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狭き門

アンドレ・ジード

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784003255827
ISBN 10 : 4003255828
Format
Books
Publisher
Release Date
February/1983
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
川口篤 ,  

Customer Reviews

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • mukimi

    神を深く信じ愛するが故に、愛する人と結ばれたいという俗物的欲求を持つ自分に絶望するアリサ。信仰を持たない私には理解の及ばない部分が多いだろう。平凡な毎日に幸せを感じ明日に希望を持つことができる、そんな「普通の」感性では理解できない深い思索・突出した感受性を持つ人の物語として読んだ。目の前で愛を語ってくれる大好きな幼馴染の愛に応えたいのに応えられず死を選ぶ彼女をとても歯痒く思うが、同時に、そこはとても尊くて手を出してはいけない領域のように思える。理解を超えるものを私達は美しいと思ってしまうのかもしれない。

  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    文学少女シリーズから知った本。「真の幸福を掴むためには苦悩しなければならない」という考えから周囲のより良い幸福を望み、自らの幸福を捨てる行為は自分にとっては一時期はいいだろう。しかし、結局は、相手のことを考えない、偽善者の究極のエゴイズムにもなってしまう。もっと自分の感情に正直で、相手が傷つこうとも気にしないという生きるために必要最低限の厚顔無恥さがあれば、二人は幸せになれただろうに。アリサの日記で「一人ぼっちであることを思い出さない内に早く死にたい」でいう最後の一文が切なすぎます。

  • harass

    初読み。登場人物を最小限にしていて無駄のない配置と展開があるからか。必要以上に作者が語らないのもあるが戯曲を読んでいるようだ。登場人物の二人があまりに生真面目であることに面食らってしまったのだが実に素晴らしい文章だ。主人公たちの理知的な文章の誠実さが溢れている。小馬鹿にすることが憚れるようだ。今の時代にはどうかと思うがフランス文学の伝統を感じさせてもらった読書だった。

  • NAO

    不品行な母親を持ったがために、好きな男性の愛を受け入れることができないアリサ。プロテスタントの教義がどれほどのものかを知らない私にとっては、これはまったく別世界の話だった。アリサの態度は、信仰心が篤いというより、ただただ自分に酔っているだけのように見えてしまうところが損だなあと思う。ただ、同じ作者がこの話とは全く正反対の『背徳者』を書いているということは、『狭き門』と『背徳者』両方を読んで初めて作者の伝えたいことが分かるのではないかという気がした。

  • 赤とんぼ

    若い時(中学生(笑))に読んだ時は、アリサの行動が意味不明だった。なぜジェロームと愛しあっているのに、その手をとることができないのかと。40歳にもなると、アリサの気持ちが、何となくわかる。彼女は、あまりにもジェロームを愛しすぎたのだ。あまりにも深く激しいジェロームへの愛に恐れ、それが信仰と共に心を激しく揺らしてしまったのではないか。そして、破綻した両親の愛を見ているだけに、深すぎる愛の破滅を恐れたのではないか。愛するからこそ怖れ、愛するからこそ不安で、愛するからこそ苦しかったのだ。その愛が深すぎたために。

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