アンネマリー・シュヴァルツェンバッハ

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雨に打たれて アンネマリー・シュヴァルツェンバッハ作品集

アンネマリー・シュヴァルツェンバッハ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784863855403
ISBN 10 : 4863855400
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

1930年代、ナチスに迎合する富豪の両親に反発し、同性の恋人と共に中近東を旅したスイス人作家がいた。同じように世界に居場所を失い、中近東に流れ着いた人々がいた。旅先で出会った人々を繊細な筆致で描いた、さすらう魂の吹き溜まりのような短編集。

【著者紹介】
アンネマリー・シュヴァルツェンバッハ : スイスの作家、写真家。1908年生まれ。1942年自転車で転倒し、亡くなる。1930年代に中近東を始めロシアやアメリカ合衆国、アフリカなどを旅し、多くの旅行記を残した。生前に発表した作品は少なく、1980年代に注目され、遺稿を中心に小説や旅行記が出版されている。近年は旅の途上撮影した写真への評価が高まっている

酒寄進一 : ドイツ文学翻訳家、和光大学教授。主な訳書に、2012年第九回本屋大賞翻訳小説部門第1位のフォン・シーラッハ『犯罪』、2021年日本子どもの本研究会第5回作品賞特別賞受賞のコルドン「ベルリン三部作」などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 星落秋風五丈原

    中東旅行エッセイ風。語り手は私になったり第三者語りになったり。「約束の地」「移民」「輝かしきヨーロッパ」「雨に打たれて」「別れ」「ベニ・ザイナブ「帰郷を目前にして」「耐えに耐え…」「伝道」「三日連続の徹夜酒」「悩みは五十歩百歩」「ヴァンの婚約」「告知」「女ひとり」

  • lovemys

    第一次世界大戦前後の時と思われる中東が描かれている物語のようなエッセイのような。他国民に支配されるいびつさが、淡々とした口調で語られる。文化の違う国の人間が、価値観や宗教を押し付けてくる。その苦しさと混乱が、殺伐さと共に伝わってくる。異文化の民と接する西洋人も、慣れない環境や生活で苦しんでいる。色々なところで暴動や争いが起き、隣国や支配国と緊張した関係が続く。そんな国で生きている人々が、砂漠や茶色の遺跡の向こうにサラリと描かれる。まるで蜃気楼のような感覚の物語。心に深く刻まれる物語。

  • 北風

    写真家でもあったというのでその写真も見たかったが、その作品はなかった。表紙のこれはだって自分じゃ撮れないもんな。戦時中のオリエンタルな地域の、旅の記録? 小説と言うには個人的すぎるし、日記と言うには自身の感情が乏しすぎる。そして、実体験というには劇的すぎる。どうして故郷から遠く離れた地にたどり着いたのか。同性愛者の男性と結婚していて、それらしき男性の存在はあったけれど、同性の恋人がいたらしいが、その彼女の存在はほとんど見当たらない。遠い土地に行っても、それは文面に記すことができなかったのだろうか?

  • まこ

    欧州に見切りをつける欧州人、欧州文化を受け入れようとする中東人。発掘を続ける私から見たら後者を応援したくなる。ナチスの考えに肯定する人がいたり、自然と中東を見下す発言をすると書かれた当時の人々の意識を直に感じる。ミセスバッテンやカトリーンにズバリと言える私が一番の作者の分身。

  • kankoto

    訳者の坂寄進一氏もあとがきで書かれていたが作者が世代的にヘミングウェイやフィッツジェラルドなどのロストジェネレーションと同じ世代という事もあり小説に流れる空気感が彼らの作品を読んだ時を彷彿とさせる気がする。 自分の足元、拠り所が不安定で彼らは異国の地にたどり着くことになる。そこで地に足をつけて生きていけるかというとそれまた心許ない。そんな不安感が流れている。 14 篇の短編がおさめられているが全てが中近東が舞台で(解説によればパレスチナ・シリア・ペルシアなどで)そこに流れ着いた人々の物語。

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