アリク カーシェンバウム

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まじめに動物の言語を考えてみた

アリク カーシェンバウム

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784760156061
ISBN 10 : 4760156062
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

 誰もが動物と会話したいと思っている。はたしてそれは可能なのだろうか。残念ながらこれまでの研究では明確な答えが出ていない。なぜなら、私たちはそれを調べる方法を間違えているからなのだ。
 それを実現するには、動物が発する音(声)を調べて、それを人間の言葉に「翻訳」するのではなく、動物がなぜそのような行動をとるのか、その行動はどこから来るのか、そしてその行動を支えるために彼ら特有のコミュニケーションがどのように進化してきたのかを理解する必要があるのだ。しかも実験室の中ではなく動物たちが棲む本来の場所でのコミュニケーションを知らなければならないのだ。つまり、動物のコミュニケーションを彼らの視点から見ることが大事になる。
 この本の目的は、すべての動物、さらには人間のコミュニケーションに共通するものを示すことだ。もちろん、私たち人間は、他のどの動物よりも非常に多くの言語を持っている。しかし、コミュニケーションの役割は、私たちの社会性を支えることであることに変わりはない。社会で生きていくのは大変なことで、社会の歯車をスムーズに回すためにはコミュニケーションが必要となる。
 動物も同じだ。オオカミが遠吠えをするのは、相手を追い払うためだけでなく、自分がどこにいるのかという情報を家族に提供したり、助けが必要なときに仲間を呼んだりするためだ。チンパンジーは、常に変化する友情とライバルの網の目の中で生きており、コミュニケーションをとることで、すべてのチンパンジーが自分の立ち位置を知ることができるのだ。ヨウムのように、まるで人間のような言語能力を持つ動物もいるが、彼らの会話能力のルーツは、何百羽ものヨウムが一緒に暮らすコロニーで、食べ物や捕食者、そして主にお互いについての情報を共有するという不思議な共同生活にもあるようだ。人間と同じように自然の法則に従って進化してきた動物と人間は、同じコミュニケーション・ニーズを持ち、同じようなコミュニケーション・ソリューションに到達してきたのだ。
 動物がしゃべるといっても、単純な要求に基づいて単純なコミュニケーションをしているのかもしれない。しかしそれこそが動物を理解する方法なのだ。なぜ動物が話すのか、話す必要があるのかを理解することで、初めて動物のコミュニケーションが理解できる。著者は自分自身のフィールドワークでの観察をもとに、動物の行動を科学的に明らかにしていく。
 各章は前の章を土台とし、動物のコミュニケーションの複雑さについて新たな特徴を加えながら、統合的な物語を描いていく。最終的には、人間の言葉を含むコミュニケーションが、動物の社会的行動全体とどのように関わっているのか、その全体像が明らかにされる。オオカミにしろコミュニケーションがなければ社会性は持ちようもない。そこには社会的ニーズがあるのだ。そしてそれを使って問題を解決する。そこに知性が生まれる。おそらく動物たちのコミュニケーションの重要性を認識することで、種間のコミュニケーションの問題へと関心は広がっていくはずである。

【著者紹介】
アリク カーシェンバウム : 気鋭の動物学者、動物の音声コミュニケーションの分野における世界的な第一人者であり、10年以上にわたりヨーロッパ、北米、中東、東南アジアの荒野を歩き回り、その分析に取り組んできた。ケンブリッジ大学ガートン・カレッジの講師および研究員であり、30以上の学術論文を発表している。前著『The Zoologist’s Guide to the Galaxy(邦訳、まじめにエイリアンの姿を想像してみた、柏書房)』はタイムズ/サンデー・タイムズ・ブック・オブ・ザ・イヤーに選ばれ、11言語に翻訳された

的場知之 : 東京大学教養学部卒業。同大学院総合文化研究科修士課程修了、同博士課程中退(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 榊原 香織

    大変興味深かったです。イルカは(野性のも)それぞれ自分の名前持ってるらしい、びっくり。言語とは何かという考察も独特で(言語学者とも違い)面白かった。いつもは読み飛ばす最後の謝辞が、思わず読んじゃう面白さ

  • スプリント

    動物たちは言語でなくても気持ちを伝えようとしているよなと感じる。

  • 於千代

    オオカミ、イルカ、インコ、ハイラックス、テナガザル、チンパンジー、そしてヒト、それぞれのコミュニケーションの特徴を取り上げた一冊。一口に「コミュニケーション」と言っても、種によって全く異なる点が興味深い。とりわけイルカの章では、彼らがコミュニケーションを取る理由を「遊びを深めるためではないか」と考察しており、必ずしも実用的な目的に限らない進化の可能性が示されている点が印象に残った。

  • 2138

    オオカミ、イルカ、インコ、ハイラックス、テナガザル、チンパンジーの音声コミュニケーションと人間の言語の比較と理解の本。環世界とは遠く、徹底して人間の感覚から音声コミュニケーションを論じる内容。それにしても邦題のセンスがひどすぎる。

  • コウみん

    動物の言葉を真剣に研究してみた。 狼、ヨウム、イルカ、テナガザル、ハイラックス、チンパンジーそして、ヒト。 彼らはいかにコミュニケーションを取るのか。 イルカの話は前に聞いたことがあったが、他の動物の話は少し気になった。

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