アレクサンダル・ヘモン

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愛と障害 エクス・リブリス

アレクサンダル・ヘモン

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784560090312
ISBN 10 : 4560090319
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2013
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

サラエヴォに生まれ、ユーゴ紛争を機にアメリカに移住した主人公の思春期のほろ苦い思い出、アメリカでの奇妙な日々、家族と失われた故郷への思い…。ボスニア出身の鬼才による、“反”自伝的短篇集。

目次 : 天国への階段/ すべて/ 指揮者/ すてきな暮らし/ シムーラの部屋/ 蜂第一部/ アメリカン・コマンドー/ 苦しみの高貴な真実

【著者紹介】
アレクサンダル・ヘモン : 1964年、旧ユーゴスラヴィアのサラエヴォに生まれる。92年、シカゴ滞在中にユーゴ紛争が勃発し、そのままアメリカに残ることを選ぶ。95年から英語で小説を執筆しはじめ、2000年、短篇集The Question of Brunoでデビュー。2002年の第一長篇『ノーホエア・マン』(白水社刊)は全米批評家協会賞の最終候補に選ばれ、長篇第二作The Lazarus Project(2008)は全米図書賞と全米批評家協会賞の最終候補に選ばれた

岩本正恵 : 1964年生まれ。東京外国語大学英米語学科卒。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • miyu

    「コンラッドの小説そのままの、完璧なアフリカの夜だった」なんていう書き出しを翻訳の岩本さんは魅力的と言うが、それって何かの冗談でしょ?(笑)疑心暗鬼で読み始めたけれど「指揮者」から意外に好みな流れになった。「苦しみの高貴な真実」も好きだが特に父親に関して愛情深く語る「蜂 第一部」が心に残る。お父さんの書いたわが人生の25シーンから成る台本(て言えるのか?)があまりにシンプルで素敵。「紛争によって図らずも故郷を去ることになった万年中二病男」だけど全く以って貴方はいい両親をお持ちですね!と本人に伝えたい感じ。

  • M H

    旧ユーゴ出身の作者が自伝要素を交えて端正な文章で紡いだ8編。紛争を避けてのアメリカ移住がメンタリティーに影響していることは推察するけれど、「蜂 第一部」「苦しみの高貴な真実」(食事の場面が最高)に顕著な温かな親子関係が前面に出ていて、あまり寂寥感や暗さは感じなかった。個人的にはそのほうが好き。

  • りつこ

    とてもよかった。一話目はなんだかよくわからなくて、苦手かも…と思ったのだが、やめずに最後まで読んでよかった。アメリカに渡っていたことでユーゴ紛争を逃れたものの、アメリカ人にもなれず、戻る故郷もなく、アイデンティティーを失いかけている男を描いているが、トーンは暗くない。既に評価を作家や詩人に対する視線や作品を書くに至らない苛立ちがリアルで痛面白い。どちらかと言えば乾いた筆致なのに親への眼差しの温かさにグッとくる。物語ることについて書かれているのも良かった。

  • 紅はこべ

    短編集かと思ったら連作だった。時間の流れは順不同。現代版『若い芸術家の肖像』か。主人公の父親の理想とする本の書き方は『HHhH』を思わせる。ボスニア最高の詩人とアメリカ人ピュリッツァー賞作家の肖像が生々しい。マカリスターが書いた不名誉除隊された兵士が主人公の小説、本当に読みたくなった。私に旧ユーゴ紛争についての知識がないのが残念だ。

  • ぱせり

    滑稽で痛い日々の間から見えてくる故国や家族への郷愁、愛情が沁みてくる。少し照れくさそうに(?)語られる文学についての言葉、文学のなかにある「真実」や、作家の(文学への)誠実さに触れたような気がして、はっと居住まいを正したくなる。最後のページを閉じながら、文学の贈り物、ってこういうことかな、と思う。贈り物をもらったような気がする。

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