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世界収集家

イリヤ・トロヤノフ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784152095794
ISBN 10 : 4152095792
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

やがて入り江が見えた。両手が水をすくうように、膨らんだ帆が空気をすくった。すでに鼻がかいでいたものが、目に見えてきた。最初はチョウジ油をすりこんだ望遠鏡を通して―大英帝国の軍人、リチャード・フランシス・バートン。インドでは様々な言語と文化に浸り、アラビアではメッカ巡礼をなしとげ、アフリカではナイルの源泉を追い求める。『千夜一夜物語』の翻訳者としても知られる桁外れの人物の生涯を、世界的に評価されるブルガリア系ドイツ人作家が、事実と虚構を織り交ぜて詩情ゆたかに描き上げた傑作長篇小説。ライプツィヒ・ブックフェア賞受賞作。

【著者紹介】
イリヤ・トロヤノフ : 1965年ブリガリア、ソフィア生まれのブルガリア系ドイツ人作家。1971年に政治亡命を果たした両親とともにドイツに移住。父の仕事の都合で少年時代をケニアで過ごす。ミュンヘン大学を卒業後、1989年にアフリカ文学専門の出版社を興す。1996年に初の長篇小説を発表。2006年に発表した『世界収集家』は、ライプツィヒ・ブックフェア賞を受賞するなど高い評価を受けた。ベルリン文学賞はじめ数々の文学賞を受賞した世界的作家である

浅井晶子 : ドイツ文学翻訳家、京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程認定退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 星落秋風五丈原

    言葉を習得しコスモポリタンとして生きることができたにもかかわらず、既にある場所を「発見」し現地人の生活を「改善する」という西欧的視点から逃れることができなかった男。【英国領インド】の章におけるナウカラムとラヒヤの件は会話調の文章で「話したい事を書いて欲しいナウカラム」と「職務経歴の詳細として書くために必要な事を話して欲しいラヒヤ」の時に噛みあわない問答は落語のようで笑いを誘う。口承文学のような両者の会話と対比されるのがバートン視点で描かれる箇所。理路整然としていて描写力に優れ読み易い記載文学の良さを持つ。

  • かもめ通信

    いやーこれはなかなかの読み応え!『千夜一夜物語』や『カーマ・スートラ』の“翻訳”をしたことでも知られるバートンについて、あるときは本人の回想、またあるときは関係者の証言といった形で立体的に描き出した物語。700ページ近いボリュームの中にぎっしりと詰め込まれていたのは、はらはらする冒険譚とゾクゾクするエキゾチシズム。史実と虚構の入り交じった山ほどの“情報”と知れば知るほど不思議な男の話。まるでこの本に納められた“情報”そのものが、収集癖のある人物によって集められてきたものででもあるかのようだった。

  • ntahima

    【市図書35】リチャード・バートン。Oxford出身の軍人であり、語学の天才であり、探検家であり、変人であり、おまけに時々スパイ!ある意味19世紀の大英帝国を代表するような傑物。日本では『アラビアン・ナイト』の翻訳者と言った方が分かり易いかも知れない。本書は伝記ではなくリチャード・バートンの生涯を下絵にしたもうひとつの『千夜一夜物語』である。舞台は英領インド、アラビア半島、東アフリカ。バートン自らの語りと、入れ替わる同行者の回想が混然となって主人公とその時代を浮き彫りにする。「探検される側」の視点が新鮮。

  • funuu

    旅の道程が幸福なんだ。そう、道程こそが、私の胸を高鳴らせるんですよ。私たちはみな、ひとつの場所から次の場所へと旅をする者だ。たどり着いてはまた出発するのが、私たちの運命なんだ。それに我々の希望は、短い一生の上に張り渡されている。強き者にとっては、いかなる場所も故郷である。

  • syaori

    お勧めです。インド、アラビア、東アフリカと旅を続けた男が主人公です。彼の名はリチャード・フランシス・バートン。バートンの視点と、彼と関わった現地の人たちの証言や思い出からなる短い章が交互に配置される構成となっています。それにより宗教や風俗、文化の違う人々がごったに暮らす植民地の様子が立体的に立ち上がってきます。とにかく現地の人にも英国人にもなりきれない、謎めいたバートンの造形がよかったです。また、現地での生活や探検の様子は少し幻想味を交えて描かれ、濃密などろりとした夢の中にいるような時間が味わえました。

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