リリングはもともとバッハの宗教曲などで名を馳せていましたが、最近、この盤やグバイドゥーリナなど、現代宗教曲にも取り組み、喜ばしい限りです。サンドストレムは、真摯な側面と独特なリズムを持つ軽妙な側面を併せ持つ北欧の作曲家です。リリングの演奏は、ドイツ的ながっしり感を持ちつつ、北欧的な透明感も十分に併せ持った演奏だと思います。サンドストレムでは、ほかにThe High Massという大作があり(Bromstedt版が廃番でSegerstam版のみになっているようですが)、両作とも、現代の古典となるべき作品だと思います。