Books

不平等の再検討 潜在能力と自由 岩波現代文庫

Amartya Sen

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784006003937
ISBN 10 : 4006003935
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2018
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

人間の不平等の問題は、所得格差の面からだけでは解決できない。一九九八年にノーベル経済学賞を受賞した著者は、本書で、これらの問題を「人間は多様な存在である」という視点から再考察することを提案した。「潜在能力アプローチ」と呼ばれるその手法は、経済学にとどまらず、倫理学、法律学、哲学など関連の学問諸分野にも多大な影響を与えている。現代文庫版では、参考文献を改訂し、現代の日本における不平等に関する議論を本書の視点から考察した訳者による解説を新たに付した。

目次 : 序章 問題とテーマ/ 第1章 何の平等か/ 第2章 自由、成果、資源/ 第3章 機能と潜在能力/ 第4章 自由、エージェンシーおよび福祉/ 第5章 正義と潜在能力/ 第6章 厚生経済学と不平等/ 第7章 貧しさと豊かさ/ 第8章 階級、ジェンダー、その他のグループ/ 第9章 平等の要件

【著者紹介】
アマルティア・セン : 1933年インド・ベンガル地方生まれ。59年ケンブリッジ大学で経済学博士号取得。2004年よりハーバード大学教授。1998年ノーベル経済学賞を受賞

池本幸生 : 1956年生まれ。現在、東京大学東洋文化研究所教授

野上裕生 : 1961‐2012年。元日本貿易振興機構・アジア経済研究所主任調査研究員

佐藤仁 : 1968年生まれ。現在、東京大学東洋文化研究所教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • なかしー

    難しい。。。私の考えている潜在能力の意味とは全然違った(汗) センの唱えるcapability≒潜在能力は、例えば断食のように「飢えない」という選択肢があるにも関わらず、それをしないため潜在的になっている。その能力を行使出来る自由があるといった感じか? 逆に、様々な境遇により飢餓状態の人は、「飢えない」という選択肢が自ら選べないため、不平等となっている。よって、飢えないという不平等は是正しないといけないとなる。

  • 田氏

    平等を評価するときは「何の平等か」が中心の問題となること、富や所得から「潜在能力」へと注目を移すことで見えるものがあること、平等と効率性はトレードオフとなること。このようなことがらに言及するが、高度に抽象化され、かつ倫理学・哲学にも足を踏み入れる議論であるため、字面の印象よりも難しい。数学的な表現は避けたとのことだが、むしろ数式を用いてくれていたほうが分かり易かったのでは、という学術系一般書あるある。ともかく、取り扱う問題やその対象が、多様的であると認識することである。市井はむしろ逆行するきらいがあるが。

  • isao_key

    副題に「潜在能力と自由」とある。訳者まえがきで「潜在能力」とは、ある人が選択することのできる「機能」の集合であると述べる。文庫本のあとがきでも「センの<潜在能力>は、今の時点で実際に実現可能なものだけを指している。(略)潜在的なのは、実現可能であるにも関わらず、それを選択しなかったもの」と著者のcapabilityの使い方について詳しく説明する。マルクスの不満の本質的な部分を、人間を「一つの決まった側面だけ」から捉え、人間を「労働者としてのみ扱い、それ以外の面は何も見ず、すべて無視して」捉えた点だという。

  • koke

    潜在能力を発揮できている状態、その有能感が幸福だという話かと思っていた。実際には、「病気にかかっていない」といった顕在的な状態もケイパビリティ(潜在能力)に含まれるらしい。「金があること」や「友人がいること」は幸福のひとつの条件だが、ケイパビリティはまさに幸福そのもの。GDPのような雑な指標では分からない不平等の実状も、ケイパビリティアプローチならば繊細に捉えることができる。一種のリバタリアニズム批判としても興味深い。

  • roughfractus02

    本書は社会システムをテーマとし、J・ロールズの正義論への著者の回答を含む。justiceの語にjustを含むように正義(公正)はちょうどの状態を表し、それが崩れると不足や過多(不正)と見なされる。著者はロールズの配分的正義を個々人の潜在能力に見合う状態と捉える。潜在能力アプローチでの配分的正義は、達成すべき自由への財の変革能力の差とされ、平等は、潜在能力のなしうることがなされる機会を与えない不平等に対する問題化する。従来の達成度に対して、達成するための自由を区別する本書は、個人の選択可能性に焦点を当てる。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items