CD

Take Take

たけタケ

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
FC003
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
日本
フォーマット
:
CD

収録曲   

  • 01. 独り言
  • 02. ねこさんポ
  • 03. 春のきざし
  • 04. But For You, I Couldn't Live Any Longer
  • 05. こもれび
  • 06. interlude
  • 07. Baby Scrapper
  • 08. 星空
  • 09. Hey Doctor
  • 10. フィルム
  • 11. Para Cha

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この男 タダモノではない 僕が清水武志...

投稿日:2011/10/13 (木)

この男 タダモノではない 僕が清水武志さんの演奏を初めて聴いたのは、2011年8月に神戸cleoleで行われた西山瞳さん主宰のJazz Complex vol.6に出演されたときです。これはオリジナル曲で活動されているミュージシャンが複数出演されるもので、彼はソロで全てオリジナルで6曲演奏されました。1曲目のfive Grooveから釘付けとなり、Vicky’s、熊野、Empty Heart、Para Cha、最後のRug timeの時には、不覚にも涙が溢れてきました。よくオリジナルを聴いた時に、オリジナリティーはあるけど、心地よくないことがありますが、彼の曲は初めて聴くんだけどとても心地よいのです。目を閉じれば大自然の景色が目の前に広がり、風を感じるような感覚になったり、時には黒人プレーヤーが弾いてるかの如く、黒く、熱かった。(グーで鍵盤叩いてはりました) 家に帰り、この人凄いわー!と思い、ネットで調べると、僕と同じように想われた方がコメントされておられました。その方は作家の藤森益弘さんで、私が書くよりずっと素晴らしい文章なので、藤森さんに代弁してもらいます。以下に藤森さんの解説文の一部を紹介させてもらいます。 この男、タダモノではない                  藤森益弘  今から5年前の7月。仕事で大阪に行ったとき必ず立ち寄っていた梅田にあるジャズ・スポット「JAZZ・ON TOP」で、女性シンガーの歌の伴奏でピアノを弾いている男が目に入った。 その男は無精ひげを生やし、どこかふて腐れたような表情で、演奏のほうもあまり身が入ってない、頼まれたので仕方なくシンガーにお付き合いしているような印象を受けた。もっとも、そのときの女性シンガーは面白味がなさ過ぎて、これでは伴奏していても身が入らないのも当然だろうな、という同情心も一方では湧いた。 その憤懣を吐き出すように、次のステージの冒頭、その男がソロで鍵盤ハーモニカをブローし出したのを見て、伴奏のときとはあまりにも落差のあるその演奏の激しさに唖然として聴き入り、終わったときには「もしかしてこの男、タダモノではないかもしれない」と思った。それからは、女性シンガーの歌はほとんど無視して、彼のピアノにだけ耳を集中させた。 帰り際、レジ・カウンターの上に『E.D.F.』というタイトルのCDが置いてあるのが目に入り、ピアノを弾いていた男のグループが作ったCDだと教えられ、一枚買った。清水武志という名前も、そのとき知った。   帰京して、CDを聴いた。1曲目「Tear Drop Again」。(軽快なノリ、本格的やないか)2曲目「Don’t Forget Me」。(一転してバラードか。むっ、この切なさはなんや)3曲目「Empty Heart」。(おぅ、この懐かしさはなんや)4曲目「Psychedelic Freedom」。(なんか、ウルウルしてきたで……)なぜか知らないうちに、関西弁をつぶやいている自分がいた。東京へ出て40年近くなるのに、大阪生まれの僕の思わず口をつく感情吐露が、いまだに関西弁とは。そして、最後曲「Rug Time」を聴き終えたとき、目頭が熱く濡れているのはわかった。何十年ジャズを聴いてきて、涙が出てくるなんて体験はそう滅多にない。クリフォード・ブラウンの「Once In A While」、スティーヴ・マーカスの「LISTEN PEOPLE」、スタン・ゲッツとケニー・バロンのデュオの「FIRST SONG」、市川修と市川芳枝の「FATHERユS SONG」など。いずれも、僕のジャズ遍歴の中でエポック・メイキングなものばかり。CDに収録されている10曲は、すべて清水さんの作曲。「やはりこの男、タダモノではなかった」と確信するに到った。   CDのタイトルでもあり、彼らのグループ名でもあるE.D.F.とは何のことか知りたくてパソコンで調べたら、清水さんが開いているホーム・ページが見つかった。1969年、大阪生まれ。大学時代からプロのジャズ・ミュージシャンとして、関西を中心に活躍。ピアノの他、アルト・サックス、フルート、クラリネットも吹く。92年、ドラマーのベーカー土居さんと結成したのがE.D.F.で、「Earth Defense Force 地球防衛隊」という意味だとわかった。(ジャズで地球を救う男たちか、なかなかええやないか)ホーム・ページに書いてある彼の軽妙洒脱さの中に誠実さを感じさせる文章も読むに及んで、ますます清水武志という人物に興味が湧いた。 (省略) E.D.F.のライブに初めて接し、その熱気に一も二もなく巻き込まれた。とにかく、熱い。演奏しているプレーヤーたちも熱ければ、聴いている観客たちが送る視線もまた熱い。ある曲ではガンガン乗りまくり、ある曲では爽やかな風が流れ、またある曲では切なさで胸を締めつける。そしてどの曲も、大げさな言い方をすれば、黒人たちにとってデキシーランド・ジャズがそうであったように、E.D.F.のジャズは、僕たち日本人が心の奥底に秘めているトラディショナルな琴線に触れてくる親しみやすいメロディと懐かしい響きを持っている。それが僕たちを泣かす理由でもあろう。ラスト・ステージのラストに、彼らのエンディング・テーマ曲である「Rug Time」が流れてきたときには、にじんでくる涙を隠すのに精いっぱいだった。(ホンマに泣かすで、こいつらは)女友達のほうを振り向くと、彼女も目頭を押さえていた。ちなみに、彼女とボーイ・フレンドはふたりともアマチュアのブラス・バンドでアルト・サックスを吹いていて、翌年結婚したが、その披露宴でBGMとして流していたのがこの「Rug Time」だった。   演奏の他に、彼らのライブのもうひとつ魅力(面白さ)は、曲の合間にはさむ清水さんの下手な落語家のマクラのようなMC。(省略) とにかく笑い、泣き、感動した。ライブ終了後、思い切って清水さんに声をかけた。彼も僕に興味を持ってくれたらしく、ジャズや小説の話などしばらくした。彼らがリリースしている別の2枚のCDも、そのとき買った。深夜をまわって清水さんは、「M’s Hall」の入口前の路上に停めてあった愛車の赤いシトロエン2CVに颯爽と乗って、帰って行った。   彼が地元の子供たちのためにボランティア活動をしていることも、メールで知った。音楽だけでなく、生き方にも一本スジが通っていることを知り、ますます彼が好きになった。 (省略) そして今年の3月、突然清水さんからメールが入った。新しく作ったオリジナル曲のタイトルを、僕の小説の題名をとって『春の砦』にしたい。ついては了解をお願いしたい、とのことだった。無論、即座に了承。ピアノとサックスのデュオの曲。僕の小説をヒントに作ったもので、秋にリリースするニュー・アルバムにも収録するとのこと。一体どんな曲なのか。ぜひ聴きたい、と体がウズウズし出してきてたまらず、7月、無理やり大阪に仕事を作り、久しぶりに「M’s Hall」へ行った。   僕が来たのを知って、清水さんは2ステージ目に「春の砦」を演奏してくれた。 武井さんのテナー・サックスが、あのスタン・ゲッツの絶唱「FIRST SONG」を彷彿とさせる哀調を帯びて心に沁み込んでいくバラード曲で、僕は演奏中、体の震えが止まらなかった。こんな素晴らしい曲に、僕の小説の題名をつけてくれたことを感謝したい気持ちでいっぱいになった。   ライブ終了後、清水さんや土居さんと雑談していて、このライナーノートを書かせてもらうことになった次第である。   長々とした前置きになってしまった。   とにかく、本アルバム(SALVATION BY FAITH)に収録されている曲を聴いてほしい。1曲1曲の感想は省略するが、清水武志という男の人生の遍歴と機微から生まれたこれらの曲がE.D.F.の素晴らしい演奏で、聴く者の心をどれほど優しく慰撫してくれることか。そして、「春の砦」。僕の人生とも深く関わるこの曲を、僕はどうしても冷静には聴けないと告白するしかない。   僕だけでなく、本アルバムを聴いたすべての人たちにとって、このCDがかけがえのない宝物になることを願ってやまない。(2007.9) 藤森さんの解説文全文読みたい方は こちらまで→ http://followfukano.com/disco.html 僕は「TAKE TAKE」はライブで既に入手しており、ヘビーローテーション中です。上述したように清水さんのオリジナルが良いのは勿論ですが、武井努さんのオリジナルも、うるさくない柔らかいテナーも素晴らしいです。 また、このアルバムと同日録音された清水さんのソロアルバム 名曲 熊野が入っている「Takeshi plays Takeshi」は僕の永遠の愛聴盤です。 でも、一番のお勧めは、やっぱりライブですね。

tsuka さん | 大阪府 | 不明

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