しく、ユニークな視点もあり面白かった。

  • Moish

    『日射病』が好きだったので、他11編も含めて文庫になって嬉しい。表題作2作と『命の盃』がことのほか素晴らしく、スリランカが舞台の『きょうだい』はイマイチだった。ただ本当の収穫は、端的にまとめられた訳者による解説。「遅れてきた自覚」というキーワードをはじめて目にし、すこぶる納得。執拗な自然描写が人生を描くことの根幹であること、亡命作家ならではの悲哀や望郷、仏教への関心、チェーホフとの比較、日本の文学作品との共通点など、この解説を読んだあと全作品を読み返せば、さらに理解が深まりそう。

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