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鏡のなかのボードレール 境界の文学

くぼたのぞみ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784907986209
ISBN 10 : 4907986203
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2016
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

目次 : コンスタンシアの葡萄酒より/ エキゾチックな香り/ 髪と猫/ 日本語とジャンヌへの眼差し/ 鏡、あるいはジャンヌの瞳/ 鏡のなかのボードレール/ ボードレールと日本/ 『悪の華』と翻訳―詩と抒情詩の違い/ J.M.クッツェーのたくらみ、他者という眼差し/ ボードレールになってみる/ ブラック・ヴィーナス アンジェラ・カーター

【著者紹介】
くぼたのぞみ : 1950年、北海道新十津川生まれ。翻訳家、詩人。東京外国語大学フランス語科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • かふ

    ボードレール『悪の華』に描かれたジャンヌ・デュヴァルという娼婦は、奴隷の子孫であったようで、19c のフランスによる植民化というジャンヌ・デュヴァルの出自。そんな彼女をミューズ(女神)としたボードレールを読んでいくポスト・コロニアルの試み。クッツェーの翻訳者だけにクッツェーがボードレールや19cの浪漫派詩人が影響を受けたことへの作品の影響や、アンジェラ・カーター『ブラック・ヴィーナス』によるジャンヌの瞳に映る鏡としてのボードレールを読む試み。最後に『ブラック・ヴィーナス』の翻訳付き。

  • かもめ通信

    何年も前に購入し、ひと通り目を通した後もずっと手元に置いて、ふと思いついたときや、関連がありそうな本を読んだときなどにページをめくる。私はこれで、ひとり出版社「共和国」に惚れましたと言い切っていいと思うお気に入りの本。「なにを読むか」とともに「どう読むか」が問われ、読んだ後もそこに留まらず、どう広げ、どう掘り下げていくのかが問われる、読書というものの奥深さを改めて感じさせる1冊だ。

  • rinakko

    ボードレールからクッツェーまで…という旅の記録。とてもよかった。ボードレールの生涯の愛人、詩人のミューズでもあり、ジャンヌ・デュヴァル詩篇の中にそのエキゾチックな姿をあらわすムラータの女性について、そして肌の黒い女性としてヨーロッパで見せ物にされたサラ・バートマンについて。更に、日本男性の性的嗜好(白人女性への畏怖と植民地の有色女性への蔑視)と、それを支えたのは日本女性の意識…という構図へと考察は繋がっていく。クッツェー『恥辱』をとり上げた章では、ムスリムの女性ソラヤの眼差しの意味が解かれていく。

  • belier

    J・M・クッツェーの生地で飲んだワインをきっかけに古い記憶がよみがえり、著者が過去に関心の対象としたボードレールの世界へ入り込む。現在の著者は主にアフリカ文学を専門とする翻訳家。そのとき飲んだワインは「フロート・コンスタンシア」でボードレールのアフリカ系の愛人ジャンヌ・デュヴァルと関係が深いものだった。エッセイはジャンヌ・デュヴァルとボードレール、フランスとアフリカそして日本を心地よい文体でさ迷い歩き、クッツェーにも立ち寄る。ボードレールの訳詩とデュヴァルを描いたアンジェラ・カーターの短編も楽しめる。

  • If...

    みるものみられるもの

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