アレクシー・アンリ・モリス・クレレル・ト

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旧体制と大革命

アレクシー・アンリ・モリス・クレレル・ト

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480083968
ISBN 10 : 4480083960
Format
Books
Publisher
Release Date
January/1998
Japan

Content Description

フランス革命後の社会は、旧体制(アンシャン・レジーム)の社会から截然と区別される―通説と化してしまったこの命題を否定するところから、トクヴィルは出発する。中央集権のもとでの行政の専制化、画一的支配の浸透、パリ一極集中、こうした要素は革命がもたらしたものではなく、すでに旧体制のなかに用意されていたものだった。近代デモクラシーは必然的に平等化への道を進んだが、公的なものとの関わりを保障する「政治的自由」は、旧体制時代にもはや息の根を止められてしまっていた。近代は「画一化」と「自由の窒息」を引き受けなければならないのか?現代社会に対する透徹した予見と病理学的診断を含んだ政治思想史の金字塔。

目次 : 1 一七八九年以前と以後におけるフランスの社会・政治状態/ 2 旧体制と大革命(革命の勃発に関する種々の対立した見解/ 通説では、革命の根本的・究極的目的は宗教的権力を打破し、政治的権力を弱体化することだったとされているが、実際はそうではなかった、その理由は何か/ フランス革命は政治革命でありながら、どのようにして宗教革命と同じ過程をたどったのか、その原因は何か/ ヨーロッパのほとんどすべての国々は、どうしてまさに同一の諸制度をもっていたのか、そして、これらの諸制度はどうしていたるところで崩壊してしまったのか/ フランス革命の本来の成果は何だったのか/ フランスでは、封建的賦課租がなぜ他のいかなる国よりも民衆に忌み嫌われたのか/ 通説とは反対に、行政的中央集権は旧体制の一制度であって、フランス革命と第一帝政の産物ではない、その理由は何か/ 今日、行政の後見的監督と呼ばれるものは、どうして旧体制の制度と言えるのか/ 行政裁判と役人の身分保障はどうして旧体制の制度と言えるのか/ 中央集権はどうして、このように旧権力のなかに侵入し、それを破壊することなく、とって代わることができたのか ほか)

【著者紹介】
アレクシス・ド・トクヴィル : 1805‐59年。フランスの政治社会思想家、政治家、歴史家。ノルマンディーの旧貴族の出身。1827年、ヴェルサイユ裁判所の陪席判事となる。1831年、アメリカを旅行、それが『アメリカにおけるデモクラシー』(1835、40年)として結実する。1839年、下院議員に当選、1849年には外務大臣を勤める

小山勉 : 1936年生まれ。早稲田大学政経学部卒業、東京都立大学大学院博士課程中退。福岡大学法学部教授、九州大学名誉教授。専攻、西洋政治思想史、比較政治(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • masabi

    なぜフランス革命が起きたのか。自由な精神がその原因だとする通説に対しトクヴィルは中央政府の取った中央集権的政策に求める。集権化が様々な中間団体を解体し、長らく市民に政治参加の自由が失われたため革命という過激な行動に駆り立てられたとする。政策により各階級、集団が細分化されたために団結が困難になり組織だった抵抗が見られず、その容貌が露になったとき革命という旧体制を完全に崩壊させる怪物だったのだ。

  • 皆様の「暮らし」を応援サポート

    本として有用で面白いものであった。

  • まると

    日々少しずつ読み足していってようやく読了。官職売買など絶対王政時代の制度や慣習に疎くて読み進めるのに苦労したが、大意はつかめたと思う。ラ・マルセイエーズの過激な歌詞に象徴されるようにフランス革命は旧体制を徹底的に破壊しようとした。だが、革命後のフランスには旧体制から準備されていたものがたくさん残されているのだと公文書の分析で明らかにしていく。冷徹に歴史を見つめる目線が素晴らしい。民衆を憐れんで重圧を軽減しようとしたルイ16世が逆にその憎悪をかき立ててしまったところに大衆統治の難しさを読み解くことができる。

  • アルゴス

    フランスでどうしてあのような革命が起きたのかという問いは、革命後に生きたフランス人であれば、どうしても問わざるをえない問いである。トクヴィルは旧体制の頃に作成された多数の文書を読み込みながら、フランス革命の特殊性を暴き出す。「アメリカのデモクラシー」は有名だが、それに勝とも劣らぬ重要な考察だ。素晴らしいの一言に尽きる。

  • 中島直人

    学術文章の典型。読むのに忍耐が必要。フランスの国民性、文化に基づいた、旧体制下の考え方、制度が革命の基にあった。新鮮で興味深い。

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