ドンナ・ディアナで有名なレズニチェクの知られざる管弦楽曲を集めた珍しいCDです。 このCDに収録された作品はいずれも華麗なオーケストレーションと大変美しいメロディをもった作品で、あまり知られていないのはもったいない気がします。 CPOレーベルではよく見かける、西部ドイツ放送管弦楽団(ケルン放送管弦楽団)と、M.ユロフスキの指揮で作品の魅力を伝えてくれる良い演奏だと思います。 ボーナスとして収録されたレズニチェクの自作自演は、1922にグローセ・オペルンオーケストラを指揮して録音した物で、アコースティック録音のため再現度は低く、鑑賞というより資料的価値のほうが高そうですが、貴重な音源の収録は嬉しいです。

1925年に作曲された、レズニチェクの交響曲第5番「ダンス・シンフォニー」は、第1楽章から順に、ポロネーズ、チャルダッシュ、レントラー、タランテラという舞曲のみで構成された作品。後には「死のマリオネット」というタイトルでバレエ付きで演奏されたこともある。本来は”Tanz-Symphonie”とだけ題され、交響曲第5番とするのは最近の傾向のようだ。このダンス・シンフォニーもCPOから出ているマールマン+ベルン響のもの以外は無いのではないでしょうか。カップリングは歌劇「ドンナ・ディアナ」の第2幕より、バレエ音楽と間奏曲（ワルツ）。

レズニチェクの交響曲は全部で4曲だとされていますが、ここには第5番「ダンス・シンフォニー」なるものが収録されています。これは、ラフマニノフの3つの交響曲とその後に書かれた交響的舞曲との関係に似て、4つの交響曲の後1925年に書かれた全楽章が舞曲から成る作品。これを第5番としているのでしょう。交響曲第2番「皮肉」とのカップリング。レズニチェクのCDは稀少なので、ぜひとも第1番 ニ長調、第3番 ニ長調、第4番 ヘ短調のCDも登場してほしい。